別花って買う度に高い高いって思うんだけど(500円)、けっきょく毎月満足させられちゃうんですよね(笑)
『ひとりたち』/菅野文
読み切り。『オトメン(乙男)』の作者の新作。とても良かった。
病院で父の最期を看取る女子大生、野口幸(のぐちゆき)は、失踪した母が何も遺さずに死んだのは嘘だったと、誰も知らない誰かの名前と電話番号が書いてある一枚の紙切れを渡される。母も父も亡くし、アパートで一人で眠る幸は、その紙切れがたったひとつのつながりに思え、二日経ってようやく電話をかける。電話の相手は「綱木(つなき)ライフサービスです」と名乗り、幸はバイト希望だと勘違いされ、その会社へ出向く。仕事だと有無を言わさず連れて行かれた場所は、一人で自殺した女性の住んでいた、ゴミ部屋と化したマンションの一室。
この仕事を始めたのは「自己満足」だと答えた綱木。幸はその夜、今自分が死んだら誰が見つけてくれるのだろうと、泣きながら眠る。なりゆきでバイトを続け、孤独死の後始末を手伝う幸は、遺書を遺族に届けようとして、綱木に故人の人生に踏み込むなと怒鳴られる。辛くないのかと尋ねられ答えなかった綱木が、過労とストレスで倒れてしまう。帰れと言われ、帰りませんと答える幸。
「ひとりで眠るのって…… 寂しいじゃないですか」。
警察官だった過去を話し始める綱木、母は最後に綱木さんに出会えて嬉しかったからこのメモを持っていたんだと答える幸。
菅野さんはこういう生々しいお話が描けるんだから、もう『オトメン』なんか辞めちゃえばいいのにね(笑) 『悪性-アクサガ-』は過去の作品ですが、あれもとても良かったんです。
『60秒ハニー』/藤崎真緒
読み切り。『1+1』の作者。
高校の合格発表を見に来た小鳥遊水萌(たかなしみなも)は春風でスカートがめくれ、それを助けてくれた鷹巣(たかす)先生に脚が綺麗だと褒められ、その日から彫刻のモデルになってくれと追い回される。姉にもらった大切なお守りを落とした水萌は、それを探していてまた先生と鉢合わせしてしまう。犯されると思い込んで悲鳴をあげると、お守りの力で子供の姿になってしまう先生。一晩眠ると、先生は元の姿に戻り、今度は水萌が子供になってしまっていた。
お互い12時間周期で変化して、1分間だけタイムラグがあると知る二人。
「ありがとう」が言えない水萌がようやくお礼を言えると治まる超常現象。
『執事様のお気に入り』特別編/伊沢玲・津山冬
伯王の弟、理皇に使える桐生さんの特別編。今日も神澤家のメイド達は桐生さんにムダにときめいてしまう。理皇坊ちゃま一筋、理皇しか目に入ってない桐生さんに(笑)
車の中から、庶民の学生達が携帯ゲーム機で対戦している姿を見て、ごほうびにあれが欲しいとねだる理皇。お父上の方針でお許し頂けないのでこちらのゲームはいかがでしょうと「囲碁」を見せる桐生。「−−桐生のバカッ!!」と言い残していなくなってしまう理皇。
失望されても自分は理皇様のお傍に…!と桐生が駆けつけると、理皇は庵や隼斗たちに囲碁を教わっていたという、可愛らしいお話。
良ちゃんと伯王が最後どうなるかはもう決めてあるはずなので、本編を進めて欲しい。
『超嗅覚探偵NEZ-裏の畑のポチ-』/那州雪絵
犬と同等の嗅覚を持つ探偵、松下操(まつしたみさお)と、刑事課の巡査、神保裕貴(じんぼひろき)のコメディ。2008年9月号に掲載された『Ne』が好評で、タイトルを変えて再登場。
その嗅覚で発覚していない犯罪まで掘り出してしまう松下。神保なら打算抜きで松下と付き合えると、上司の芳谷に言われる。松下の「なんで 自分が自分だってことを隠さなきゃいけないんだ」という不器用さがいいですね。
『オレンジ チョコレート』第14回/山田南平
律を真似てお稽古で舞う、「いい女」を目指しているちろ。「早く 自分の舞にできるといいね」と言うお師さん。
度々起こる入れ替わりに、八つ当たりされ、面白くない右近(気が短いほうの狐)。願い事の事で揉(も)めて苛ついたのか、願いが上手く叶えてやれない事が歯痒いのかと訊かれ、「両方だ」と答える右近。社長に食べたい物を食べさせてやると言われ、回らないお寿司をちろが律と食べていた頃、別の形で叶ってしまった願いを、ちろ殿の本意の願いに軌道修正して行けばと言う左近。
『群青シネマ』第6話/都戸利津
第1巻からの続きです。目を覚ました朝日、家に来ていた水野先生は、カメラを使わせてもらえるよう学校に頼み込んでおいたと言う。聞かせたくない格好悪い話を、聞いて欲しいのは水野先生だけだと、これまでのいきさつを話し始める朝日。「君たちは 意外とお互いを分かっていないんですね」と笑う先生。
二人が嘘をついたのと、朝日が熱が出るほど無理をしたのとが、同じに思えると言ってくれる先生。人がどのようにして夢を見るのかを教えられた朝日は、ふっきれて、駆けつけた縁日でイギリス行きをやめたたまきと会う。たまきが自分の意志を母に告げてイギリス行きをやめたと知って大喜びする。
それを知らない弥方がどう動くのか。次回、目が離せません。
『お嫁に行けない!』Step9/藤原規代
大学へ進学する決心をした悠貴。しかし家族はまるで家事が出来ず、逆に悠貴は頭がすごく悪い!(笑)
そこへやってきた、実家から逃げてきたまどか。久賀さんが、財布を落とした美加(まどかの友達の婦警)に捕まっていた頃、けっきょく勉強の邪魔にしかなっていないまどかに腹を立ててしまう悠貴。しかし受験は人生の中で最も辛く、自分を試される時期で、この先の人生できっと彼の糧になると応援の言葉をかけるまどかに、悠貴の母は手を付いて息子をよろしくお願いしますと言う。
「俺は嫁に行くのか?」と顔をしかめてふすまを開けた悠貴は、「…今日はありがと」とお礼を言い、まどかは自分で部屋を片付けられるようになろうとし、その夜、家出をしてきたと言う悠貴が泊めてくれと訪ねてくる!
来月号のお知らせの値段の所を見て叫びそうになった。「520円かよ!」(笑)
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【検索用】別冊花とゆめ 白泉社 201003