いきいき

自分の人生 いきいき と送りたいという願いを込めたタイトル

森のない地球に未来はない

2007-04-19 10:19:42 | 環境
森のない地球に未来はない
●森林の価値の再認識を!
~動植物の世界には生存にかかわる異変が起きている~
「森がなければ海も死ぬ」という本や言葉が在りますが、本当にこのことを認識している人は,現実に海とのかかわりで生活をされている方たちです。
海草やカキの養殖などが実行不可能になって、原因を探っていって始めて森の大切さがわかり、その対策として植林をして森を回復させた例が各地にあります。
水と栄養の循環がうまく行かないために海の生物が生きられなくなってしまったからです。
陸の動物はどうでしょうか?
最近は、サルやイノシシ、シカそしてクマなどの動物が里まで降りてきて、
農作物を中心に被害が出ています。
どうしてでしょうか?彼らも人間に被害を与えようとして出てくるのではなく、食べ物がなく生きてゆけないから、食べ物のある里に出没するのです。

●ノー天気な報道と国民の反応
TVなどで見世物のよう捕獲している状況を報道していますが、もう少しこの原因にかかわる根本的な問題に触れてほしいと思います。
温暖化による気候変動で山の植生が変わってしまい、食べ物になる木の実などがなくなったから人間の住むところにやってくるのです。
本当に人間生活の身近にまで地球温暖化の現象が現れているのに、捕り物騒ぎで終わっている報道、これを素直に見ている国民は、どこかおかしいと思うのは私だけでしょうか?

●世界的な森林への認識の高まりは本物か?
昨年11月にケニアのナイロビで開かれた、気候変動枠組条約第12回締約国会議(COP12)および京都議定書第2回締約国会合(COP/MOP2)では、森林に関わる議論が目立ったそうです。
やっとという感じですが、地球の生態系の中の森林の価値が少しだけ認識されてきたようです。これは気候変化への対策として森林が「鍵」となるという認識が高まったことは、ナイロビ会議の重要な成果の一つです。
しかし、森林が重要視されたのは、温暖化ガスの排出削減戦略として「森林減少
の回避」に関する討議で、積極的な価値の見直しによるものではないようです。

 このような討議がなされたのは、気候変動の経済的側面に関する解析(スターン・レビューと呼ばれる)を2006年10月に英国政府が公表したことも影響しています。
スターン・レビューは、「森林破壊の防止」を気候変動に対する国際的取り組みにおける四つの最重要課題の一つとして強調しています。
これは毎年世界中で排出されている温暖化ガスの約2割が森林破壊によるという推定によります。
そしてその量は、燃料を大量に消費している輸送業界が排出している量より多いのです。
スターン・レビューが森林破壊の防止を温暖化ガス排出削減のための魅力的な戦略と結論した別の理由は、新しい技術を開発しなくても実施可能なことによります。
しかし、森林破壊の防止が気候変動対策に効果的であると認めるためには、制度および政策上の大きな課題を解決する必要があります。
これらの課題には、森林に関連する権利を明らかにすること、法律の施行を強化すること、そして堅牢なシステムに守られた既得権益を打ちやぶること、等が含まれます。
取り組みを成功に導くには、地域の状況に応じたインセンチブの確立や、取引費用の最小化なども必要です。
●経済的な側面だけでないことの認識を
~森のない地球に未来はない~
 森林政策に携わる人々は、気候変動の議論において森林問題が注目されるのは歓迎すべきことですが、組織的および政策的課題の解決に必要な「技術」が継続的取り組みを必要とする複雑なものであり、決してタダではないことを知っています。

森林破壊の原因を取り除くため、気候変動への対策として、また再生可能なエネルギー源としての森林資源を再認識して、回復させるためには最良の情報と解析を効率的、効果的そして公平な方法で提供することが必要です。

地球温暖化の根本的な解決のためには、「森林」のもつ、人類を含むあらゆる生物の生命源としての機能を再認識して、大々的、積極的に取り組む必要があります。
地球の生態系の根幹を成すのが森林であることをもう一度、冷静に見つめて人類文明を再構築しないとこの地球上に人類やその他の生物の未来はありません。

わたしがインドネシアで植林を始めたときに、バックアップしていただいた当時のインドネシアの林業大臣マルズキウスマン氏のくれた名言
「森のない地球に未来はない」

まさに、いま森林再生のために地球規模で、あらゆる分野の人が取り組むべき時です。
それができなければ、人類の住める地球は無くなります。
いま、あなたにできることはまず「自然とともに生きる心」を取り戻すことからです。
「自然との共生」から考えて、おかしいことはまず止めた生活スタイルに!

ゆで蛙にならないように

2007-04-06 17:30:54 | 環境
地球環境の異変について皆様は、なんだか今年も気候が変だ、何か異変が起きていそうだということは感じておられると思います。しかし世界中の優秀な学者の皆さんが、危機を訴えられているほどには「大変だ」とは思われていないのではないでしょうか?
「蛙を鍋の水の中に入れて、その鍋の水を徐々に加熱していくと変化が緩やかなために蛙は気がつかず逃げ出そうともしない。そして,やがてそのままゆでられて死んでしまう。」というお話があります。いま、人類は環境改善に向けて行動を起こさないと本当に「ゆで蛙」になってしまいます。
現実の地球の状況は、最新のスーパーコンピューターの地球シミュレーターでも「子供や孫の時代には人類が住めない地球になる」と予測するほどの危機的な状況になっています。
自然との調和の大切さ
私は、19年前に世界規模で環境問題がクローズアップされたとき、環境破壊の最前線「アジアの森林破壊の現場にいました。そして、自分のやっていることは、「この世に「生」を頂いた人間として、自慢できる生き方ではない」と考え18年務めた会社を退職し、地球の環境破壊につながる分野で仕事をやめることを選択しました。
豊かな天然林のもとで、自然と調和し平和に暮らしている現地の人々をみて、何か自分がやっていることは「間違っている」と感じるようになったからでした。
ジャングルを調査で歩く中で、大自然の生命の偉大さを肌で感じ、人間の小ささを感じ、「自然との調和」を大切にする生き方を知らず知らずのうちに求めていたからだと思います。
地球の生態系から温暖化問題を考える
地球の生態系の成り立ちについて、改めて思いをはせてみますと、
大生命である「生態系」は動物と植物が調和して成り立っています。動物の頂点は私たち人間ですが、植物の頂点は熱帯雨林です。
氷河期を乗り越えて1億年も生き続けてきたボルネオの豊かな森林だったのが、1999年1月にインドネシアを訪問したとき、自分が目にしたのは「大きな森林火災の跡地の身震いを覚えるほどの状況」でした。
天然の森に道路をつけ、木材を切り出し、生態系の破壊を招いて私たち人類が作った樹木のない草原にしてしまった罪の大きさを深く反省をさせられました。
世界中の森林が破壊されていますが、とりわけ東南アジアの森林は、私たち日本人が森林を伐採、破壊して今日の繁栄を築いてきました。
皆様がお住まいになっている家や事務所、ビルの建設などほとんどの分野で知らず知らず熱帯の木材の恩恵を受けています。
インドネシアの熱帯雨林の大切さと生命の森づくり
日本に大量の木材を供給してくれたインドネシアの森林は、現在ではWWFのデータでも「世界で一番貴重で危機的な森林」にランクされています。
インドネシアのガバン林業大臣の発表によりますと、植林が必要な面積は六千万ヘクタール(日本の総面積の1.7倍)、年間60万haを植林しても100年以上かかると述べています。

私どもはインドネシアの熱帯雨林を再生に協力し、次世代にも豊かな森のある地球を残したいと考えて、2001年からは寄附だけでなく「生業」としての植林をインドネシア林業大臣など臨席のもとで「生命の森づくり」スタートしました。
草原にはチークという樹種を持続可能な木材供給のために植えています。
もう一本は、天然の森を再生するために地場の樹種の植林を行っています
この二本をセットに植林を行うシステムを「生命の森づくり」と呼んでいます。
小学生にもわかるアンバランス
「いま地球上で起こっていることは、孫の世代は言うに及ばず、子供の時代にも地球環境が危機的な状況になる話で、まさに人類存亡の危機なのです。」
しかし、この事態は、私たち大人が「子供でもわかる当たり前のことができていないため」に起こっているのです。
地中から石油や石炭などの化石燃料を掘り出して燃やし、二酸化炭素をだして大気中に放出して、生態系を壊しているのは、私たち人間です。
わたしたち人間の日常活動で排出している炭素量は63億トン、それを森が14億トンと海が17億トン合計31億トン吸収しています。残り32億トンは毎年、大気中に放出し続けているのです。
このようなバランスの悪い状況をいつまでも続けられるわけがありません。
二酸化炭素は炭素と酸素がくっついたものです。ですから、地球の大気の酸素が減り続けているのです。今も1秒間に140万人分の酸素が減少しています。私たち人間も酸素が8分間なければ人間は死んでしまいます。この酸素は森やさまざまな植物が二酸化炭素と引き換えに放出くれています。森がなければ、干ばつが起こります。体の6~70%が水でできている人間は、水が三日間なければ死んでしまいます。
森がなければ海も死んでしまいます。
自然の生態系のバランスを取り戻し、地球温暖化に歯止めをかけるには、太陽光など自然のエネルギーに転換して化石燃料を減らすこと。そして、二酸化炭素を吸収して酸素を供給してくれる命の根源「熱帯雨林」の破壊を止め、植林を推進することで炭素循環のバランスを取り戻すことしかありません。
国や政治家や企業任せでは手遅れになってしまいます。
環境問題への理解する人をひとりでもたくさん増やして、日常生活の中で実践することでしか地球温暖化の解決は不可能です。
みんなで生命の森がある、緑豊かな地球を、次世代の子供たちにも残しましょう。
インドネシアのもと林業大臣マルズキウスマン氏の「森のない地球に未来はない」という言葉を心に刻んでこれからの人生を生きていただくことを願っています。