〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(163)

2016年09月08日 16時25分52秒 | エッセイ
野分(のわき)
 今どき、野分などというと、なかなか気取ってきこえる。台風と言えば、そのものズバリだからである。
 のわきとものわけとも言う。今の台風より、やや広い意味を持つだろう。台風が通過したところだけでなく、それた地方でも、その余波をこうむって強い風が吹くから、それもやはり野分である。
 昔の人は台風を前以て観測することなどできなかったから、秋の突風と感じたであろう。・・・・・・
 荒れ荒れて末は海行く野分かな          窪田猿雖
 奈良坂の蔦狂ほしき野分かな           阿波野青畝
「言葉の歳時記」山本健吉 文藝春秋 昭和55年
                    富翁
コメント
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