ビバ!迷宮の街角

小道に迷い込めばそこは未開のラビリント。ネオン管が誘う飲み屋街、豆タイルも眩しい赤線の街・・・。

瀬戸内国際芸術祭2013 秋会期(~その1)

2013年10月29日 | 瀬戸内の名所・旧跡
3年に一度開催される瀬戸内国際芸術祭に行ってまいりました。今回は春夏秋と3シーズンに分かれた会期で開催され、瀬戸内の「栗島」「高見島」「本島」が新たに開催場所として加わりました。
 前回、お邪魔した時は「男木島」「直島」へ行きましたが、今回は「木島」「女木島」「本島」へ伺いました。

 「女木島」はうどん県にあるメインポートとなる高松港に一番近い島で、昔は遠泳の授業で泳いで渡ったとさえ言われているぐらい、高松よりの島です。通称は「鬼ヶ島」。人工の大きな洞窟が島の山頂にあることから、ついた名ですが、海賊と思しき賊が住んでいたであろう洞窟の歴史的価値など詳しいことは分かっていません。

 のっけから台風の影響で大荒れで不安な旅路。しかし波頭が少し白い程度だった瀬戸内より、太平洋側のほうが大変な事になっていたようですが・・・。

 「女木島」「男木島」を行く「めおん」という船の名が既にアート。女木島の港にはかわいいカモメのアート。
  

 女木島の港の近くに松林の神社があって、その裏に休校になった小学校があります。その中庭に展開されているのが、大竹伸郎作品の巨大な「女根/めこん」です。男木島だったら「〇根」ですから、もうとてつもなく意味深なネーミングです。 
   

 小学校の下駄箱周辺が入り口になっていて、最初に目にするのが女性のお股の根っこです。
   

   オマタ・・。
 

 まるで昭和に開催された万国博覧会の展示のようににぎやかな虹の庇。




 同氏の作品「直島」の「I💛湯」のように密度のあるコラージュされたタイル装飾。
 

 淫靡な雰囲気の熱帯植物は、昭和に流行した「ローマ風呂」「熱海温泉」といった南国的パラダイスへの憧憬を感じます。
  

 作品を埋め尽くす廃材は一度その命を終えたのに、作家によってアートに蘇った屍達が、思わず漏らす歓喜の声・・・。
  

 

 

 休校した学校に残された子供たちの作品もまた趣がある感じです。かつては子供たちの教育の現場だった場所が、性のパラダイスを表出する作品展示会場となってしまった事が「女根」というスケールの大きな作品にさらに、奥行を与えていると思います。
 
 
 女木島の小高い山頂に登山して行く途中に古墳がありました。ここは古墳時代に、瀬戸内の海運において何か重要な場所であったのかもしれません。そして、わたしが幼少の時、目にした洞窟には無かった鬼のオブジェがお目見え。(B級観光地の必須アイテムセメント人形)
 

 真っ暗な洞内で展開されていた「カタツムリの軌跡」という映像作品。そしてB級観光地ならではの鬼に閉じ込められた女の人形。ちょうどこの時洞内には私一人きり・・・。
 

 鬼がサヨナラーはいいけれど、後ろのパネルで大人数なのを演出なのはいかがなものでしょう。帰りの道すがらは、蛇やスズメバチに遭遇しして、「高野聖」のお坊さんのように自然の脅威に蹂躙されながら転がるように下山しました。「めおん」の船内には不思議な抽象絵画。