ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

ヨーガと私(9)

2024-07-27 02:59:47 | エッセー
 ★瞑想を求めて 
 思いがけなく聖地リシケシのアシュラムでもう1週間を修行できるのは
本当に嬉しかった。ヨーガニケタンは小高い山の上で、ガンジス河を見お
ろすなだらかな登り坂の雑木林の中にあり、後ろには高い山がそびえていた。  またメディテーションホールの前には美しい花が咲き乱れて、シバナンダ
アシュラムの殺風景で、荘厳な雰囲気とはまったく違って、心が洗われる
ような素晴らしい環境だった。私は本当に嬉しく、今までの焦燥感が雲散
霧消するような気分だった。最高に嬉しかったのはそこには毎朝5時と
夕方6時に2回瞑想の時間があり「求めた瞑想は得られる」と実感でき
たことだった。

 朝5時少し前に鐘の合図とともに、それぞれの宿舎からメディテーション
ホールにぞろぞろ人が集まるが、早朝は大変寒いため、ほとんどの人が毛布
を体にまとって参加した。初めて参加したときには、「咳やくしゃみが出ても、足がしびれジッとしていられなくなったら、すぐに退室するように」と
厳しく注意をされた。瞑想の指導は女性のアルナ先生で、前に座り挨拶を
してからすべての灯りは消され、先生の前の灯りだけで、室内はほの暗
かった。お腹が鳴っても、足を少しずらしただけでも聞こえるような静
けさで、とても40人近い人がいるとは思えなかった。
 私達は寝袋の上に座っていたので、少し体を動かすと音がして、すぐ
「ビ―クワイエット」と、必ず誰かが言った。初めはちょっと辛かった
が、日本でも毎日座っていたのでだんだん慣れてきて、3回目あたりから
全く苦痛はなくなった。対岸のヒンズー寺院から「コーラン」が聞こえて
きて大変幻想的だった。

 静寂な中にも、張り詰めたような緊張感はなく、和やかで暖かい雰囲気
を感じられた。瞑想の時間は一時間、先生の「オーム」と言う声で終わる
が、私は座った後の満足感や爽快感が、回を増すごとにだんだん強くなって
きた。その後に呼吸法とヨーガアーサナがあり、私達は毎回出席をした。
 瞑想や呼吸法が終わると、退場する人も多く、アーサナの時間は随分
人が少なった。先生は男性でポーズはすべてサンスクリット語、指導は
英語だったが、私はすべて理解できた。先生は物凄く体が柔らかく、驚く
ほどのポーズを見せてくれた。会場は白人男性ばかりで、視線が合うと
ニッコリした。

しばらく動物食品、アルコールも飲んでいないためか、体がとても柔らかく
なり、考えられないような難しいポーズもできたのは、自分でも大変驚いた。
 私のヨーガ教室では潜在意識を活性化する、催眠法を応用した「リラク
ゼーション」を入れてあった。アーサナの後に、先生が「リラックス、リ
ラックス、ヘッドフォーヘッド、ブロウ、ノーズ、チーク、エンド、ティース」などと、語りかけるやさしい言葉に、うっとりすると同時に、「私と同じ指導法だ」と、本当にびっくりした。それを後で先生に話したら「あなたの指導
は素晴らしい」と褒めてくださりとても嬉しかった。


コメント
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