植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

刺がなく,丈が低く,赤い実が鮮やかに実るミヤマモミジイチゴ

2007-07-27 20:37:11 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
キイチゴのイメージを問われると,「甘い実」「とげ」「白い花」
などが浮かび上がる。
でも,世の中は広い。ミヤマモミジイチゴは,刺がほとんど
なく,藪をつくって茂ることもない。
茎も葉も,繊細で優雅,とてもキイチゴの仲間とは見えない
この種類は,ブナ帯の落葉樹林の縁などに稀にはえている。

本州(秩父山地以西,紀伊半島),四国に分布し,山地の
落葉樹林の縁などに,稀にはえ,日当たりの荒れた礫地などでは,高さ30cmまでで,開花し,結実して,すばらしい風情を見せてくれる。

四国の脊梁山地,剣山,石鎚山-手箱山あたりでは.かなり
容易に出逢うことができるけれど,「がんがん日が照りつける岩礫地」にはえたものでない限り,ほとんど葉が旺盛に茂っているだけで,実ることはない。

「信州自然探求術・花と山の幸」p.205,p.218 でも話題にしたことがある。