アルバニトハルネ紀年図書館

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『オレンジ チョコレート』第1巻/山田南平

2009-06-21 | 少女漫画
 
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りーつーちゃーん
オレンジチョコレート
しーまーしょーーっ


この作品は女の子のちろ=呼水千尋(よびみずちひろ)と、男の子のりっちゃん=姫野律(ひめのりつ)の中味が入れ替わるという、「TS(transsexual)」作品でもあります。見開き扉をはさむ前後の2ページは単行本化の際に描き足された部分です。

↑連載はこのカラー見開きから始まりました。

幼い頃、御霊さん(神社)でジャンケンしながら階段を駆け上がる「オレンジチョコレート」をして遊んでいたちろとりっちゃん。りっちゃんは日舞行川流(なめがわりゅう)の家元の末っ子、そして自分もりっちゃんの父に日舞を教わっていたちろ。りっちゃんみたいに上手に踊れないちろは「りっちゃんになりたい」と言う。そしたらりっちゃんは「じゃ おれも ちろになりたい」と言う。その会話を聞いていた、神社の狛犬。
【訂正】狛犬ではなく稲荷の狐でした。

時は流れ、16歳になった律は「傾城(けいせい)」という舞のPVに出演しブレイクし、天才女形タレント「おいらん王子」の名で有名人に。一つ年下の千尋は友達も多いけど相変わらずりっちゃんの後を追いかけています。千尋の姉・百合は律のマネージャー、おいらん王子を勝手に売り出すのでケンカばかりの律の兄の鎮(しずか)と四人で兄弟のようにいっしょくたに大きくなった。

ある日、ソフトモヒカンの金髪生徒会長は、文化祭で律に舞ってもらおうと、兄の鎮と幼馴染みにして同じ学校の中等部の千尋に出演交渉を押しつけます。
今でも月・水はりっちゃんのお父さんに「おけいこ」してもらっているちろ。自分がどんなに下手でも温かく見守ってくれるお師さん(おしさん)ですが、息子のりっちゃんにはとても厳しい。「名取になったら好きにさせるって あんた言っただろう!?」とりっちゃんとお師さんが大喧嘩したその日、またあの神社でオレンジチョコレートをするちろとりっちゃん。期待が重いと言うりっちゃんに、「ちろなら怒られないから ちろが ちろがりっちゃんになったらいいのに」と言うと、昔もここでそんなやりとりがあったね。
「娘 その願い 叶えよう」と答える神社の狛犬。境内で眠ってしまったちろとりっちゃんが「コンコン」という咳の音で目を覚ますと、なんと二人の身体が入れ替わっていた!

理解力が高く順応力の低いりっちゃんはパニック、理解力が低く順応力が高いちろは「(男の体での)おトイレクリア」で自信つけたと楽観。実際、ちろの言う通り、一晩眠ったらお互いの中味と身体は一旦は元に戻ります。
だが油断は禁物と、PVの撮影にちろを同行させるりっちゃん。初めてのスタジオにわくわくするちろ。
りっちゃんが艶めかしい「姫野律」に着替え、ちろがりっちゃんステキ、こんな風になりたいと思った瞬間、「コン」と咳の音がして再び入れ替わってしまう二人。
撮影は中断できない、このまま舞うしかない。行川流名取の俺の体だ、舞えるから俺の代わりにやれとりっちゃんの体をしたちろを送り出す、ちろの体のりっちゃん。
自分が今借りているのは、あんなにうらやましかったりっちゃんの体なのだと、見事な舞。いつもと違い「エロカワな鷺娘だな~~」の声。

小さい頃から憧れていたりっちゃんの舞を踊れたちろ、爆睡し、また元どおりになるお互いの中味と体。あんな艶容な舞は自分には無理だと、ちろを褒めるりっちゃん。

素直になれないりっちゃんの父は、弟が可愛ければ悩みを聞いてやれと長男の鎮に言う。お茶菓子を食べながら、自分は長男だから下に譲るの慣れてるぞと言う鎮。律は末っ子でガマン慣れしてないんだから欲しいものは手に入れろよ。
「手に入らないものが欲しい場合は?」と訊く律に、「あきらめてない内は "まだ手に入ってない"だけだろ」と答える兄。
小さい時、律は父に自分がこれから舞う「羽根の禿(かむろ)」は遊女の見習いである前に六歳くらいからの女の子と言った。お前は男の子だが、お手本は身近にいるね。オレンジチョコレートをしようと律を誘いに来るちろを、先生が来たぞ、あの子をよく見ろと。

「有名人の幼なじみ持つと大変だねぇ」と言うクラスメイトに、「幼なじみが 有名人になっちゃったんだよっ」と答えるちろ。友達が少なく、自分はつきあいづらいと自覚している律は、「ちろは 友達多そうだな」と言う。「ちろから見習わなきゃいけないとこは 芸以外にもありそうだ」。ちろになりたいと思う時があるとりっちゃんが言うと、咳の音がして学校でまた入れ替わってしまう二人。
とても高一の数学の試験なんて受けられないと、保健室で寝るりっちゃんの体のちろ。中味が元に戻らないまま放課後、二人が一緒にいる処を見て出演交渉がまとまったんだと勘違いする生徒会長。
「…さっきから… ちろに べたべた触るな!!」とちろの体のりっちゃんが生徒会長に強烈な蹴りを入れてしまう--!!


お薦め度:★★★☆☆
ひらがなや独特の言い回しの多いちろの台詞ですが、山田南平さんが中学2年生になった娘さんの言動を参考にした部分もあるそうです。巻末の次巻予告の「入れ替わりのせいであり得ない大事件が続発!!」のキャッチに偽りなしです(既に雑誌で第6話まで読んでいる)。第1巻時点ではまだ物語が本格的に動き出してませんが、第2巻は4つ星付けられる、期待を裏切らない傑作になると思います。

これまでに2回、「別冊 花とゆめ」の表紙になってます。今回の作品は着物がありカラー原稿に時間がかかったそうなので、せっかくですから載せておきます。有隣堂(ゆうりんどう)横浜駅西口コミック王国で7月12日まで原画展をやっているので、行けば実物が見られるかもしれません。『紅茶王子』など過去作品からの原画が展示されているようです。




第3話の見開きカラー。


↓オ・レ・ン・ジ・チョ・コ・レ・イ・ト!
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