ビバ!迷宮の街角

小道に迷い込めばそこは未開のラビリント。ネオン管が誘う飲み屋街、豆タイルも眩しい赤線の街・・・。

あな恐ろし!弁天洞窟(東京都稲城市)

2011年08月15日 | 寺社仏閣
 東京都稲城市、多摩丘陵にあるよみうりランドの近くに、東京では屈指の奇怪な名所があるというので訪れました。お寺は「威光寺」で、弁財天を奉る「弁天洞窟」というところです。
 
 京王よみうりランド駅から坂を上がると風雅なお休みどころと、死後の行先の看板・・・。
 

 程なく見える境内、案外普通の外観のお寺です。赤いお太鼓橋の向こうの只ならぬ気配・・・。
 

 通常、七福神のうちの大黒様・恵比寿様に並ぶ神様、弁財天様を奉る際は、赤いお堂の前に池をしつらえ、参拝者は赤い太鼓橋を渡って拝むというスタイルを取ります。関東で有名どころは、井ノ頭の池に浮かぶ井ノ頭弁才天、海を池の水に見立てた江ノ島の弁天堂などです。こちらの弁天洞窟は、たしかに洞窟の前に池がしつらえていますが、お堂に参拝する代わりに、真っ暗な洞窟の中を胎内巡りの趣向で進んでいきます。そこで姿を現すのは、琵琶を持った弁天様ではなく、巨大な岩盤に掘り込まれた5メートル以上の二匹の蛇です。弁天様は、日本では水の神様、つまり蛇の化身であり、弁天様で頂くお守りには鱗文様が施されていたりしますが、蛇そのものをご神体として崇めるスタイルは珍しいと思います。

 ちなみに中野区中野新橋と、吉祥寺井ノ頭弁才天の池の近くにはそれぞれ、人頭蛇の宇賀神様が祀られています。
 
 
 受け付けで可愛い絵柄のマッチと蝋燭を¥300と引き換えに頂きました。旧日本軍の武器庫のような入り口。
 

 ライトアップされてない洞窟は始めて。蝋燭はちょっと動かすとすぐ消えるので怖いです。
 

 
 小さな蛇のご神体や石仏。
 

 蛇の姿はある程度下調べいていましたが、実物はとても怖いです。
 
 
 触る人がいるからフェンスをかけたのでしょうが、暗がりで見ると噛み付いてきそうです。


 明治17年に、境内にあった古墳墓の横穴をお坊さんが掘り進めたこの洞窟。周囲の山は、鎌倉などに多く分布する凝灰岩質砂岩層の10m程の洞窟を境内に持つ「穴澤天神社」、昭和初期に関東大震災で行き場を失った駒込周辺の数千の無縁仏を集めた「妙覚寺」(室町時代の終わり頃開山)の「ありがた山」などがあり、地域一帯がちょっとした仏教パークのようでした。

 妙覚寺は、室町時代の板碑や筆塚など史跡が沢山。境内は小さいながら急斜面をクネクネと上がる石段脇に、ありがた山の無縁仏と共に表情豊かな石仏が安置してありました。
 

さようなら蛇洞窟。
 
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿