続・尊敬する先輩
2017年8月2日(水)
安倍内閣の退陣は、今や時間の問題となった感がします。(数か月前までは、自民党総裁3期が有望視されていました。)その最大の要因は、加計学園事件に他ならないでしょう。もちろん、それ以外にも、森友とか閣僚の不祥事、否とりわけ安倍氏の強権的政権運営があった訳でありますが、加計で一機に国民の信を失った訳であります。安倍氏はよく、「信なくば立たず」と宣うておられますが、言葉だけは知っておられるようです。「言葉だけ」とは、本質を知らないということです。「本質を知らない」とは、既に「信」を失っているのに、総理を続けているからであります。
さて、加計学園事件では、前川前事務次官の存在が決定的でした。事務方のトップですから、証言は非常に重いです。一方、前川氏の証言を否定する方達の「証言」の軽いこと!「記憶にない」の連発であります。
前川氏は、総理の意向により行政が歪められたと告発した訳でありますが、「なぜ、現職の時に言わなかったのか。」と悶着を唱える人達がいます。それは、元官僚なる人物(複数)です。誠にもって正論であります。前川氏そのものも、そのことに関しては、反省をしております。ただ、私ゃ、貴方だったら言えたの?とその元官僚達に問うてみたいです。到底言えないと思いますよ。(一応、語呂合わせをしたつもりです。)
問題なのは、政権のトップにより行政が歪められようとした場合、それに対して物申すことができるかどうかです。私ゃ、そのようなことはできない権力構造になっていると思うのであります。ここら辺りは、霞が関トップ官僚(約600人)の人事権が官邸に握られているということが指摘されていますが、私ゃ、もっと複雑に権力構造に絡めとられているのではないかと思っています。小説の話ですが、若手有望官僚には権力側のお嫁さんを宛がうというのがありました。
前川氏もですよ、妹婿は、中曽根弘文元文相・外相です。一般的にはいわば権力構造に絡めとられていると見られるでしょう。権力は、まさかその前川氏が反旗を翻すとは、予想していなかったでしょうね。
私の職場の先輩で、現職の時に、組織に「反逆」した人がいます。「反逆」とは組織の側から見た言い方で、その人からすれば、正義の行動であった訳です。もちろん、案件そのものは、前川氏の加計問題に比較できる程のものではありません。しかし、小さなことでも、組織に反旗を翻すということは、なかなか出来ないことなんです。その人は、その後「冷や飯」を食わされました。
私は、昨日のブログで、その先輩からのメイルを紹介しました。
「先ほどテレビをつけたら1月に辞任した前政務次官が飛び込んできました。歯切れの良い受け答え!久しぶりに“男“を見ました。さあ…面白くなってきましたよ!始まり…始まり……! 」
先輩は、かつて自らが行った行動を、前川氏に重ね合わせたのだと思いました。
私は、先程「小さな」と書きましたが、先輩が行ったのは現職の時です。そのことは、非常に大きなことです。