植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

都市と農村の荒地に繁殖しているノボロギクも食べられる

2007-05-30 19:39:14 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
1870年ころ,ヨーロツパから渡来し繁殖している小形の1-2年草、高さ10-30cm。多くは秋に発芽し、翌春に茎がのびて、5-8月に開花するが、春から秋にも発芽して、暖地では、ほぼ、1年中、ぽつぽつ花が咲く。
若い葉を摘み、ひとつまみの塩を入れた熱湯でゆで、水にさらして、おひたし、スープなどを味わう。シュンギクのような風味がある。

日本に自生するバラ属6種のうち、もっとも花色の濃いオオタカネバラ

2007-05-30 19:15:22 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
分枝の多い落葉潅木。高さ1-1.5m,若い茎・枝には、長さ4-5mmの刺針が密生。花は6-7月,径4-5cm,濃い紅紫色。果実は倒卵状長楕円形、長さ約2cm,橙赤色に熟れる。
北海道,本州(中部,北部の日本海側高山),サハリン,カムチャッカ-シベリア
中国東北部-朝鮮(おもに北部)に分布。

ここ長野県塩尻の塩嶺高原の道端には、ときどきカモシカが現れる。

2007-05-29 12:48:48 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
あたり一帯は、鳥獣保護区。
ウグイスも鳴き、曇りの日、雨の前の日などにはカッコウが鳴き、キジも
たくさんいて、親子連れで原っぱを歩きまわる。
この日、カモシカが現れて、道端までゆっくり歩いてきて、不思議そうな顔をして、一点を見つめているように見えた。
なんと、カモシカの視線の先には、ホオノキが初めての花を大きく開いていたのだ。

〇都合により、つぎの更新は、6月初旬の予定です。

20数年前、林の中に植えこんだ高さ1mほどの苗木は、このような大木になり、はじめての花が咲いた。

2007-05-29 12:13:46 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
岐阜県・飛騨地方では、ホオノキの落ち葉か、乾燥させた葉の上に薄く味噌
を盛り、金網にのせ、炭火で焼く風習があり、
これが名物の「朴葉(ほおば)味噌」。
我が家で焼くホオ葉味噌は、生葉にさっと油をひき、味噌に、刻みネギ、おろしショウガ、生シイタケ、味つけしたひき肉などを入れ、みりんも加え、よく混ぜ、炭火で焼く。堪(こた)えられないほど香りがいい。
さわやかな風と、明るい日ざしをあびながら、若葉を盃にし、ほのかに香りを移して飲む酒が喉をうるおす。これもすばらしい。
ホオノキの近くでは、キバナアキギリが、ひつそり花を咲かせていた。

キバナアキギリ(狭葉型のもの・長野県木曽地方に見られる)

2007-05-29 10:29:00 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
キバナアキギリは、サルビアの仲間の日本固有種。日本海型気候の多雪地に多く、春先の山麓の林縁などに、群がって芽ばえる。若芽の姿が分かりやすく、たくさん摘みとれる。冷蔵庫のない昔は、春の青菜として貴重な食べもの。味は二の次であった。
貧しかった時代、この山菜を摘みとって食べた地方では、若葉を刻み入れて「まぜ飯」を炊き、これを毎日のように食べたそうだ。
その「かてめし」は、たいへんまずくて、食べにくく、婿どのや、嫁さんが泣い
たとか。
「ムコナカセ」「ヨメナカセ」などの名でもよばれたそうだ。
木曽地方は、日本海型気候の領域、しかも日本海から遠い「飛び地」なので、狭葉型のものに分化した、と想像をめぐらせている。

ヤマツツジの花を摘み集めてつくった花のゼリー

2007-05-28 18:12:24 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
ヤマツツジと同じように、花を食用にできるものに「タイワンヤマツツジ(シナヤマツツジ)」があるが、タイワンヤマツツジでつくった花のゼリーは、ヤマツツジでつくったものより、やや暗色に仕上がる。
そのほか、つぎに画像を列挙するツツジ類を利用できる。
(もう少し調査の必要はあるが)アマギツツジの花も食用にできる、とおもう。