ちかの漫画家デビューに向け、盛り上がってきました。稜と夏澄とちかの三角関係も。既にちかの結論は出ているので三角関係ではないかもしれませんが。
屈折したシスコンの兄にも釘を刺され、「師匠」というポジションを貫き通そうとする稜。しかしちかは、眠っている稜を見て、助け出してくれた時の稜ちゃんの匂い、大きな手を思い出し、ここが世界で一番安全で一番安心できるところだと、あたたかく、落ち着かない気持ちになる。
2月14日に16の誕生日を迎えるちか。その日だけは間違っても子供扱いするなと言うよっちゃん、「子供だ」と思い込まなきゃやってられないこともあると揺れる稜。
そしてちかからの尋常ではない数のチョコレート(20個!)に動揺したのか、試験期間中は仕事場への出入りを禁止してしまう稜。その後も、男の子が描けるようになるまで来るなとちかを遠ざけ、いっそ夏澄とくっついてしまえと葛藤する。
笹神ちか、15歳の時に描いた初投稿作『ベストフレンズ』が漫画賞の2位と編集長期待賞を受賞する。結果を見て、絶対にプロになると目を輝かせるちか。バカ正直でまっすぐで、こんなキレイなものを絶対に汚す訳にはいかないと、1回だけ肩たたきを頼み、これを最後に蓋をすると気持ちを封じ込める稜。
自分の作品は自分の縄張りで描けと、ちかを仕事場から閉め出そうとする稜。理由がなきゃ会いに来ちゃいけないのはへんだと押し掛けるちかを、今度の原稿は持ち込みで見てもらえと再び突き放す。
持ち込みに行ってちかが自分の恋心を自覚する流れがすごくいいです。
予約した日にちかの原稿を見てくれたのは編集部の高橋さんと、よっちゃんの彼氏の典ちゃん。ベテラン編集者の高橋さんはちかの原稿を丁寧に見てくれ、よく出来ていると褒めてくれる。ただし恋愛面が薄く、主人公はどうしてこの男の子が好きになったのか全く説明が無い、しかし人生経験の浅い今でなければ描けない話が絶対にあると、その原稿を次の漫画賞に廻してくれる。
名刺を渡され編集部を出たその玄関先で、唐突になんでよっちゃんが好きになったの?と典ちゃんを質問攻めするちか。その答えを聞いて、なぜ稜ちゃんは自分の作品に足りないものを教えてくれなかったのか、人を好きになる「理由」を考えながらの帰途、喫茶店の中で女の人と仲良くお茶を飲んでいる稜を見付けてしまう。ちかは持ち込みで原稿を見てもらって、過去があるから現在があり、稜ちゃんの事が男の人として「好き」だと今日わかったと勢いで告白してしまう。それを少女漫画の告白シーンとしては「30点」だとはぐらかす稜。
いっしょにいた女性に、自分の告白を「大した事じゃないから」と言われ、姉には稜だけはやめておけと言われてしまう。
図書館の自習室で鉢合わせする稜と夏澄。夏澄のパンチをよけずに殴られる稜。自習室での稜の言葉を聞いてしまったちかが、何事もなかったかのようにふるまう様は健気です。
この後しばらくキャンプに行ったりして余計なエピソードが続くんですが、Step.35(4号)の続きが明日発売の7号です。
Step.24カラー扉(『花とゆめ』2009年14号)
Step.29カラー扉(20号)
お薦め度:★★★☆☆
師弟もので、ちかが「恋をしてようやく本物の少女漫画が描けるようになる」という展開がすごくいい。
花とゆめ読者で少女漫画家を目指している学生さんもいると思いますが、10代の内にきちんと恋をしておいてほしい。
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恋愛モノを経験の少ない私が書くと、どうしてもワンパターンになってしまいます。
SEXをしたからオトナになるんじゃない。
人とそれだけの関係を作れるだけ精神が成長したからオトナになる。
精神の成長を語る上で恋愛というものは外せないと思うのですよ。
少女漫画ってたいてい10代の女の子男の子が主人公なので、「売れよう」と思ったらやはり作者自身の恋愛経験は大切です。
本人が恋をせずに描いていると、最初の数作は良くても長くは続きません。
片想いだったりふられたりという程度でも糧になりますからね。