アルバニトハルネ紀年図書館

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『オオカミ少女と黒王子』第2巻/八田鮎子

2012-02-24 | 少女漫画
 
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言っとくけどな
本物だと俺の趣味が疑われるから
テキトーにかわりをあてがっただけだからな
おまえは俺のモンだって印(しるし)だから
ぜったい忘れんな

(佐田恭也から篠原エリカへ)



 連載も好調に続きながらの第2巻。第7話までと、読み切り『純潔ララバイ』を採録。
 犬が本当に好きなのだという、今まで見られなかった佐田っちの一面が見られたり、彼にも友達がいたという意外な事実を知りながら、エリカの奮闘(?)は続く。エリカが頑張る度に、恭也は照れてはぐらかしてしまう。そういうのを繰り返しながら、二人の仲が深まっていく様が楽しい。

 八田鮎子さんの漫画は、とにかく面白い。良い意味で「プロが描いた作品」という印象を受ける。「面白い」というのは理屈ではないけれど、作者は面白い漫画を描くために、見えない所でとても苦労しているはずだ。ところが作品自体は、作者が漫画を生み出すために苦労していることを感じさせず、ひたすら楽しい。コメディを描くのはとても難しいことなのに、高い完成度を常に維持している。そういう所はさすが「プロ」だと思う。

 私は『笑点』という番組が大好きで、噺家(落語家)に対して大きな尊敬の念を抱くようになった。私はテレビやラジオで見聞きする一部の噺家しか知らないけれど、噺家の方々は常に面白い。中にはテレビに顔が映っただけで、これまでの言動が呼び覚まされて、笑わされてしまうようなすごい方もいる。その芸は稽古を積み努力を重ねて身に付けた物なのに、「私はお客さんを笑わせるためにこんなに努力している」などと語る噺家は、私の知る限りでは一人もいない。
 そういう、噺家に対する尊敬と、コメディを描く漫画家に対する尊敬の念は、私の中では多くの点で重なっているのだと思う。


第5話カラー扉(別冊マーガレット平成23年11月号)



お薦め度:★★★☆☆


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【検索用】オオカミ少女と黒王子 八田鮎子 2


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