植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

7月3日,脱皮のようすを撮影した蝉は,エゾゼミらしいと教わった

2007-07-07 19:58:54 | Weblog
長野自動車道の豊科IC.から西の方角に「長野県営烏川渓谷緑地」があり,
昆虫などの生態にも詳しい「インストラクター・小椋緑(おぐらみどり)さん」
がいらっしゃる。
小椋さんに,このブログを見てもらつて,たぶんエゾゼミでしょうね,とご判断を
いただいた。

この緑地のインストラクターには,地域の植物に精通し,「樹木医」でもある
根萩達也(ねはぎたつや)さんもいらっしやる。
とても懇意にしていただいて,ご両所は,じつにすばらしい方々だ,と申し上げたい。

近くには「アルプスあづみの公園」もあり観光にも快適。
夏休みの余暇には,烏川渓谷緑地で,いろいろ学ばれたらいい,とお薦めします。

県営烏川渓谷緑地環境管理事務所は,TEL:0263-73-0203です。

エゾツルキンバイの根を食べる

2007-07-07 18:07:01 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
北海道,本州(北部)の海岸で,塩水の入りこむ塩性湿地にはえて,千島,サハリン,カムチャツカ-ウスリー-朝鮮,北アメリカに分布するバラ科・キジムシロ属の多年草。
茎は地を這い,ところどころに根を下ろし,花は6-7月,径2-3cm,黄色5弁。能取湖,サロマ湖畔,野付半島などに,ふつうに見られる。

秋に,なるべく太い根を掘り,ていねいに水洗いして,外皮を擦(こす)って,とり除き,薄切りにしてゆで,パースニップ(アメリカボウフウ;Parsnip)のように,
スープの香りをたのしむ。

浜辺の植物は寒さに耐えられる

2007-07-07 17:36:28 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
写真の植物は,ハマボツス。
海岸にはえるサクラソウ科の2年草で,日本では北海道から琉球にはえ,中国,東南アジア,インド,太平洋諸島などに広く分布する。
多年草のボタンボウフウは,海岸の砂地にはえ,日本では,本州中部の暖地
から琉球に見られ,朝鮮南部,中国本土,台湾,フィリピンに分布する多年草。
琉球では,苦み菜として,屋敷にも植栽されていることが多い。

このような暖帯南部から亜熱帯の種類が,なんと最低温度10℃にも低下する
信州でも育てることができる。
人気の高いアシタバでさえ,信州で越冬させることができる。

育てるための条件は,ただ一つ。軒下などに植えて,株元の土を凍結させない
ように,乾燥させておくこと。

浜辺に生きる種類は,しばしば強風にさらされて育っている。そのために表皮
細胞が、内陸の種類よりたくましくなっているためであろう。
山形県などで,オカヒジキの栽培が盛んになったのも,似たような事情による
ものと思慮する。