乱鳥の書きなぐり

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『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居』『乗合船恵方萬歳』  2014年1月歌舞伎座

2014年01月27日 | TVで 歌舞伎・能楽
          (『近世祭礼・月次風俗絵巻』「十二ヶ月風俗図巻」東方出版)


  『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居』『乗合船恵方萬歳』

  




 今年うらやましく感じていた歌舞伎座の『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居』『乗合船恵方萬歳』をO様にに教えて頂き、見る事ができました。
 大変見たかった舞台でした。O様、誠にありがとうございました。



 『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居』2014年1月歌舞伎座
  本蔵妻 戸無瀬  坂田 藤十郎、
  大星由良之助   中村 吉右衛門
  由良之助妻 お石 中村 魁春、
  下女りん     中村 扇之丞
  本蔵娘 小浪   中村 扇雀
  大星力弥     中村 梅玉
  加古川本蔵    松本 幸四郎、


 まずは劇場でも何度か見た事のある『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居』
 2014年1月歌舞伎座『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居』は初めてです☆
 
 幸四郎丈の
 「忠義に ならでは捨てぬいのちぃ、子ゆえに捨つる親ごぉほほほぉ。 推量ぉおあれぇぇ、ゆらのすけぇのぉ
と、声を振り絞る。
 手を添える藤十郎丈。
 涙が出るくらいに感動した。

『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居』は役者さんが重厚でなければ舞台にならない。
  本蔵妻 戸無瀬  坂田 藤十郎、
  大星由良之助   中村 吉右衛門
  由良之助妻 お石 中村 魁春、
  下女りん     中村 扇之丞
  本蔵娘 小浪   中村 扇雀
  大星力弥     中村 梅玉
  加古川本蔵    松本 幸四郎、
  
 藤十郎丈は素晴らしく好きだし、幸四郎丈は懐かしく感じる歌舞伎だし…
 幸四郎丈が出てこられると、目を見開いて仕草や台詞をたどってみていたよ。

 良之助は吉右衛門さん☆所作が美しい。
 扇雀さんは入り込んでおられる。この方、近年素晴らしいわ☆
 魁春さんの着物の着こなしが美しく、由良之助妻そして力弥の母にぴったりだと感じる。

 そして今回この舞台で感心したのが梅玉さん。
 梅玉さんは御歳ウン歳。
 だが、片肩を落としたり身を若干不安定に保たせながら気品を感じさせ、若い初々しい大星力弥を見事に演じられていた。お見事!
 梅玉さんはなんでもこなされる役者さんの一人だが、この舞台の演じ方に置いては相当心惹かれた。

 関西で、こんな役者さん達の九段目を、見てみたいわ!と切実な思いがする。

  
 『乗合船恵方萬歳』2014年1月歌舞伎座
  中村 梅玉(萬歳 鶴太夫)
  中村 翫雀、
  中村 橋之助
  坂東 彌十郎
  中村 児太郎
  片岡 孝太郎
  中村 扇雀
  中村 又五郎


 おそらく始めて『乗合船恵方萬歳』を見る。
 伊勢萬歳は以前に見た事がある。 
 当たり前ではあるが、歌舞伎の『乗合船恵方萬歳』を見て、以前楽しませて頂いた「大和萬歳と伊勢萬歳」と共通点がある。
   秋篠音楽堂 「大和萬歳と伊勢萬歳」 村田社中 『神力』『柱建』/づくし、ききちがえ 他

 また、萬歳とは昔各地をまわり、門付でも演じられる。
 また大きな家では招き入れられて座敷で舞われ演じられた事やしばらくの間はその家に滞在する事もあったという。
 上の事から考えて、わたくしの好きな大悦の出てくる 絵巻物「大黒舞」を思い浮かべた。
「大黒舞」では大黒や恵比寿が部屋にいて酒を食べ舞い、大悦の小さな家は屋敷になり、大金持ちとなる。
 萬歳に謡い舞って頂くと、(個人の考え方や土地柄にもよるが)その家は豊かになると思われていたらしい。

   「大黒舞」 日本古典文学全集
   『大黒舞絵巻 鎌倉英勝寺所蔵』奈良絵巻「大黒舞」影印 木村千鶴子・八木意知男 解説(4枚)

 萬歳 鶴太夫が船方(萬歳の相方として)歌い踊る場面。
 まず始めに
 火伏せ云々と告げられる。
【火伏せ】とは火災を防ぐこと。特に、神仏が霊力によって火災を防ぐこと。火よけ。

『乗合船恵方萬歳』では「大和萬歳と伊勢萬歳」で演じられた『柱建』の一部が歌や踊りで出てきた。

「一本の柱が…」
「二本の柱が…」
「三本の柱が…」
「四本の柱が…」
「五本の柱が…」
『乗合船恵方萬歳』では五本目までで話が展開する。
 
   「誠におめでとうそうらいける」

 萬歳ではこの「誠におめでとうそうらいける」が大切な言葉のようだ。

『乗合船恵方萬歳』では『柱建』の次は
 小判がざっくざく小判がざっくざく
 ざくざく○○○○ざくざく○○○○
 ざくざく○○○○ざくざく○○○○
 
 …と、非常におめでたい。ここで、『大黒舞』を思い浮かべたという次第。

   「誠におめでとうそうらいける」
   (二度目は 「誠におめでとう」できれていた)


 初めて見たので歌詞や台詞はいい加減な覚え方だが、とてもおめでたい新春歌舞伎にぴったりの舞踊(演目)であった。

 
 
 みなさま
 見て下さいましてありがとうございます。



 この放送を教えて下さいましたO様に心より御礼申し上げます。
 ありがとうございました。




コメント (5)
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