ロディ

　先日、三男が１歳になった。昨年の８月末から１０週間の一人暮らし。また週末毎に実家福島へ帰ったときのことを思い出す。そんなことはともかく、それらしく誕生日祝いをすることにするがプレゼントが今ひとつ思い浮かばない。昨年のクリスマスはお決まりのガラガラであった。今や普通に這いずり回り伝い歩きもする。おもちゃ屋を覗いても今ひとつパッと来るモノはなかった。困り果てショッピングモールをブラブラしていると３歳以上対象ではあったが良い物を見つけた。大人がまたがっても平気ということで運動神経やバランス感が養えると言う『ロディ』という代物である。



　与えてみると流石に跨ぐことは難しいが適当に戯れている。試しに抱え上げ跨らせ注意しながら揺らすと喜んでいた。喜ばれるとこっちも悪い気はしない。思わず、
「ハイヨー！シルバー！！」
とかけ声を発してしまった。
　ここで我に返った。．．．このかけ声って何だっけ？？
　嫁に訊いても分からない。馬に跨るヒーローなのだろうと考えてみる。一瞬幼い頃見たアニメ『荒野の少年イサム』を思い浮かべるがこれは確か馬の名前は「サンダー」だったような気がする。『変身忍者嵐』これは「ハヤブサオー」だった気が．．．。『白獅子仮面』『快傑ライオン丸』、これらはもはや馬の名前など覚えていないが特撮時代劇となると横文字の『シルバー』は不釣り合いである。
　
　あまりにも気になったのでネットで調べてみると私の全く知らないアメリカの『ローン・レンジャー』という西部劇作品の決まり台詞らしい。馬に跨った主人公が「ハイヨー！シルバー!（Hi-yo Silver）」と発進時に掛け声を挙げるらしい。日本では1958年にテレビ放映されているらしいので恐らく私のオヤジの受け売りなのであろう．．．。調べていて分かったが「白人嘘つき。インディアン嘘つかない」という流行言葉はこの作品が元らしい．．．。
　
　このロディ耐荷重は200kg。今のところ私は跨いではいないがそれを知ってしまうと、どうにもいつか跨いで、
「ハイヨー！シルバー！！」
と叫んでしまいそうで何とも複雑な気分なってしまったのである．．．。