野分(のわき)
今どき、野分などというと、なかなか気取ってきこえる。台風と言えば、そのものズバリだからである。
のわきとものわけとも言う。今の台風より、やや広い意味を持つだろう。台風が通過したところだけでなく、それた地方でも、その余波をこうむって強い風が吹くから、それもやはり野分である。
昔の人は台風を前以て観測することなどできなかったから、秋の突風と感じたであろう。・・・・・・
荒れ荒れて末は海行く野分かな 窪田猿雖
奈良坂の蔦狂ほしき野分かな 阿波野青畝
「言葉の歳時記」山本健吉 文藝春秋 昭和55年
富翁
今どき、野分などというと、なかなか気取ってきこえる。台風と言えば、そのものズバリだからである。
のわきとものわけとも言う。今の台風より、やや広い意味を持つだろう。台風が通過したところだけでなく、それた地方でも、その余波をこうむって強い風が吹くから、それもやはり野分である。
昔の人は台風を前以て観測することなどできなかったから、秋の突風と感じたであろう。・・・・・・
荒れ荒れて末は海行く野分かな 窪田猿雖
奈良坂の蔦狂ほしき野分かな 阿波野青畝
「言葉の歳時記」山本健吉 文藝春秋 昭和55年
富翁