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人と人との架け橋になる
歌手になりたい

「街の灯」 by 北村薫

2007年05月11日 01時11分07秒 | 作品review
このあいだの月曜日、英語レッスンの帰りにふと買った本
大好きな北村薫さんの「街の灯」を、本日読了

私は、ミステリーや、サスペンスや、刑事ものなど
クライムノベルをよく読みますが、どちらかというと、
登場人物が一筋縄ではいかない人達や、
過去に受けた心の傷を抱えている主人公が事件に挑む、
というような感じの本を好んで読みます

あまり明るい感じの物語には
どこか物足りなさを感じてしまうのです

おのしうにも、いつか
「結構おどろおどろしいのばっかり読んでますよね」
なんて言われたけど、その通り!

どちらかと言うと、男性が好みそうなものや、
裏街道を生きている人が登場する話し
みたいなものの方が私にはリアリティーを感じられるみたい

ベストセラーだからってことで買った本でも、
なんだか普通の恋愛ものとかは
作品に力が感じられないな~
と思うものが多いんだよね



でも、これまでちょっとしか読んでませんが
北村さんの作品はは例外です

北村さんの本は、まず「ターン」(名作!絶対読んで!)
を読んで、その話の面白さだけじゃなく、
全体を通して漂う品の良さとか
人間的な深さと比例するような透明感に
感銘を受け「スキップ」も読みました

この「街の灯」は昭和7年ごろのお話し
伯爵や侯爵の令嬢が通う、超・お嬢様学校の学生であり、
自らも大会社の社長令嬢という、お嬢様が主人公です

この英子お嬢様、なかなか頭が良く、とても可愛い性格!

その英子お嬢様が、当時としては大変に珍しい、
女性のお抱え運転手の別宮(べっく)女史と一緒に、
色々な謎を解くお話しです

この別宮さんが、また、ただ者ではない!!いえい!!

私の生きてきた世界とは全く違う
本当に、お嬢さんの世界の話しなのに、
力がないとか物足りないとは全く思わない

なんていうか、私が普段好む、ドロドロの世界を
自力で渡り歩いてきて、丈夫な人間にならざるを得なかった
主人公の強さとはまた違う、凛とした世界観で、楽しめました

中編が三つ読めるこの本では、別宮女史とはどういう人なのか?
それが私にとっては最大の興味と謎なので、続編みたいなのが
あるなら読みたいな~~

あんまり恐い話や、ドロドロの世界の話は苦手って人には
お薦めです


コメント (14)
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