恐れ入谷の鬼子母神、ではなく今回ご紹介するのは、東京都豊島区雑司ヶ谷にある威光山明法寺の「鬼子母神堂」です。アクセスは都電荒川線の鬼子母神前駅が便利です。
駅前の古い美容院は豆タイルで覆われて、窓からパーマの美人がこちらを幻惑。
雑司ヶ谷鬼子母神は、その歴史が古く室町時代からありました。駅から続く参道とけやき並木は江戸時代の雰囲気を今に残しています。現在参道の左右は商店半分、民家半分と寂しい感じです。白い壁面装飾が印象的な長屋や仕立て屋の建物は大正モダンなデザイン。
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参道は一度左折、すると鬼子母神堂の境内が正面に姿を現します。
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入り口に山門は無く、小ぶりな石作りの仁王像が睨みを利かしています。視界を遮るものが何も無い故に、眼前に広がるいかにも江戸時代に建造された極彩色の装飾を有したお堂の眺めは素晴らしいです。鬼子母神堂を管轄する明法寺は残念ながら震災と空襲で往時の姿をとどめていませんが、鬼子母神堂は江戸時代のまま。参道も含めての景観美を残す場所は、柴又の帝釈天が有名ですが、こちらの鬼子母神もなかなかです。
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掲げている鬼子母神の文字の鬼の字には、一画目のツノがありません。またお堂のいたる所に石榴の意匠があります。それは古来インドのお釈迦様の説話に所以します。かつて大勢の子を持ちながら人間の子をさらって食らう人食い鬼の母が居て、人々に恐れられていました。そんな彼女をいさめるためにお釈迦様は母が一番可愛がっている末の子鬼を隠してしまいます。母は我が子が居ないことに気づくと、気も狂わんばかりにお釈迦様に助けを求けます。お釈迦様は「お前には大勢の子がありながら何故たったひとりの子の為に嘆き悲しむのだ。お前は、泣きじゃり取り乱しながら、末の子供の名を呼んでいた。その涙は今までお前が食べた子の母親たちが流した涙と同じだ。これからは人の子をけして食べてはならない。」と諭します。鬼子母神は悔い改めた後、安産子育ての神様として人々に崇められる事になります。鬼子母神が食人への欲望を抑えられなくなると、お釈迦様が石榴を与えて気持ちを静めさせた事から、石榴は鬼子母神の象徴となりました。実は近年女性ホルモンの働きを助ける効果があると注目を浴びる石榴、お釈迦様の教えには科学的根拠もあったのでしょうか?
まあこれぞおそれいりやの鬼子母神ね!
お正月に点された提灯に、華やかな石榴の意匠を見ることができます。
境内には、お稲荷さんもあります。
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絵馬の絵柄に惹かれます。
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都電荒川線に乗り、庚申塚駅で降りると、かつての民間信仰を見ることが出来ます。「巣鴨猿田彦大神庚申堂」です。
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庚申堂、または庚申塚は、街道筋など各地にあり、「庚申講」という古い民間信仰が行われた場所を示すものです。庚申講は道教の教えで、庚申の日に寝ると、体の中の虫が悪さ(秘密を勝手に告げ口)をするというので、村人一同集まって、寝ずにお茶を飲んだり宴席を催すなどして、その日をやり過ごすという風習になりました。一年に数度訪れる夜通しの会合は、地域の青年団と同じく、打ち明け話などをして村人の結束を固める意味もあったのでしょうが、戦後、村のくくりは崩壊し、庚申講は廃れていきます。庚申講で信仰されていたのが、猿田彦天神で石造りの庚申塚には必ず彫りこまれる姿ですが、同時に申も信仰されました。(動物が主神と同列に信仰される例では稲荷信仰があります。)申は十二支の寅、鬼門の反対側の裏鬼門の方位ですから、魔よけの意味があります。そこで、見ざる言わざる聞かざるの3匹のお猿さんを庚申塚に掘り込んだり、狛犬のように左右に鎮座してお堂を守らせたりしました。
関西では今も続く地蔵信仰、商売の神様として関東では人気のある稲荷信仰と違い、一気に廃れた感のある庚申講ですが、此方の庚申塚ではまだその信仰が残っています。
しかし沿道が時が止まったような景色です。パチンコ天国・・・・・・。
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歩を進めると、「刺抜き地蔵尊」(曹洞宗萬頂山高岩寺)がある参道としてお年寄りから絶大な支持を仰ぐ「巣鴨地蔵通り商店街」になります。ちなみに境内でご婦人がこすり続けるお地蔵さんが刺抜き地蔵かと思いきや、本堂の中にある絶対秘仏が、刺抜き地蔵であると言う事です。
巣鴨は、板橋宿の手前、旧中山道の休憩所として栄えた町で、お寺も多いことからお婆ちゃんの原宿と異名をとる以前から賑わう場所だったのです。
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この商店街の心憎い飾りつけ。毎日が縁日のにぎわいです。
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江戸六地蔵尊の一つ、「眞性寺」の提灯。またJR巣鴨駅周辺には刷りガラスの模様がなんとも言えないすし屋がありました。
駅前の古い美容院は豆タイルで覆われて、窓からパーマの美人がこちらを幻惑。
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雑司ヶ谷鬼子母神は、その歴史が古く室町時代からありました。駅から続く参道とけやき並木は江戸時代の雰囲気を今に残しています。現在参道の左右は商店半分、民家半分と寂しい感じです。白い壁面装飾が印象的な長屋や仕立て屋の建物は大正モダンなデザイン。
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参道は一度左折、すると鬼子母神堂の境内が正面に姿を現します。
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入り口に山門は無く、小ぶりな石作りの仁王像が睨みを利かしています。視界を遮るものが何も無い故に、眼前に広がるいかにも江戸時代に建造された極彩色の装飾を有したお堂の眺めは素晴らしいです。鬼子母神堂を管轄する明法寺は残念ながら震災と空襲で往時の姿をとどめていませんが、鬼子母神堂は江戸時代のまま。参道も含めての景観美を残す場所は、柴又の帝釈天が有名ですが、こちらの鬼子母神もなかなかです。
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掲げている鬼子母神の文字の鬼の字には、一画目のツノがありません。またお堂のいたる所に石榴の意匠があります。それは古来インドのお釈迦様の説話に所以します。かつて大勢の子を持ちながら人間の子をさらって食らう人食い鬼の母が居て、人々に恐れられていました。そんな彼女をいさめるためにお釈迦様は母が一番可愛がっている末の子鬼を隠してしまいます。母は我が子が居ないことに気づくと、気も狂わんばかりにお釈迦様に助けを求けます。お釈迦様は「お前には大勢の子がありながら何故たったひとりの子の為に嘆き悲しむのだ。お前は、泣きじゃり取り乱しながら、末の子供の名を呼んでいた。その涙は今までお前が食べた子の母親たちが流した涙と同じだ。これからは人の子をけして食べてはならない。」と諭します。鬼子母神は悔い改めた後、安産子育ての神様として人々に崇められる事になります。鬼子母神が食人への欲望を抑えられなくなると、お釈迦様が石榴を与えて気持ちを静めさせた事から、石榴は鬼子母神の象徴となりました。実は近年女性ホルモンの働きを助ける効果があると注目を浴びる石榴、お釈迦様の教えには科学的根拠もあったのでしょうか?
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お正月に点された提灯に、華やかな石榴の意匠を見ることができます。
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境内には、お稲荷さんもあります。
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絵馬の絵柄に惹かれます。
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都電荒川線に乗り、庚申塚駅で降りると、かつての民間信仰を見ることが出来ます。「巣鴨猿田彦大神庚申堂」です。
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庚申堂、または庚申塚は、街道筋など各地にあり、「庚申講」という古い民間信仰が行われた場所を示すものです。庚申講は道教の教えで、庚申の日に寝ると、体の中の虫が悪さ(秘密を勝手に告げ口)をするというので、村人一同集まって、寝ずにお茶を飲んだり宴席を催すなどして、その日をやり過ごすという風習になりました。一年に数度訪れる夜通しの会合は、地域の青年団と同じく、打ち明け話などをして村人の結束を固める意味もあったのでしょうが、戦後、村のくくりは崩壊し、庚申講は廃れていきます。庚申講で信仰されていたのが、猿田彦天神で石造りの庚申塚には必ず彫りこまれる姿ですが、同時に申も信仰されました。(動物が主神と同列に信仰される例では稲荷信仰があります。)申は十二支の寅、鬼門の反対側の裏鬼門の方位ですから、魔よけの意味があります。そこで、見ざる言わざる聞かざるの3匹のお猿さんを庚申塚に掘り込んだり、狛犬のように左右に鎮座してお堂を守らせたりしました。
関西では今も続く地蔵信仰、商売の神様として関東では人気のある稲荷信仰と違い、一気に廃れた感のある庚申講ですが、此方の庚申塚ではまだその信仰が残っています。
しかし沿道が時が止まったような景色です。パチンコ天国・・・・・・。
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歩を進めると、「刺抜き地蔵尊」(曹洞宗萬頂山高岩寺)がある参道としてお年寄りから絶大な支持を仰ぐ「巣鴨地蔵通り商店街」になります。ちなみに境内でご婦人がこすり続けるお地蔵さんが刺抜き地蔵かと思いきや、本堂の中にある絶対秘仏が、刺抜き地蔵であると言う事です。
巣鴨は、板橋宿の手前、旧中山道の休憩所として栄えた町で、お寺も多いことからお婆ちゃんの原宿と異名をとる以前から賑わう場所だったのです。
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この商店街の心憎い飾りつけ。毎日が縁日のにぎわいです。
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江戸六地蔵尊の一つ、「眞性寺」の提灯。またJR巣鴨駅周辺には刷りガラスの模様がなんとも言えないすし屋がありました。
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