「お涙ちょうだい」的な展開がちょっと鼻につきますが、まだ面白いです。
武蔵野電鉄作戦の総仕上げ、そして息吹とその赤ちゃんを取り上げるタエ子も選択を迫られる。
遥人は死を賭して電車の進路を確保し、国木田師団長は「人として死ねる」と感謝しながら死の風に飲み込まれて、生き絶える。老いた技術者、五次郎はこの手で世界を救うと、遥人の形見となった爆弾に誓う。
その頃、現職の日本国総理大臣は自分の内閣が一日も長く続くことだけを望んで、京都会議での声明を出せずにトイレに閉じこもっていた。
自分達には未来なんかないんだと牙を剥く小津姉妹に、電車に乗れと手を差し伸べる荊ちゃんが大好きだ。
遥人の死を知って泣き崩れる荊を、先輩の笑顔にはそれだけの力があるんだと怒鳴りつける葵。この先も迷わず突き進もう、自分の生命力(チカラ)を信じろと荊が立ち直り、帝王切開が必要な息吹も、外科手術を授業で習ったタエ子も覚悟を決められる。
きっとこの子は「何のために生きるのか」などという「難しいこと」は考えないのだろう。生き続けることそれ自体を生の目的と捉えているから、とても強く優しい。
組織や国家は何等(なんら)かの理想を掲げて創設され、やがて自分自身の存在を維持することが目的になってしまった瞬間から腐敗が始まる。(だからオレは共産主義を軽蔑する)。しかし人間は単に生きているだけで価値がある。
「コッペリオンには生殖能力がない」という設定があれば、成瀬荊は正真正銘の「天使」になれるかもしれない。(エロい意味ではありませんよ)。
お薦め度:★★★☆☆
チェルノブイリ原発事故が起きたのは「ソビエト連邦時代」だったという点も漫画の中で指摘してほしい。
自分のお母さんだから科学が好きだという荊の言葉(第2巻)を、最終的にはそういう所に繋げないとこの漫画はしっかりとは完結しない。
共産国の原子力は大惨事を招いたが、自由主義陣営の原子力は過ちは犯してもそれを教訓として、きっと人類に繁栄をもたらしてくれる。と、科学の力を信じているオレは思っている。
エコロジーと反戦運動の共通点は「左派勢力に利用されやすい」という点だ。日本を守ってきたのは平和憲法などではなく日米安保であり、今日の繁栄をもたらしたのは化石燃料と原子力を使いこなせる科学である。そういう「現実」にきちんと目を向けた上で「そういう活動」をしている者は意外と少ない。
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深い…深いです。
それとTVアニメ化がきになります!
萌えが強調されませんように…ナムナム。
オレは自民党を信じているので原子力発電もついでに応援しています。
アニメは期待半分、不安半分ですね。
そう言うことを何も考えずボケーッと読んでしまう自分が恥ずかしい^^;
科学が大好きな人間のたわ言ですから。
私は夏が来る度にエアコンを発明した人は世界で一番偉大だなと思います(笑)