亜熱帯ニッポン！

土砂降りの 昔のイメージ 越える雨
気違いじみた ゲリラ豪雨

温暖化 地球の病 他人事
そんなわたしを 打ちすえる雨

ニッポンの 四季は崩れて 雨季乾季
あたかも政治の 単純さに似て

暑いなり 続いて寒くまた暑く
グラデーションの無い 人間模様
安楽

千三句集（９４）

青空へ虫取り網から逃げた蝉
　富翁

ヒリヒリ

高田馬場 風が吹き抜く 古書めくる
神保町 風は淀みぬ 古書動く
町田にて ひっそり積まれた 古書眠る
安楽

千三句集（９３）

夕立が来やせぬか今日ランデブー
　富翁

義母来たる

八十五　出会ったころは　五十代
月日の流れ　老いに見てとる

ここ数年　どしどし老いては弱りたる
かつてのしゃきしゃき　いずこに消えたか

二階の夏

夏空が見える窓辺に風そよぐ

レース越し夏の草木のかすみ草

山見えぬ近郊景色味気なし

先輩

オールスター

セパともに二刀流に誰勝てず

魅力的若き力と甘い顔

先輩

千三句集（９２）

名古屋場所まわし解きたき暑さかな
　富翁

参院選挙

選挙の日涼しくなりて率増えて
いかなるやねじれ民の判断

先輩

明治神宮参詣

左右有り 巨きなクスノキ まん丸に
まるで阿吽の 佇む無言

ふたつ目の 鳥居をくぐりて 巡り合う
神の声なり 透かす井戸にて (※)

振り返り 初めの鳥居に 眩しくて
見ること叶わぬ 光臨の輪なり
安楽

※「清正井」(きよまさいど)

千三句集（９１）

今日もまた灼かれぐたりと暮れる街
　富翁

夏休み

夏休み校庭で見た映画会

林間と臨海のりん違うんだ

虫嫌い採集なんて出来なくて
宿題いつも模造紙のみ

先輩

千三句集（９０）

侘住まい夏の干物の塩辛き
　富翁

夏風邪？

夏風邪か夜中高熱水まくら

解熱剤効いてくれたよ一晩で


先輩

千三句集（８９）

名古屋場所投げ飛ばしたき暑さかな
　富翁