ひとりごと

暖かい家族と木に囲まれた暮らしづくり。

2012.1 vol.78 あ や し い 人(2)                   

2012-01-20 16:46:21 | 日記
〈vol.74 あやしい人(23年9月)〉上海で悪天候の為飛行機の乗り継ぎができず、中国T航空の手配で見ず知ら
ずの男3人、上海浦東空港の近くのホテルの一室に泊まる事になりました。他の二人の方は福岡の方で、一人は
P電器の方でいかにもまじめそうな感じの方でした。もう一人の方は、少し年輩で、見るからにあやしそうな人で、
服装も少し薄汚れていました。最初,航空会社がホテルの手配はできないと言っていたので,空港で寝ても良いか
とか、お金が無いとかいって、よけいにあやしさを倍増させていました。しかし、よくお話をしてみると、服が
薄汚れていたのは、中国の四姑娘山という5000M級の山に登ってきた帰りだったという事で、数年前まで
国立K大学の教授をされており、今は自由気ままに山登りをされている方でした。何はともあれ、3人とも
何もする事がないので、深夜までワイワイ騒ぎながら飲み続けました。「災い転じて福となす」という感じで、
楽しい一夜を過ごす事ができました。



あやしい人から聞いた話です。
学生の時から登山が趣味の彼は、数年前に中国の奥地の山に仲間といっしょ
に登山に行ったそうです。ザイルを使って登って行く途中、仲間の一人が
落石を頭に受け、ザイルを持ったまま、宙に浮かんだ状態で意識不明に
なってしまいました。彼は必死になり、何時間もかけて意識のない彼を抱き
かかえてザイルをつたって下へ下へと降りて行ったそうです。幸運にも
たまたま別の日本人のパーティーが近くで登山しており、その中にお医者さん
がいました。その医者に付き添われて、地元の病院に連れていきました。
やっと一安心も束の間、そのお医者さん曰く、この病院にいては助からないと
言われすぐに彼を日本に連れて帰るようにしました。無理をして、飛行機に
病人を乗せ日本に連れて帰りました。やっとの思いで日本の病院に入院させ
ると、今度は日本のお医者さんに「こんな重病人を日本まで移動させてくるの
は、大変危険な事だ、なんで連れて帰ったのか」と叱られてしまいました。
そのあやしい人曰く「じゃ、いったいどうすれば良かったのか」。
でもその意識不明の方は、無事に助かったそうです。
その話を聞いて、その人を最初あやしい人と思った自分を反省し、
彼はきっと素晴らしい人生を歩んできたんだろうと尊敬したのでした。


【木材の豆知識 No.27】
舟は牛窓
「舟は牛窓、櫓は明石」と言われ、昭和初期まで、岡山の牛窓には、木造船の職人
さんが200人近くいたそうです。瀬戸内では、宮崎県産の飫肥杉が木造船を造る
弁甲材として、主に使用されていました。飫肥杉は油分が多く曲げに強く造船材とし
ては最適です。舟は主に飫肥杉で造られましたが、マストや船尾等には、桧、欅、
肥松等も使用されています。


コメント
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