アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

私が初めて聴いたJazz_

2008-02-09 | Weblog
きっかけは些細なこと、私は"Jazz"と呼ばれる音楽のCDを買い、聴いた。
こういう音楽があるのは凄いことだな、と、聴いたばかりの印象なのでちょっと文章がびっくりしている_

「Jazzを聴いてみたい」という漠然とした願望は以前からあったのですが、先日たまたまマイミクさんから木幡光邦というジャズトランペッターの話題のメッセージが届きまして。
ところが"introducing 923BIGBAND"をamazonで検索しても出てこなかったのですよ(笑)
そこで以前、とあるチャットルームで親しくなった、音楽関係のお仕事をしている年上の人にMiles Davisを聴かせてあげたいと言われていたことを思い出し、なんだか無性に聴きたくなってしまった(笑)
レビュー等を参考にしながら"MILES SMILES"と"COOKIN'/WITH THE MILES DAVIS QUINTET"の2枚を買ってみる。前者はレビューでかなり絶賛されており、後者は「ロックファンにもお勧め」とのことでプログレ好きな私にも取っ付きやすいような気がして_

↑格好いい!

私が「音楽」と云うものを本格的に楽しむようになったのは高校時代からです(それ以前もTVの歌番組くらいは見ていたが)。
寮に、結核のため留年していた、学年は一緒だが歳は一つ上の音楽(Rock)にとても詳しい先輩がいて、部屋を覗くと下手なレコード屋より大量のCD・LP類があった。
妙に気になって、何か一枚貸して下さいとお願いして渡されたのがEmerson, Lake & Palmerの"Brain Salad Surgery"。
私が生まれて初めて触れたプログレッシヴ・ロック。
聴いてみました。
…訳が分からず、一度返しました(笑)
しかし何とも勿体ない気がして、数日後もう一度その先輩の部家を訪れ、「この前のCDと、もう一枚別のを貸して下さい」、と。
その時渡された二枚目がQueenのセカンドでした。
不思議なものです。今から思うと"Queen II"は「Rock入門」に最適なアルバムの一枚だと自信を持ってお勧めすることができますが、正統派のブリティッシュ・ロック、それもQueenの最高傑作と言われているアルバムを聴いてみると私の中の「Rockを楽しむことの妨げになっている何か」がスッと消滅しました。
A面をWHITE SIDE、B面をBLACK SIDEとしたコンセプト、「様式美」という用語等を後に知りましたが、それはさておき何だか「自分にもRockが楽しめるぞ」という気分になって、以前挫折したEL&P/Brain Salad Surgeryを聴いてみると今度はすんなり楽しむことができました。
特にB面のKarn Evil 9の歌詞(メッセージ)です_
"Rockは楽しいものなんだよ、Roll up(いらっしゃい!) いらっしゃい! See the show!"
そう、
「音楽」とは「楽しい音」と書くように、「楽しいもの」なのだ。
そんな「当たり前のこと」を突き付けられて私は「自然体でmusicを楽しむ」ように。
音楽理論だとか楽式論だの難しいことは「後回し」にしてまずはアルバムを「楽しめ」ばいいんだ-
私はハードロック、プログレ、NWOBHM…とCDを買い漁りました。
一枚々々買うごとに新鮮な感動と楽しみと発見が私の中に蓄積されてゆきました。
Hard RockとHeavy Metalが実は同じものだということも知りました。
中でも衝撃的だったのがyesの"Fragile"
あれから15年以上経過しているのにまだ私が「イエスファン」をやめることができない、そんな出会いでした。

プログレッシヴ・ロックは一時期「ジャズ・ロック」と呼ばれていたこともあるのですが、大学時代にジャズ好きの先輩にEL&Pの"TARKUS"を聴かせてみたら確かにジャズ的要素があるね、と言われました。

「自分にも楽しむことのできるジャズのアルバムが必ずあるはずだ」
確信にも似た何かを感じた_

そして今回購入したMiles Davisの"MILES SMILES"(1966)と"COOKIN'(1956)"、前者は
>60年代のマイルス・サウンドの基本として位置づけられる、クインテットのスタジオ作品2作目。名曲「フットプリンツ」「フリーダム・ジャズ・ダンス」などを含み、アルバム収録曲以外に完奏が存在しない、完璧なまでの完成度を誇る1枚。
との商品説明。

"MILES SMILES"から聴くことに。
コンポの重低音とか余計なイコライザ効果は全部プリセットして「アルバムそのままの音」で、少し大きめの音量で再生_
……
……
…これがJazzと云うものなのか_
ジャズ関連のサイトをネットサーフしているとMiles Davisを"Jazz"と云う枠だけで捉えるべきではないようなことも書いてありましたが私が意識的に「Jazzを聴くぞ!」と意気込んで生まれて初めて買ったのがこの2枚なので、結果的に私にとってのJazzの第一印象、入り口はMiles Davisということになりました。
一言で感想を述べると、難しいことは分からないがすごく良かった!
Jazzの歴史とか発祥とか詳しいことは何も知りません。ソウルとフュージョンの違いもよく分かりません。ただただ素敵だと思いました。「聴くのが楽しい」、それでいいじゃないですか(届いてから2枚を交互に何度も聴いている(笑))。

さて"MILES SMILES"は

ORBITS
CIRCLE
FOOTPRINTS
DOLORES
FREEDOM JAZZ DANCE
GINGERBREAD BOY
の6曲、

"COOKIN'/WITH THE MILES DAVIS QUINTET"は

MY FUNNY VALENTINE
BLUES BY FIVE
AIREGIN
TUNE-UP/WHEN LIGHTS ARE LOW
の4曲。
前者はスタジオ音源、後者はライブ(セッション)。
何の予備知識もなしに聴いた2枚です。なんとなくスタジオ盤→ライブ盤の順に聴きました。助かったのは、輸入盤なので解説入りのライナーノーツのような物は入ってないだろうと思ったら前者にはAnthony Tuttleによる説明文が添えられていたこと。
1曲目のORBITSを聴いていきなり、なんというか、生々しい、臨場感、というか緊張感といったものがグイグイ伝わってきた。迫力のトランペット、トランペットというのはこんなにも凄い音を出すのかと驚いたが、その音に絡みつくように激しく滑るようなピアノの旋律、かと思うと2曲目のCIRCLEは「しっとり」聴かせてくれる調べ_FOOTPRINTSまで聴いてみると今度は「ジャズに於けるピアノ」の奏法がこんなにも面白いものなのかと驚く。ピアノ奏者はHerbie Hancockと云う人物で、ジャズ界に於いてはかなり有名な人物らしい。
ライナーノーツには"Orbits" opens the album, and the mood of the side is sky-high. "Circle" is a different story."とある。"sky-high"と云う言い回しは張り詰めた、緊張感のあるピアノの旋律にピッタリだ。"thrilling"とでも言おうか_
そして最後のGINGERBREAD BOY、"Gingerbread Boy" takes the album out under full drive. In tight unison, Miles and Shorter introduce the striking theme and then Miles takes off on a flight wild and free."と解説にはある。
三度聴いた時点での感想だが、初心者の私が聴いても見事なunisonになっていると思う。ある一点に向かって総ての要素が見事なまでに収束し、そして最後に解き放たれるような心地よい開放感だ_
Miles smiles?
Sure he does, and don't be surprised if you do, too.

何か美味い飲み物でも炒れて(自宅では飲まないが酒も良いような気がする)、シガリロ片手にうっとり聴き惚れたいようなアルバムだ。

続いて"COOKIN'"。
こちらはライナーノーツにあまり詳細な説明はなく、"It is said all good things come to an end. One did in the spring of 1957 when the Miles Davis Quintet was dissolved."と簡単な説明がある。
1曲目のMY FUNNY VALENTINEを聴いて、いきなりRed Garlandの美しいピアノの旋律に魅せられた。サクソフォンの音色といい、「美しい」の一言だ。自分が子供の頃にピアノを少しやっていたこともありどうしてもピアノの音に耳が行くが、管楽器の奏でる美しさが楽しい。
BLUES BY FIVE、音楽の楽しさが真っ直ぐに伝わってくるsessionだ。Jazz=大人の音楽という先入観があったが、少しも退屈させられることがなく、10分23秒があっと言う間の短い時間に感じられる。難解なのかと思ったら意外と親しみやすい(もちろん専門的なことは分からないが)。
AIREGINの「酔わせる」ような心地よいリズムはそのままTUNE-UP/WHEN LIGHTS ARE LOWへと引き継がれる。この音律の心地よさをどう表現したら良いか、trumpet, tenor saxophone, piano, bass, drumsの5要素が複雑に絡み合って一つの美へと昇華するとでも言うか_
ライナーノーツにはIra Gitlerが2006年に補筆した部分があり、"I identified "When Lights Are Low" as "Just Squeeze Me"."としたことに関して訂正のようなことをしてますが、知らない固有名詞が出てくるので、このアルバムがQUINTET4部作の最初の一枚で、"Just Squeeze Me"と云う曲が別途存在するということだけ分かりました。

夕方届いてから、交互に何度も聴いてます。繰り返し聴きたくなる確固たる魅力がある。
今日は「今まで知らなかった世界を知った喜び」で一杯だ_

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