ひとりごと

暖かい家族と木に囲まれた暮らしづくり。

22014.1 vol.102  停車場(その2)

2014-01-08 10:56:46 | 日記
 陽がすっかりと暮れて電車の外はすっかり暗くなってしまいましたが、まんまるい月が出て
いて広い大地のシルエットが月明かりでうっすらと映えていました。私は終着駅の
牡丹江に近づくにつれ、少しづつ不安にかられていきました。迎えに来てくれる中国人の
Tさんは、良くも悪くも中国東北人気質をしっかり受け継いでいます。良く云えば鷹揚な人、
心が広い人、悪く言えばルーズな所があります。真冬の真夜中、牡丹江の気温は
ガイドブックによればー30℃からー40℃位。私が体験した事の無い寒さです。
もしTさんが迎えに来ていなければどうすれば良いんだろう。とても吹きさらしの駅で一夜
を過ごせる気温でもないしなど考えている内に電車は徐々にスピードを落とし、ガチャン
と駅に到着しました。ホームに迎えに来てくれていたTさんを目にした時は本当にほっと
し、Tさんが輝いてみえました。その後Tさんとはいろいろとあり疎遠になってしまいました
が、震えるように寒いなかホームまで迎えに来てくれていたTさんの姿を思い出す度に、
すべては帳消しとなりTさんはひたすら良い人として私のまぶたの裏に残っていくのでした。


【木材の豆知識 No.51】
便座 
 中国東北地方の極寒の中、走っている電車の中のトイレは洋式トイレでした。とても
冷たいトイレ室の洋式トイレの便座は、タモの様な広葉樹の木製でした。プラスチック
だと冷た過ぎて便座とおしりがくっつきそうな気がしていましたが、木製だと熱伝動率
が低いのでおしりも大丈夫そうでした。木製の便座を見たのは、後にも先にもその時
だけですが、木材も意外なところで活躍しているものです。