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**アカシアの木蔭で**

流れていく時間と逆らわずに流れていく自分を、ゆっくりペースで書いて行こうと思います

初めての時・・・

2005年04月27日 | 病棟
看護婦にだって 初めての本番があります。
と言っても、注射・採血の話ですよ。
(そ、そんなに動かないで・・
 痛いって言わないで・・・
 じっと見つめちゃ イヤ・・・)
初々しくていいよ なんてツワモノも中にはいますが、
びくびくしながら 指先を震わせてするんですから
されるほうは さぞかし・・・。

看護学校で もちろん注射の練習はありました。
友達に聞くと 材料はこんにゃくだったりオレンジだったり
それを相手に 位置・角度・声掛け等教官に厳しくチェックされながら練習するのです。
でもいくら練習したって 物と人とじゃ大違い。
学生同士で採血しあう最終テストでは、人選がものを言います。
血管の太さ・出具合でランクを付け、相手と交渉したり。
幸い 私は駆血帯無しでもいける程良い血管持ちなので、みんな優しかったなあ・・・。
ミスド食べ放題を取引条件に臨んだテストなのに
友達は 緊張のあまり採血後に駆血帯を外すのを忘れ、
さらに震える手で操作したために注射器が針から抜けちゃって
血がピュ~と飛んでしまいました。
もちろん再テスト。
ケンタッキーのバレルの追加で手を打ちましたヨ♪

そんなに苦労したのに 就職してからはあまりチャンスがなかったんです。
大きな病院だったので 採血だって点滴だって大抵ドクターがしていたのよ。
IVH入っている人が殆どだったから 抗生剤も三方活栓に繋ぐだけだったし。

ところが 今の病院に勤めだしたら、採血は必須なのよ。
(・・・ああ とうとう採血しなくちゃいけない日が来てしまった。)
去年の私は 毎日ビビりまくり。
なにしろ13年ぶり、それも翼状針しか扱ったことのない甘ちゃんの私。
意を決して 患者さんのところに行きましたっけ。

・・・・・おじいちゃん、血管細すぎるよ~(泣)
なんとか 刺して血が引けてきました。
ところがあと4ccというところで ウンともスンともいわなくなって。
(お願い 誰かこの手をしごいて~~!!)
じりじり注射器の内筒を引いて やっとの思いで10cc採ったら、
最初のほうの血液が固まり始めていて やり直し。
申し訳なくて 情けなくて、一日中手が震えていました。
「心の中で手を合わせて 患者さんに経験積ませてもらうしかない」と 先輩が言う。
・・・患者さんには 迷惑な話ですよね。
やらねば上手くならない、でもやれば失敗もある。
(ほんとに ごめんなさい。許してね。)

そうやって もうすぐ一年が経ちます。
どきどきするのは今も変わらないけれど、成功率は格段に上がり
留置針も入れられるようになりました。
失敗しても笑って許してくれた患者さんたちに 大感謝!!!です。




JR脱線事故

2005年04月27日 | 生活
意識の無い患者さんのオムツを変えている時に
このニュースが ラジオから流れてきました。
時間を追うごとに 増えていく亡くなられた方の名前。
事故から三日経って 百人を超えるかもしれないとアナウンサーが話しています。

何事もなく平和に一日が始まり終わる予定だったことでしょう。
始まったばかりの学校やクラブ活動を思い
仕事の段取りを考え
家族に食べさせる夕飯の献立を組み
あるいは 大好きな人に想いを馳せ・・・・

一瞬にして命を絶たれた方たちは
最期に何を思ったのでしょうか?
人生を走馬灯のように振り返る時間はあったのでしょうか?
振り返るには若過ぎる人たちがたくさん含まれていたこと、
気の毒でたまりません。
残されたご家族がマイクを突きつけられ 力無く笑うのは
まだ事実が受け入れられないのでしょう。
きっと これから身内の死が重くのしかかり
泣いても泣いても足りず 身悶えするほどの悲しみに苦しむのでしょう。

亡くなった方々が 天国では事故の記憶を持たずに
五体満足で過ごされますように。
ご遺族の悲しみが 早く癒えますように。