花が幼稚園に通っていた頃。
花が帰ってくるまでの数時間に 買い物に出かけました。
気持ちのいい季節でしたので、いつもと違うまわり道をしました。
庭々の樹々や花を眺めながら歩いていたら
足元に子猫が絡み付いてきたんです。
耳は千切れかけ、片目をつむり 血まみれで足をひきずりながら。
でも甘えたような声で 差し出した手に顔をすりつけてきました。
(助けてって言ってる!病院に連れて行かなくちゃ!!)
お財布を見ると 牛乳を買うだけだったのでたった千円しか入っていません。
子猫を空き地の草むらにそっと隠し、郵便局に走りました。
お金をおろして戻ると、子猫の姿はありませんでした。
他の動物に連れて行かれた?
あんな傷のまま 違う助けを求めに行ったの?
私は あんな小さな命を 精一杯のSOSを 見殺しにしてしまった・・・
どうして そのまま病院に連れて行ってやれなかったんだろう。
お金の手持ちがないから 後で持ってきますって言うことだって出来たのに。
千円しかないことが恥ずかしかったから?
治療費が高かったら困ると思ったから?
治した後 家で面倒を看てと言われるのが困るから?
自分の行動の裏にあった 卑怯さを悔やんで
今でもあの草むらを通るたびに 苦い思いをするのです。
花が帰ってくるまでの数時間に 買い物に出かけました。
気持ちのいい季節でしたので、いつもと違うまわり道をしました。
庭々の樹々や花を眺めながら歩いていたら
足元に子猫が絡み付いてきたんです。
耳は千切れかけ、片目をつむり 血まみれで足をひきずりながら。
でも甘えたような声で 差し出した手に顔をすりつけてきました。
(助けてって言ってる!病院に連れて行かなくちゃ!!)
お財布を見ると 牛乳を買うだけだったのでたった千円しか入っていません。
子猫を空き地の草むらにそっと隠し、郵便局に走りました。
お金をおろして戻ると、子猫の姿はありませんでした。
他の動物に連れて行かれた?
あんな傷のまま 違う助けを求めに行ったの?
私は あんな小さな命を 精一杯のSOSを 見殺しにしてしまった・・・
どうして そのまま病院に連れて行ってやれなかったんだろう。
お金の手持ちがないから 後で持ってきますって言うことだって出来たのに。
千円しかないことが恥ずかしかったから?
治療費が高かったら困ると思ったから?
治した後 家で面倒を看てと言われるのが困るから?
自分の行動の裏にあった 卑怯さを悔やんで
今でもあの草むらを通るたびに 苦い思いをするのです。
我が家にまだピーターがいなかった頃の話。
ある夏の夜にデッキへ出る大きな窓の外に影が見えました。
じっと中を覗くようにお座りする 灰色の子猫でした。
窓越しにそっとみると 目が合いました。
子猫は 初めて にゃ~と鳴きました。
「居ついたら困るね。知らん顔しよう」
慌てて窓から離れましたが 影はそこを動きません。
気になってそっと見に行くと また目が合って にゃ~と一言鳴くんです。
一時間しても 座っているので
「うちでは飼えないんだよ」と抱いて表通りへ連れて行きました。
パパさんは猫が嫌いです。
次の夜。
また窓の外に 影。
あの子猫が 昨日よりいっそう近付いて 窓に顔をつけるようにして覗いています。
下半分が曇りガラスになっているので きっと家の中ははっきり見えないはず。
でも誰かが動くたびに にゃ~といいます。
また 一時間。
もすこし遠くへ連れて行きました。
三日目。
また 影が。
時々 入れてというように 窓をカリカリ引っ掻いています。
可愛い声で にゃ~と呼びます。
パパさんも私も気になって気になってそちらばかり見てしまう。
「・・・どうしようか?」
猫嫌いのパパさんが そっと抱いて畑のほうに連れて行きました。
怒るでもなく 淡々と
「ごめんね。うちでは飼えないんだよ。違う家を探しなよ」
家に帰ってきて しばらく二人とも黙っていました。
「あの子猫 うちの子になりたかったのかな?
毎晩通うほど なりたかったのかな?
・・・・明日も来たら 中に入れてやろうかな・・」
パパさんが言いました。
私は慌てて畑を見に行きました。
明日いいなら 今日だっておんなじ。
猫の姿は 見えませんでした。
次の夜 なんとなくそわそわして窓ばかり見ていました。
でも もう二度とあの子猫はやってきませんでした。
ある夏の夜にデッキへ出る大きな窓の外に影が見えました。
じっと中を覗くようにお座りする 灰色の子猫でした。
窓越しにそっとみると 目が合いました。
子猫は 初めて にゃ~と鳴きました。
「居ついたら困るね。知らん顔しよう」
慌てて窓から離れましたが 影はそこを動きません。
気になってそっと見に行くと また目が合って にゃ~と一言鳴くんです。
一時間しても 座っているので
「うちでは飼えないんだよ」と抱いて表通りへ連れて行きました。
パパさんは猫が嫌いです。
次の夜。
また窓の外に 影。
あの子猫が 昨日よりいっそう近付いて 窓に顔をつけるようにして覗いています。
下半分が曇りガラスになっているので きっと家の中ははっきり見えないはず。
でも誰かが動くたびに にゃ~といいます。
また 一時間。
もすこし遠くへ連れて行きました。
三日目。
また 影が。
時々 入れてというように 窓をカリカリ引っ掻いています。
可愛い声で にゃ~と呼びます。
パパさんも私も気になって気になってそちらばかり見てしまう。
「・・・どうしようか?」
猫嫌いのパパさんが そっと抱いて畑のほうに連れて行きました。
怒るでもなく 淡々と
「ごめんね。うちでは飼えないんだよ。違う家を探しなよ」
家に帰ってきて しばらく二人とも黙っていました。
「あの子猫 うちの子になりたかったのかな?
毎晩通うほど なりたかったのかな?
・・・・明日も来たら 中に入れてやろうかな・・」
パパさんが言いました。
私は慌てて畑を見に行きました。
明日いいなら 今日だっておんなじ。
猫の姿は 見えませんでした。
次の夜 なんとなくそわそわして窓ばかり見ていました。
でも もう二度とあの子猫はやってきませんでした。