オランウータン保護の意味を背景から、
意義などを伝えてこなかった様に思います。
他にもたくさんの動物がいるのになぜ?、
オランウータンだけ保護活動するの?
オランウータンの減少と私たちの生活に大きな関係があるなら
考えも変わるので者にでしょうか?
オランウータンは樹上生活者で一番高い木の上で生活して
森の果物や葉っぱや木の皮を主食にして生きています。
そして、1頭当たり1平方キロメートルという広大な面積を
歩き回り、森林の植生バランスを整えています。
大きな木の下には、無数の生物が生息しています。
オランウータンを守ることは、これらすべてを守ることに
通じるのです。
そして、
私たち人間にとっての関係を考えてみましょう
異常気象と熱帯雨林の減少
この冬の日本海側の大雪や昨年夏の130年ぶりの猛暑は、
今だけのものではありません。
このところの夏の暑さは着実に厳しくなってきており、
一方で雨の降り方も尋常ではなく、
ゲリラ豪雨となって大きな被害をもたらしています。
これは日本だけでなく地球規模で起こっています。
昨年は、ロシアは猛暑と干ばつ、山火事の大発生で農作物の
被害や生命を失うような健康被害もたくさん出ています。
中国でもパキスタンでも膨大な人数の皆さんが
洪水被害にあっておられます。
これらの大きな原因の一つが「オランウータンの減少」にあるとしたら、
皆さんももっとオランウータンの保護活動に熱心にならざるを得ないでしょう。
地球温暖化とCO2の関係はたくさん報道されていますが、
熱帯雨林の減少が世界のCO2の排出量の約20%が占め、
私たち人間が全運輸部門で排出している量とほぼ同じです。
◆熱帯雨林の管理人
一方で生物多様性について、国際的な議論が高まっていますが、
熱帯雨林には、地球上の生物種の50%が生存しています。
中でも1億年前の氷河期を乗り越えてきたボルネオの熱帯雨林は
極めて貴重で多様性豊かな生物種の宝庫です。
その宝庫の番人、管理人というべきオランウータンを100年前の
8%にまで追い詰めたのは
私たち人間社会の経済一辺倒の価値観に基づく社会です。
管理人のいないマンションが荒れてしまうように、
オランウータンを失った熱帯雨林は荒れ果てて、
やがてそこに住む生物の多様性が失われて、
活力のない熱帯雨林になってしましまい、
大気の循環や水の循環(雨)が偏ってしまいます。
その結果が異常気象になり、食糧不足になり、
国際的な政情不安になっています。
ですから、オランウータンに危機は、私たち人類生存の危機です。
◆異常気象の原因を創っているのは私たち
オランウータンの棲む熱帯雨林は豊かな森の緑が雨水と大気の循環を
守ってくれてきました。
熱帯雨林の崩壊により今日の地球規模の気候変動を招いています。
その原因を創っているのは、私たち人間社会の活動です。
人類の生存を担保するためにオランウータンを守る必要があるので、
オランウータンにとっては人類の存在は不要です。
自然を大切にという掛け声だけでなく、
生活スタイルから自然を大切にして、
持続的な社会を目指すための「心」、価値観を持っていきたいものです。
既成の価値観では、計り知れないので、
先見性と現実を直視する勇気と自然を中心に据えた価値観の転換が
今求められています。
◆国境を越えて
地球に生きる人類が人種や宗教や国境を越えて協力して、
地球の自然を守り再生することにこそ、人類生存のカギがあります。
日本は海外依存の高い国では、
海外との協力なしに日本人は生存できません。
オランウータンのいない熱帯雨林は
さらなる破壊と豊かな森の喪失を招きます。
だから、オランウータンを守るのではなく、
私たち人類の生活を守るためにオランウータンが必要なのです。
オランウータンにとって人間は、加害者であり不要な存在です。
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