乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

97: 『冷泉家八〇〇年の「守る力」』冷泉貴実子 集英社新書〇七〇四C

2013-12-21 | 読書全般(古典など以外の一般書)
    (京都 八坂さんの近く)




   97: 『冷泉家八〇〇年の「守る力」』




 冷泉貴実子 
 一九四七年、藤原俊成・定家を祖とする「和歌の家」冷泉家二四代為任の長女として生まれる。二五代当主・為人夫人。公益財団法人冷泉家時雨亭文庫常務理事、事務局長。著書に『京の八百歳 冷泉家歌ごよみ』(京都新聞出版センター)、『花もみぢ 冷泉家と京都』(書肆フローラ)など。

 

『冷泉家八〇〇年の「守る力」』を読了。
 京都、伝統、型、和歌、藤原俊成、定家、季節、日本人の感性など、どこを切りとっても面白くためになり、わたくしにとっては、最近読んだ新書本の中では格別に興味深い内容でした。

「第5章 “型”が守り、伝えるもの―「文化」の威力、底力」では「梅にうぐいす」といった「日本の春」の様な決まり事、「型」似ついて記されており、伝統芸能である歌舞伎や日本舞踊も型が決まらないとどうにもならないということを記されており、大きくうなずいておりました。そこには徹底的に型を仕込み、型を磨き、型が身に付いてからやっと自分の芸の方向を考えるというステップを踏んでいるはずと書かれていました(124)本書では型似ついて記され、「形」について書かれている訳ではございませんでしたことを付け加えておきたいと思います。

 さらに懐かしい言葉が出てきました。【こうとな人間】です。この【こうと】という言葉は、わたくしの父がしきりに使っていた言葉の一つです。
「こうとな帯」「こうとなバッグ」「こうとな柄」「こうとなコート
 父は【こうと】を口うるさくわたくしに求めておりましたことを、思い出します。

 著者の文章は美しく、この調べにはうっとりと致しました。ことの音を聞いているような文でした。冷泉貴実子さまの他の本も、もっと読みたい~~!
 冷泉貴実子さまを検索させて頂きますと和装がよくお似合いの美しい方でした^^
 

 

 藤原俊成、定家を祖とする、京都「和歌の家」が伝授する、時代に流されない方法

 冷泉家は藤原俊成・定家の血を引く「和歌の家」として、その伝統と文化を京都の地で今日まで守り続けている。冷泉家の長女として生まれた著者によれば、冷泉家には「大事にせんとバチが当たる」「相変わらずで結構」など、独特な伝統・文化継承の秘訣があるという。 当主夫人でしか語りえない代々のエピソードをもとに、急速に変化する現代社会の中で、我々が時代に流されず生きるためのヒントとなる公家の知恵、冷泉家八〇〇年の「守る力」を明かす。

 目次(データーベースより)
第1章 大事にせんとバチが当たる―守り伝えられてきた『明月記』
第2章 そこそこやから続いてきた―「歌の家」の八百年
第3章 「昔からそうしてきたから」でけっこうやないですか―公家の三百六十五日
第4章 知識も物産も情報もまとめて収めて―蔵こそ公家の生命線
第5章 “型”が守り、伝えるもの―「文化」の威力、底力
第6章 “これはお金の問題やない”―冷泉家の四季と行事
第7章 しなやかに強く。「相変わらず」ならけっこうや―冷泉家の人々





 

コメント (2)
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でかしゃんした、でかしゃんしたでかしゃんした、でかしゃんした☆ 『名作歌舞伎全集』

2013-12-21 | 乱鳥徒然 Rancho's room.
(中国 トンパ文字)
  


 たわいないはなし



『近松全集』ではむずかしかったので『新日本古典文学大系』で「碁盤太平記」を読む。
 はじめの数ページを数度読んだが、芝居のイメージがわかず、見失う…
「碁盤太平記」のイメージがわかずにすったもんだしていると、家族曰く
「『名作歌舞伎全集』にあるよ^^」
 あらかじめわたくしが作っていたインデックス早見表を確かめると(前回は見落としていた^^:: らしく)、何と第二十一巻に載っていた☆
 

 これは したり☆

 でかしゃんした、でかしゃんしたでかしゃんした、でかしゃんした☆
 …とばかりに、ほくそ笑む^^



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『大笑い江戸っ子祭』 9/10☆ 斎藤寅次郎監督 1959年 白黒 

2013-12-21 | 映画
     (南座前にいらっしゃった 舞子はん)


   『大笑い江戸っ子祭』9/10


 1959年に制作された白黒映画『大笑い江戸っ子祭』を見た。
 これは痛快に面白く、最後まで笑い転げていた。
 日本の喜劇映画って、こんなにも潔く質が良かった事を知った。
 あっぱれじゃ

 それにしてもアップテンポで、喜劇の名人のように感じる俳優が次々に出てこられる。
 流石『大笑い江戸っ子祭』という大婦負がついているなと感心した。

 何となく見た事のある顔、知らない顔。
 確か、浅草の演舞場に行ったとき、柳谷金五郎さんだったと思うが、高座に上られた。
 子供の頃テレビで見た顔だったので、うれしい感じがした。

 映画に唄子啓介さんが出ておられた。
 この方たちはわたくしが十代半ばの頃、京都南座で唄啓劇団を興行されていたので見た事がある。
 芝居あり漫才ありで面白かったような気がする。

『大笑い江戸っ子祭』は「芝浜」や「弁天小僧」や「髪結新三」や他多くの芝居(歌舞伎)がごった煮されていた。
 解説を読みと、この映画は落語が軸となり、「芝浜」や「たらちね」や「千両富」が含まれているという。
 芝居の好きなわたくしはどうしてもそちらと関連づけてします。

 落語も楽しんでおくと、色々幅が広がり楽しいだろうなと思う。落語の「芝浜」「たらちね」「千両富」の中でわたくしがライブで聞いた事があるのは池袋演芸場で楽しませて頂いた「芝浜」だけ。長い話で、落語は大変におもしろいなと感じた事を覚えている。
 


スタッフ
監督: 斎藤寅次郎 サイトウトラジロウ
製作: 杉原貞雄 スギハラサダオ
脚本: 蓮池義雄 ハスイケヨシオ

淀橋太郎 ヨドハシタロウ
撮影: 西前弘 ニシザキヒロシ
音楽: 宅孝二 
美術: 鳥居塚誠一 トリイヅカセイイチ
録音: 中川浩一 ナカガワコウイチ
照明: 牧野秀雄 マキノヒデオ
キャスト(役名)
三木のり平 ミキノリヘイ (久六)
有島一郎 アリシマイチロウ (八五郎)
朝雲照代 アサグモテルヨ (お春)
雪村いづみ ユキムライヅミ (お菊)
益田キートン マスダキートン益田喜頓 (伊勢屋源兵衛)
汐風亭子  (おなみ)
立原博 タチハラヒロシ (与太郎)
環三千世 タマキミチヨ (お露)
西川鯉次郎 ニシカワコイジロウ (次郎吉)
翼ひろみ ツバサヒロミ (お弓)
森川信 モリカワシン (太助)
坪内美詠子 ツボウチミエコ (お時)
榎本健一 エノモトケンイチ (勘七)
坊屋三郎 ボウヤサブロウ (銀次)
八波むと志 ハッパムトシ (五郎八)
藤間紫 フジマムラサキ (お清)
丘寵児  (雲竹斎)
内海突破 ウツミトッパ (富の市)
夏目俊二 ナツメシュンジ (三次)
平原小夜美  (お政)
富松千代志 トミマツチヨシ (亀吉)
山茶花究 サザンカキュウ (河内屋和助)
渡辺篤 ワタナベアツシ (正兵衛)
古川縁波 フルカワロッパ (良玄)
佐々十郎 ササジュウロウ (彦三郎)
小原新二 オバラシンジ (為三)
西岡タツオ ニシオカタツオ (松公)
南都雄二 ナントユウジ (雄之助)
ミヤコ蝶々 ミヤコチョウチョウ (お蝶)
堺駿二 サカイシュンジ (忠左衛門)
宮坊太郎  (喜内)
柳家金語楼 ヤナギヤキンゴロウ (金太)
トニー谷 トニータニ (善吉)
若水ヤエ子 ワカミズヤエコ (居酒屋の女中)
西川ヒノデ ニシカワヒノデ (鉄火場の中盆)




解説
芝浜・たらちね・千両富などの落語から、「勢揃い江戸っ子長屋」のコンビ蓮池義雄・淀橋太郎が脚本を書いた喜劇。同じく「勢揃い江戸っ子長屋」の斎藤寅次郎・西前弘がそれぞれ監督・撮影を担当した。





 江戸湯島天神のそばの長屋に、屑屋の久六、魚屋の八五郎、呉服屋の次郎吉などが住んでいた。久六は屑の束を整理しているうち、ボロの中からお弓という娘を見つけた。悪者に追われてかくれていたという。江戸の父母を探しに出てきたのだ。--八五郎は大酒のみで、ある朝女房のお春と妹お菊にたたき起されて魚河岸に出かけると、時間が早すぎ、芝浜で顔を洗ったとき、革財布を拾った。そのまま家へ帰って数えると百両あった。近所の衆に大盤ふるまいし、彼は寝こんだ。目覚めたとき、お春は金をあずかった覚えはない、夢を見たんだろうといった。彼は丸めこめられ、酒を絶ち、心をいれかえて働くようになった。--家主源兵衛の一人娘・お露は次郎吉が好きだった。お露は続々と来る縁談をことわりつづけ、あげくは屋根の上で見合結婚反対の坐りこみをした。次郎吉は商いの途中、お弓の父母・お時夫婦に出会った。彼らは上京の途中鼠小僧から金を奪われ、今は奉公勤めをしていた。次郎吉は彼らの娘を思う情にうたれた。お弓を彼らのもとへ連れていった。--久六に縁談が起った。ちょっと言葉が丁寧すぎる女だというが、それでも久六は喜んだのだ。--お弓を父母に会わせた次郎吉は、目明勘七に憎い次郎吉を捕える手引きをすると約束した。そして、お露に置手紙を残すと、自から縛についたのである。--家主が破産し長屋を人手に渡さないために、千両の金が必要になった。お春が例の革財布を出した。お上に届け出たのだが、落し主が出ず、褒美に貰ったという。八五郎にはもう用がなかったが、それを元手にバクチで千両かせごうとし、すっかりスった。帰途、湯島天神で富くじの当り番号が発表されていた。それは久六が買った札だった。やっと、彼の家の襖の破けたところにはりつけてあったのを見つけた。もう、長屋は明け渡さずにすむのである。




 みなさま、見て下さいまして誠にありがとうございます。



 データーは「キネマ旬報社」様よりお借り致しました。ありがとうございました。



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『一條大蔵譚』勘三郎 仁左衛門 玉三郎 小山三 源左衛門 雀右衛門

2013-12-21 | TVで 歌舞伎・能楽
(イラン フィールザーバード  …サーサーン朝の都市グール)



  『一條大蔵譚』

 仁左様玉様から始まる『一條大蔵譚』、わたくしにとっては未だ考玉です^^
 作り阿呆の一條大蔵卿は、故勘三郎さん。

 今月は二回目で、昨日も見入ってしまいました。
 何とも懐かしさの感じられる歌舞伎らしいお舞台でございました。
 楽しいひとときを過ごす事ができた事を、喜んでおります。
 ありがとうございました^^


 みなさま
 拙ブログを見て下さいまして、ありがとうございます☆





 データーは衛生劇場様からお借りしています。

出演:中村勘三郎 片岡仁左衛門 坂東玉三郎 中村小山三 中村源左衛門 中村雀右衛門
2005年
83分
カラー
【特別企画~名優を偲んで~】 一條大蔵卿は、源義経の母常盤御前が平清盛の寵愛を受けたのちに、常盤を妻とした人物。平家全盛の世に阿呆を装い、狂言舞に没頭して無抵抗主義を貫くという歌舞伎の主人公としては一見特異なタイプ。阿呆と正気の部分の演じ分けが大きな見どころとなる。勘三郎襲名披露興行から豪華配役でご覧いただく。 序幕、大蔵卿は大好きな狂言舞に浮かれ上機嫌で現れる。奉公を願い出たお京という女性の舞いに心を奪われ床机から転げ落ちる始末。だが実はお京の夫鬼次郎は源氏再興に心を砕く人物で、常盤御前や大蔵卿の本心をさぐろうとしていた…。(2005年/平成17年3月・歌舞伎座)



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