それは日光山輪王寺「本堂平成大修理」を日本伝統建築技術保存会の
皆様方と見学させてもらっていた時でした。思慮の浅い私は、「素屋根」の
あまりの大規模さと、約10年にわたる解体修理の説明を聞いているうちに
つい軽口で、「こんなに費用をかけるのなら新しく建て替えた方が安くつき
ますよね」と言ってしまいました。私の考えの無い言葉に対して、京都の
Yさんは、優しい口調で、「時は金では買えないのですよ」「何百年も前の
物を作る事はできない」と一刀両断。それを聞いてさすがだと思いました。
私とはもともとの視点が違うなと感じました。それで目が覚めた私は、
おかげでその後の見学会はもっと素直な気持ちで参加する事ができました。
その後、日光東照宮の平成の大修理も見学させてもらいました。漆塗りや
その上に金箔を貼りつける文化財保護作業を、日光社寺文化財保存会の
方々やそれに携わっている職人の方々の説明を受けながら、間近に
見る事ができたのは、私にとって大変貴重な体験となりました。
「時は金では買えない」と言う言葉が私の胸に沁み込んだ2日間でした。
【木材の豆知識 No.20】
木の年輪の南側は広いのか
「木の年輪は南側が広い」と木材業界に入った時教えてもらい、それが
当たり前だと思っていました。
でも、「今さら人には聞けない木のはなし」によると「南側に生えている木は
良く育つが、だからといって木の南側が良く育つとはいえない」と書いて
いました。なるほど、確かに木は光合成によって成長するのであって、
その光合成の大半は葉によって行われています。
当然そこでできた糖分は、均等に木の回りをまわって下に降りて行くと
いう考え方は、合理的だと思います。
思い込みは禁物ですね。
(参考文献 今さら人には聞けない木のはなし 林 知行 著)
皆様方と見学させてもらっていた時でした。思慮の浅い私は、「素屋根」の
あまりの大規模さと、約10年にわたる解体修理の説明を聞いているうちに
つい軽口で、「こんなに費用をかけるのなら新しく建て替えた方が安くつき
ますよね」と言ってしまいました。私の考えの無い言葉に対して、京都の
Yさんは、優しい口調で、「時は金では買えないのですよ」「何百年も前の
物を作る事はできない」と一刀両断。それを聞いてさすがだと思いました。
私とはもともとの視点が違うなと感じました。それで目が覚めた私は、
おかげでその後の見学会はもっと素直な気持ちで参加する事ができました。
その後、日光東照宮の平成の大修理も見学させてもらいました。漆塗りや
その上に金箔を貼りつける文化財保護作業を、日光社寺文化財保存会の
方々やそれに携わっている職人の方々の説明を受けながら、間近に
見る事ができたのは、私にとって大変貴重な体験となりました。
「時は金では買えない」と言う言葉が私の胸に沁み込んだ2日間でした。
【木材の豆知識 No.20】
木の年輪の南側は広いのか
「木の年輪は南側が広い」と木材業界に入った時教えてもらい、それが
当たり前だと思っていました。
でも、「今さら人には聞けない木のはなし」によると「南側に生えている木は
良く育つが、だからといって木の南側が良く育つとはいえない」と書いて
いました。なるほど、確かに木は光合成によって成長するのであって、
その光合成の大半は葉によって行われています。
当然そこでできた糖分は、均等に木の回りをまわって下に降りて行くと
いう考え方は、合理的だと思います。
思い込みは禁物ですね。
(参考文献 今さら人には聞けない木のはなし 林 知行 著)