アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『デラックスマーガレット』2010年7月号

2010-05-29 | 少女漫画
 
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表紙が中原アヤ!新作50P! 2冊買っちゃいましたよ。でもデラマは今までに2回しか買ってません。

まず、巻頭に変形ページ(天地が2/3)の8ページのオールカラーの読み切り。
『ノストラダムスと榊くん』/香魚子
幼い頃に隣に越してきた、未来のことがわかる少年と出会い、8年後に世界が終わると聞かされて後悔のないように生きようとした少女の、優しい雰囲気の美しい読み切りでした。香魚子さんの水彩がすごく綺麗です。アフリカの夕暮れと日没、夜明けがとても良かった。


そしてデラマが2010年7月号を以て隔月刊をやめ、今秋から生まれ変わるというお知らせ。これに関しては後述します。


『ネガ×ポジ』/中原アヤ
これが目当て。高校入学と同時におとんがリストラされ、おかんも家を出ていき、バイトをしながらおとんと弟のご飯を作っている後藤は最近笑っていない。アホまるだしでクラスの人気者の前橋明(まえはしあきら)と自分は光と影だ。ある日突然、前橋がトラックにはねられ意識不明の重体に陥ってしまう。悲しみに打ちひしがれるクラス、しかし後藤にだけ前橋の姿が見えている!

思い残したことがあるので体に戻れないのだと言う、幽体離脱した前橋の霊。面倒なことに巻き込むなと突っぱねる苦労人のリアリスト。
生きているのに笑っていない後藤と、死にかけているのに笑っている前橋。「みんなの笑顔がオレの元気!」という霊の言葉の意味がなんとなくわかるようになった頃、前橋の容態は急変して危篤状態に。自分の代わりに思い付いたギャグを披露してくれという嘘の遺言に騙され、後藤はクラスの面前で渾身のギャグをやるが、めっちゃすべってしまう!
そして後藤は前橋の本心を知り、忘れるもんかと大泣きするが、奴はノコノコと生き返って、笑えば可愛いと皆が気付いた後藤のことを自分のものだと宣言する。
このアホみたいな前向きさ! あ、「アホ」って関西では「褒め言葉」なんだっけ?違ったっけ? とにかく買って良かった!


他に良かった作品についても簡単に。

『続・拝啓 伊達正宗様』/中島つばさ
歴女っぽい子が主人公のコメディ。なんか楽しくて笑った。
他校の好きな男子を伊達正宗と重ねている愛姫(あき)、そこに現れる、直江兼続を彷佛とさせる男、側室でも良いと言った言葉を取り消した愛姫は、黙って(正室だと)自惚れとけ!とキスされる。


『リトルポップ』/アルコ
運命を信じている紡(つむぎ)が、小3の時の初チューの相手、武史(たけし)との再会にどうしても「意味」があったと思いたがる。偶然でも紡にまた会えてよかったと言うタケシが、王子様みたいに迎えに来なくて悪かったなと謝り、昔と今で2回会って2回とも好きになるってすごくねと言う。運命、信じたいよねー。


『カーテンライン』/四元シマコ
小さい頃から恋多き奴だった直人(なおと)が何度も何度も失恋する度にトモに報告に来る。まっすぐに想ってもらえる彼女達やどうって事ない顔で笑っている直人をいつもうらやましく思っていたトモが初めて聞く直人の弱音。黙って見ていただけのトモは、カーテンの向こうで泣き言を言う直人の良いとこもダメなとこも全部自分が知っているのだと、初めて自分の想いを伝える。トモを「聖域」と言ってしまう直人がかわいい。


『生徒のお手本』/美森青
実験実験と言いながら化学教師の紅谷に恋してしまっている藤井純(ふじいじゅん)、17サイ。「実験」から「観察」に切り替えるが、先生に彼女がいるのだと知ってしまい、女性心理を教えてくれと頼まれてしまう。自分が先生に教えた「感情と裏腹の行動」をとってしまう純、追いかけて聞き返しくれる先生、純はもうちょっと勉強しましょうかと答える。美森さんの描く女の子が好きです。『なにしてあそぶ?』(別マ2009年3月号)の瑠美が特に好きです。あれを単行本に採録してほしい。


『Tell me why~私日和~』/羽柴麻央
自分の名前も知らない他校の女子生徒に告白される小川寿太郎(おがわじゅたろう)。一目惚れを信じない小川が、西成安(にしなりあん)が自分に一目惚れした理由を聞かされ、それが自分が弟と妹に注いでいた眼差しのように単純で純粋なものなのだと知り、引っ越すと言う西成さんの連絡先を教えてもらう。


『青春トリッカーズ~新聞部の小松さん~』/水野美波
この人の漫画を初めて読んだ時になんかいいなーと思ったんですが、あれから一年。上手くなりました。リクエストされた葵の泣き顔を撮るためにカメラ片手に追いかける明菜が彼を好きになってしまうところも、葵を初めて怒らせて視界が真っ暗になってしまうところも。


『武士道シックスティーン』/尾崎あきら・誉田哲也
初めて読んだんだけど面白い。何の為に剣を持つのか香織はわからなくなる。第2巻まで出ているので去年のデラマ1月号に昔の回が載ってるかもしれないと開いてみたけどそれには載っていなかった。原作は文藝春秋刊行の同名の小説。漫画は『ザ マーガレット』9月号より再開。


『制服時間』/夏目ひらら
生徒と教師物。「対 生徒」ではなく「対 私」として接してくれる東先生に恋してしまう香坂南(こうさかみなみ)。彼女にしてくれないのは「保身」なのかと感情をぶつけてしまう南に、教師であることに誇りを持っていて「保身」なんて安っぽい言葉で片づけられたくないと毅然と言い返す先生。自分が恥ずかしくなって逃げ出してしまう南。プラネタリウムを見にきてくれた先生が、夏目漱石がそう訳したのだと、「月が綺麗ですね」と精一杯の言葉をくれる。


『最後のページ』/下北沢ミツオ
1つ年下の幼なじみのタケの部屋が居心地のいい場所だというみどり。何も始めなければ終わることもないと、「今のままがいい」と願っていたみどりが、タケを拒み悲しいウソをつかせてしまう。みどりがタケのことなら何でも知ってるように、タケもみどりのことならなんでも知ってると、誕生日にクローゼットの中に隠れていたこともお見通しだった。


『ハテナ?』/斉藤のん
極端に優柔不断で迷ってばかりの子が、友達からの情報に振り回され振り回され、ようやく自分で考えて、その男子が好きだと気付くコメディ。かなり面白かった!


読みごたえありましたよ!


しかし今号を以て『デラックスマーガレット』は隔月刊をやめて秋から生まれ変わる(つまり廃刊)。新増刊のタイトルは別マ7月号で発表。中原アヤがカラー8ページ描く&河原和音×山川あいじコラボの100P長編が載るので必ず買います。
デラマ7月号は別の意味でも「永久保存版」になってしまった。

本屋で買ってきたこちらは「読む用」。ネット書店に注文してあるもう一冊が今日あたり届くので、そちらにはブックカバーをかけて本棚に永久保存しておきます。別マはずっと買い続けますよ。iPadが日本で発売されたその日に、自分が普段買っていなかった、創刊43年の雑誌が廃刊になったという皮肉な巡り合わせにもう泣きたい。
最後に中原アヤが『ネガ×ポジ』で明るく締めくくってくれたのが救いです。

iPadはどーせ一年も経てばもっと薄くて安いのが出るはずなので「今」買うことはないよな。


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【検索用】デラックスマーガレット 集英社 201007

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yuyu)
2010-05-29 16:58:03
>Wrlzさん

デラマ、まさか、なくなっちゃうなんて…。
ビックリでした!

「リトルポップ」面白かったです!
最後は、尻切れトンボに思えてしまったんですが、キュンとしました!

ブックカバーも購入とは、気合入ってますネ(^o^)
返信する
さよならデラマ (Wrlz)
2010-05-29 20:29:16
>yuyu様

中原アヤはデビューするまで別マ本誌を買ったことがなくてデラマ読者だったんですよね。(『ラブ★コン』第1巻の柱によると』)。

私はアンケートはがきに挙げた3作以外では『制服時間』と香魚子さんのオールカラーの読み切りが良かったです。というか7月号はほとんど全てが面白くて読みごたえたっぷりでした。

注文しておいた2冊目も届きました。綺麗なままブックカバーをかけて封印しました。この一冊は永遠に遺す!(笑)
中央書店コミコミスタジオのブックカバーは新書・B6・A5・文庫・B5サイズを各々100冊分くらいまとめ買いしてあるんですよ。B5のブックカバーをかなり久々に使いました。

こんなことになるなら普段から買っていれば良かった…。
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