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私自身のことを振り返ってみると、
人間なら「一人、二人」、犬なら「一匹、二匹」、
ゾウなら「一頭、二頭」、鳥なら「一羽、二羽」と、
生き物の種類や大きさによって数え方が違う
ということに気がついたのは、
幼稚園時代だったように思います。
どうしてそのことを覚えているかというと、
幼稚園の先生がこんな«なぞなぞ»をだして
くれたことがあったからです。
「ゾウはゾウでも、『一枚』のゾウ、なーんだ?」
「ぞうきん!」
「正解!ゾウはゾウでも、『一足』のゾウ、なーんだ?」
「・・・うーん、分かんない。」
「答えは«ぞうり»でした。」
動物のゾウさんは「一頭」 なのに、
同じ「ゾウ」が付くゾウキンは「一枚」、
足にはく«ぞうり»は「一足(いっそく)」。
何となく分かったような、
分からないような不思議な感じでした。
ゾウはゾウでも、数え方が違うとなぞなぞの
答えまで違うんだということが、
ぼんやりではありますが、頭の中に残りました。
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これは、
飯田朝子著「数え方でみがく日本語」(ちくまプリマー新書)
の「はじめに」に出てきます。
ちなみに、「おわりに」には、こんな箇所。
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本文の中で、私は繰り返し日本語の数え方を何でも
「一つ」や「一個」にしてしまうことはとても
«もったいないこと»だと言いました。
これはたとえて言うなら、
せっかくいろいろなグラスがあるのに、
湯のみでジュースを飲んでいるようなものですよ、
と説明しましたが、この意味がよく
お分かり頂けたのではないかと思います。
数え方というものは、
学校の国語の時間で特別に勉強することがありません。
ましてや算数や社会、理科の時間で習うこともありません。
ですが、数え方は日本語を話す人達が長い年月をかけて、
文化の中ではぐくんできたものです。・・・
数え方というしくみを上手に使うことによって、
日本語は想像していた以上に相手に
情報を伝える力を持つことができるのです。
そのためには、自分で意識して数え方を使って
いくことが何より大切です。
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はい。私は
前書きと後書きしか読んでおりません。
でも、詩を読んでいるような気分で
前書きと後書きとを読みました。
ですから、これだけで私は満腹(笑)。
いつか、本文を読めますように。