乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『大和文華館』「特別企画展 竹の美」   奈良県奈良市学園南1-11-6

2014-03-30 | 美術・文様・展示物


   『大和文華館』「特別企画展 竹の美」   奈良県奈良市学園南1-11-6




2014年2月21日(金)~3月30日(日)
月曜日休館
入館料:一般 600円 高校・大学生 400円 小学・中学生 無料



 

 

 

  

  

  

 

 

 


 先日 大和文華館『特別企画展 竹の美』を楽しませて頂きました。
 大和文華館は私の好きな美術館の一つです。
 今回は「特別企画展 竹の美」

 竹の意匠と吉祥との関連性を記した説明は興味深い物でした。

 特に興味深かった展示物は次の通り

 1 『図案集』
    原羊 遊斎 1801 蒔絵師
    この話は、以前大和文華館で聴講したことがあります。

 2 『仙物奇踪』 1/8

 3 『古画縮図』(花鳥)

 4 『観世流謡本』「藍染川」
    観世黒雪(永禄9-慶長19 1566-1614) 観世9世
    慶長11年 奥書
    光悦派(筆跡)
    
    現在「藍染川」の他、五帳残る
      「放生川」
      「昭君」
      「松山鏡」
      「鵜羽」
      「鍾馗」

 5 『宗満立花伝書』
      室町 池坊流弟子
      そういえば先日大阪城で岩で配置し「型」にされた未生流のモニュメントを見た。
      岩とはいえ「体」「用」「添え」がはっきり認められ、興味深かった。
      池坊流という名前にはなじみはあるが、私は「京未生流」をかじっていたので、池坊流は知らない。
      せいぜい、祇園祭の頃、拝見させて頂くか否かくらいの鑑賞数。
      なので『宗満立花伝書』の図はちょこまかとメモしておいた。
      生け花って、いいなぁ~~☆
 
 

 大和文華館公式HP より、お借りしました。▼
松竹梅の一つとして親しまれている竹は、東アジア地域の気候に適しており、加工が便利で材質も優れているため、古代から中国や日本の生活に欠かせない植物でした。その利用は、建築材や家具、農具、楽器、服飾品、文房具から食用まで広範囲に及んでいます。
人々に愛された竹には、様々な文化史的意味が与えられていきます。例えば、蓬莱山にあって仙人や霊鳥がそこに集ったという伝承、あるいは黄帝の時代に鳳凰がやってきてその実を食べたという故事に見られるように、竹は理想境と結びついた神聖なイメージを持っています。また、寒中でも緑を保ってまっすぐに伸び、節を持つことから、高潔な精神の象徴として、庭園や書斎など士大夫の傍らに置かれて鑑賞されました。さらに、その旺盛な生命力や、「竹」が「祝」と同音同声であることから、吉祥モチーフとして一般に広く普及しています。
では、美術品上に竹はどのように表現されてきたのでしょうか。この展観では、黒川古文化研究所・泉屋博古館との三館連携「松・竹・梅」展の一環として、聖なる空間に配された竹、花鳥図の中に登場する竹、文人の隠居地として表された竹林図や彼らの描いた墨竹図、さらに竹の意匠が施された陶磁・漆工作品や、竹素材を用いた工芸品など、東洋美術史における竹の美を多角的に紹介します。意味においても造形においても豊穣な、竹の世界をお楽しみください。

【聖なる竹】
 楊柳観音像 朝鮮・高麗 泉屋博古館蔵
 伯牙弾琴鏡 中国・唐 重要美術品、黒川古文化研究所蔵
 蒔絵蓬莱文鏡巣 日本・室町
【花鳥と竹】
 竹燕図 馬遠款 中国・南宋~元
 花鳥図 朝鮮・朝鮮時代
 檀鴨・竹狸図 森徹山筆 日本・江戸 泉屋博古館蔵
【竹の意匠】
 図案集 原羊遊斎筆 日本・江戸
 白磁青花彩陽刻十長生文六角瓶 朝鮮・朝鮮時代
 染付花鳥山水文水指 中川利三郎作 日本・江戸
【文人と竹】
 竹岸蘆浦図巻 漸江筆 中国・清
泉屋博古館蔵
 花卉雑画巻 徐渭筆 中国・明 泉屋博古館蔵
 蘭竹図巻 銭載筆 中国・清 黒川古文化研究所蔵
【素材としての竹】
 竹彫竹林七賢図筆筒 中国・清 泉屋博古館蔵
 岩下高士図臂閣 周芷岩作 中国・清 黒川古文化研究所蔵
 茶杓 銘玉峰 杉本普斎作 日本・江戸時代









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『東學墨画展』近鉄アート館“復活祭”特別展 東學・墨画展 ―墨の糸が織りなす、愛しき命たち―

2014-03-30 | 美術・文様・展示物




 『東學墨画展』近鉄アート館“復活祭”特別展 東學・墨画展 ―墨の糸が織りなす、愛しき命たち―  
  2014年3月4日(火)~19日(水)
 “近鉄アート館・劇場開き”において歌舞伎俳優・片岡愛之助とのコラボで、迫力あるライブ・ペインティングを披露する平成の浮世絵師“東 學”(あずま・がく)。 京都の扇絵師を父に持ち、純然たる日本画の血を受け継ぎながらも、妖艶でアヴァンギャルドな独自の世界観でファンを魅了。 また、演劇ポスター作家としても名を馳せる奇才で、『維新派』『劇団EXILE』など演劇シーンにおいて彼のクレジットを見ない日はない。 今回の特別展では代表作である11メートルの『花戰』をはじめ、大型作品を中心に展示。 まるで糸のように繊細な墨の線が描き出す、妖艶な女性や花、生き物や神仏などをご覧ください。

 

 

 

 



 ハイキングの帰り、薮用で近鉄(デパート)に立ち寄る。
 遠目に見えた『操り三番叟』の複数枚のパネルに目を奪われ近づくと愛之助さんだった。
       
 
 

 

 歌舞伎の舞台演出家の個展かといった軽い気持ちで中をのぞくと、そこには東學墨さんの大型作品が立ちはだかっていた。
 これはしたり!と、リュック姿で場違いな服装にも関わらず、気持ち小心気味に入場。
 そこには堂々たる東學作品

 東學さんについては前知識が無かったがどこかしこでいろいろなアートを見かけて心にとどめていた。
 大きな作品の前に立ち、直感的に京都の方の作品だと悟る。

 新しく斬新な作品だが、古典的だ。
 基本をふまえられて多くを学ばれていらっしゃる。
 屏風や掛け軸や絵巻物や御伽草子や浮世絵や、海外の良質な作品が大胆な構図で再建されていたり、または細やかに取り入れられている。
 一作目は時間の流れが表現されていた。
 二作目には理想的な女性の「風神雷神」が見えた。
 他にも興味深い物が多くあり、これでもかこれでもかといった多くの技法が織り込まれ、北斎の紛れ込ませた騙し絵を探しているような自分に気づく。
 東學さんは優れたデッサン力と感性と色彩と知識をお持ちのようだ。

 大きくとらえられた構図の中には部分的には面相筆で細密描写が施されており、ことに髪の流れるような美しさは日本画の奈良の某画家や有名な幽霊絵(掛け軸)の数々を思い浮かべる。
 どの作品を見ても、それぞれにいろいろな作品やキャラクターが東學風に変換され描かれている素晴らしさは、非常に心地が良い。
 もし、『東學墨画展』が近鉄の画廊ではなく美術館で開催されていたならば、二、三時間はゆうに見つめていたに違いない。

 舞台美術とこういった作品を比較しながら見てみたいという願望が生じた。
 もう亡くなったが、叔父に某映画会社で結構名を馳せた美術監督がいた。
 舞台美術と映画美術と絵画作品では、手法はずいぶん違いがあるのだろうと感じる。
 
 色々好きな作品があった。
 女性の表情が何ともいえず今現在万人に好まれる顔では無いかと感じた。
 古典絵画が和の心を醸し出しながらも、現代に通用しる洒落た感性が加わり、おしゃれな世界のCMにはぴったり!。

『東學墨画展』を見てからというもの、テレビで歌舞伎役者玉三郎さんが舞台に立たれる度に、東學作品を心の片隅に思い浮かべる。

 確か「地獄」という作品の中央右下の鬼の顔が、「クリムゾンキングの宮殿」(レコードジャケット100選に選ばれている)に似ており、思わずほくそ笑んでしまった。
 私の右後ろに東學さんが立っておられた。
 恥ずかしいことに、「クリムゾンキングの宮殿」似の鬼の躰には立派な おてんてん(?笑)^^;;が描かれていた。
 おてんてん(?笑)を見て笑ったと勘違いされたのではないかと、一瞬ブルーになる私。
 と同時に、浮世絵(春画や、あぶな絵)をも思い出した(笑)。見ていていやらしさは無く、何を書かれていても繊細で重厚だ。

 東學作品は300号もあるのではないかと思われる立派な墨絵の大作が展示。
 だが、元は画廊(?)なので、冊が無い。
 作品の性質上、額(ガラス)にも入ってないので、直接間近で見ることができた。
 
 会場はことのほか狭く、大型作品をまともに見ることはできない。作品間の通路、おそらく二、三メートル。
 なので仕方なしに屏風を見るように左右に何度も移動しながら拝見させて頂いた。
 上にも書いたがハイキングの帰りでリュックを背負っていたため、後ろの作品にあたらないように、最善の注意をはらい見る必要があった。

 パネル木組み(?)に和紙がはられ、描かれた東學作品。
 墨絵であったが、大変豊かな色彩を感じた。
 俳画のように空間がうまく使われ、紙は時代の流れを感じるように豊かな色合いで色付けてある。
 墨の色彩の豊かさにも感心した。
 勢いの強弱や筆の太細やもチーフの対象や密度によって、色がはっきりと感じられた。
 これは良質の小説を読んでいる時に、文字や文脈に色が浮かぶような現象だと感じた。

 大きな作品の最後出口近くには、十号程度の花や生き物の作品が所狭しと並んでいた。
 東學作品は空間が大切なので、広々とした洋風の白の館で、近づいては細密描写を楽しみ、離れて大胆な構図を味わいたいと思うのは私だけか…。

 最後左上の「かえる」の構図と形が好きであった。
 ただ惜しいと思ったのが、和紙の一部分。
 一部消したであろうがため、はがされていたこと。
 和紙はもろもろと毛羽だっている。
 大変上質な作品だったので、悔しいと感じる。
 
 東學作品が好きになり、会場を後にした。

 帰宅後、Faber-Castellを取り出し、120色を眺めた。
 色
 この世の色は自然物も人口色でさえも美しい☆
 そして、墨絵絵画の色の豊かさを思い浮かべた。
 観賞後、日がずいぶん経った今も『東學墨画展』を思い浮かべ、余韻に浸る。


 


 東學
 東 學(あずま がく、1963年12月9日 - )は日本の画家・アートディレクターである。
 1963年、京都生まれ。
 父は扇絵師である東笙蒼。幼い頃から絵筆に親しむ。
 アメリカ合衆国のハイスクール時代に描いた『フランス人形』はニューヨークのメトロポリタン美術館に永久保存されている。
 20歳でグラフィックデザイナー・アートディレクターとしての頭角を現し、主に舞台やテレビ、音楽関係などのグラフィックワークを手がける。



 パンフレットより ▼
 ラーメンズ 片桐 仁
 學さんは僕がイメージする“ザ・アーティスト”です。墨を使った美人画、それとはまた違ったライブペインティング、自由自在なデザイナーとしてのセンス、耳のデカさ。どれを取っても“ザ・アーティスト”。初めて見た絵は、『痛くなるまで目に入れろ』というお芝居用に描いた、内圭哉さんの横顔なんですが、その、他のチラシを圧倒する衝撃は今も忘れられません。僕が個展をするギャラリーも紹介していただいたり、トークイベントにも出ていただきました。今後もよろしくお願いします。

 流石、片桐 仁さん☆
 的をえておられると感じた☆

 









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菅原道真12 北野天満宮 宝物殿 『北野天神縁起(光信本)』(2014年2月末)、「長谷川等伯の大型絵馬」

2014-03-30 | 菅原道眞



   菅原道真12 北野天満宮 宝物殿



 

 

 

 

 


    
 長谷川等伯の大型絵馬あり。
 昭和初期には絵馬堂に掲げられていたとのこと。
 現在は作品保護のため、宝物殿にある。

 日本地図鏡や名刀「鬼切」(重文)あり。
 源氏の重宝として最上家に伝来し、後云々。

『北野天神縁起(光信本)』
 北野天神の宝物殿(2014年2月末時点)で、『北野天神縁起(光信本)』が公開されていた。
『北野天神縁起(光信本)』はオリジナル
   「牛が動かなくなった場面」
   「雷となった道真さんから歌を教えられる場面」など
 光信本をはじめて見たので、感慨深い物がこみ上げてきた。 
          オリジナル
          紙本著色  土佐光筆
          文亀(1503)室町
          松梅院寿丸の依頼
           絵    土佐光信
           詞    三条西実隆


 普段は(複製)が展示されることが多いらしい。

 

 
 東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ  菅原道真 その1
 
 菅原道真 (菅原 道眞)  その2 秀才道真、業平と親交が深かったか…

 27;東風吹かば… 春を忘るな・(春な忘れそ) 『大鏡』『拾遺和歌集』菅原道真 その3

 菅原道真 その4 メモ

 菅原道真 5 大宰権帥に左遷。「日本三代実録葉」完成を報告したのは、時平と大蔵善行(901年)

 菅原道真は ろ号券 五圓紙幣にも登場していた。 菅原道真 6

 菅原道真7 手向山八幡宮 このたびはぬさもとりあへずたむけ山 紅葉の錦神のまにまに

 菅原道真8 北野天満宮 梅花祭(御祭神菅公の祥月命日に行われる祭典) 2月28日

 北野神社 2014年2月28日 北野梅園 梅!只今五分咲きです。(4景)  菅原道真9

 『北野天神縁起(光信本)』(北野天神 宝物殿)と、 絵馬堂の絵馬  菅原道真10

 菅原道真11 『北野天神縁起(光信本)』(北野天神 宝物殿)「牛が動かなくなった場面」や「雷となった道真さんから歌を教えられる場面」など

 菅原道真12 北野天満宮 2014年2月 宝物殿 『北野天神縁起(光信本)』「長谷川等伯の大型絵馬」



   ☆ ☆ ☆
北野天満宮所蔵『北野天神縁起絵巻〈承久本〉』「平成記録本」全9巻 京都文化博物館 京の至宝と文化

乱読記録2012年97:『日本絵巻大成21 北野天神縁起「承久本」』解説/ 岩波古典『菅原文草 菅家後集』

『天神縁起の系譜』「北野天神絵巻」(承久本)から巻一、巻二 須賀みほ編






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『石内尋常高等小学校 花は散れども』2008年 監督・脚本・原作:新藤兼人 柄本明 大竹しのぶ

2014-03-30 | 映画
  (中国 上海)



 『石内尋常高等小学校 花は散れども』

 ここのところ忙しく、一週間お間で見ることができた映画は一本、テレビで歌舞伎は一本。
 見逃した映画が二本ばかりあるが、『石内尋常高等小学校 花は散れども』を見ることができて良かった。

 静かな画面に整備された道や海岸や風景は回想を強調。
 回想は所々のまぶす過ぎる光で強調し、美化した思い出であることを観客に思い出させる。
 面白さと歴史の重さと静けさを適度に分配し構成した本映画は映画の文法を踏んだ見本のような作品。
 それでも、多少のおりこうさん映画気分は拭えない。

 柄本明さんが良い。六平直政が、大竹しのぶさんが良い。
 大杉蓮さんと、根岸季衣さんは脇役ではあったが、(主役のじゃまにならない)個性的な演じ方をなさっておられた。
 川上麻衣子さんの役作りから言う勝ち気な演じ方は理解するところだが、老いた美しさを表現できない彼女には、物足りなさを感じた。
 
どこかしこに 新藤兼人監督作品『裸の島』(1960年 乙羽信子 殿山泰司)を思い浮かべた。
大竹しのぶさんと豊川悦司さんに、モノクロの『裸の島』を見た。

 この映画は私は好きです。







本編尺:119分
製作年:2008年
監督・脚本:新藤兼人
原作:新藤兼人
出演:柄本明 豊川悦司 六平直政 川上麻衣子 大竹しのぶ

日本最高齢の映画監督、新藤兼人が贈る愛と青春のエンターテインメント!

公開時96歳の映画監督・新藤兼人による半自伝的映画
小学校教師とその教え子である脚本家との絆を、笑いと涙たっぷりに活写する
小学校時代の恩師役に柄本明、新藤組初参加となる豊川悦司が若き日の新藤に扮する
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