断章、特に経済的なテーマ

暇つぶしに、徒然思うこと。
あと、書き癖をつけようということで。
とりあえず、日銀で公表されている資料を題材に。

「資金循環統計(2013年第1四半期速報)」 公表の件

2013-06-19 18:15:28 | 日銀ウオッチ

13年第一四半期だから、
安倍政権が立ち上がり、黒田日銀になってから
最初の四半期の速報、ということだが、

まあ、この時点で、世の中の景気が急速になるような
そんなことを期待しちゃあ、いくらなんでも
かわいそうだ。だから、ここは、
黒田さんだの安倍さんだの抜きにして、
現在の日本の状況を見ることにしたいが、
それにしても、グローバリズムといわれる現在においても
やっぱり、こういう資料は、国を単位に公表するよりない。
そりゃもちろん、
日銀傘下(決算手段として日銀当座預金を使う)の金融機関と
その負債を貨幣として、決算手段として使っている経済主体との間での
この負債(および資産)の関係と動きを示す資料だから、
どうしたって、中央銀行を中心とした経済関係の描写、
したがって、国単位の経済関係の描写にならざるを得ないのは道理なのだが、

そうはいっても、やっぱりこの「グローバル」時代に、
何か新しい資料の提示の仕方、というのか、見方、というのか、
そういうものは構成できないのかなあ、と、
ため息が混じってくる。

まあ、それはそれとして。


資料では、去年と今年の比較が行われているけれど、
まあ、大局として、あんまり変わりは見られない。
民間非金融部門は、相変わらず家計も企業も
資金余剰主体であり、
資金貸出の増加あるいは債務を圧縮する姿勢を強めている。
家計の資金余剰額は23.8兆円から22.1兆円へと、やや縮小しているものの、
企業のほうは17.7兆円から25.8兆円へと
50%近い増加である。
対する政府は42.9兆から41.0兆へと資金調達額を減らしているものの、
まだまだ資金不足主体としての立場を
維持している。

でも、これって、どういうことなんだろう。。。。

やや誤差があるのかもしれないけど、海外部門が3.9兆円の資金不足。
つまり、民間の資金が圧倒的に過剰となる中で
政府がただ一人頑張って資金を吸収しているわけだ。
当然、政府がこれだけの支出をしなければ
民間の余剰資金は行き場を失い、経済活動は停滞することになる。
それが歴史的な低金利にも表れているわけだが、

日銀による大量の貨幣供給政策が
ある面で財政ファイナンスとして機能していることは
おそらく誰ももう否定できないだろう。
しかし、その一方で、
この通り、政府が資金不足主体となって資金調達に励まない限り、
明らかに資金の動きが止まってしまう、過剰貯蓄の状態にあるわけだ。。。

つまり、現在の日本の貨幣経済というのは、
やっぱりある種の行き詰まりに直面しているのではないだろうか。
(いや、日本というくくり方は、うまくないが)。
政府が資金不足主体としてふるまわない限り
貨幣の流れを支えることはできず、
しかし、政府の累積債務残高が大きくなれば、
結局、これまた金利高騰リスクを避けることはできない。
(ただし、こうして民間経済主体が
資金余剰であり続ける限り、
何とかなる、という淡い期待は持てるが、、、)

どうにも大手飛車取り感がぬぐえない資金循環表である。


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