記録だけ
少林寺
少林寺の形と迫力 ★★★★★ ★★★★★
満足度 ★★★★★ ★★★★☆
お勧め度 ★★★★★ ★★★☆☆
1982年 中国、香港
映画『少林寺』を見るのはこれで二度目。
いずれのテレビ。
不思議なことに家族全員が、この映画を見たことがあるという。
みんなで見ていたのだろうか・・・。
筋は至って簡単だが、少林寺の迫力と形の美しさは素晴らしく、見応えがある。
今風のワイヤーアクションとは違い、動きその物が芸術的感覚。ワイヤーは船の上で、父の敵と戦うシーンのみに限られ、ここぞとばかりのワイヤー使いは盛り上がりをもたらせ、素晴らしい。
いい役と悪役は 歌舞伎のごとく、人相と衣装で、一目で識別できる。
鋭い中にも決めが入り、男らしく、まるで荒事のようでどきどきする。
今時のように大人数を使うわけでもなく、敵軍などの数の多さは、『遠近法 手前にかがり火や馬や死人などを持ってきて、二重、三重の遠近法を工夫』と『効果音 馬の足音や砂の巻き上がりの音』によって表現。
その昔風の工夫されたシンプルな潔い画面が、また魅力的に感じるのはどうしてだろうか・・・。
ブルース・リーやジャッキー・チェンとは違う方向。少林寺本来の基本的な動きを堪能することのできるアクションで、中国文化の深さを感じさせる。
映画には少林寺の中や、九龍石窟などの内外なども映しだされ、中国の歴史を物語る厚みのある演出。
初めの父が殴られた囚人を助ける場面で、上と戦う時のこと。処刑された囚人のつり下げられた腹のあたりで 悪役がつかんだものは 赤い長き物・・・。一瞬どきっとしたが、実は赤くて細い帯ひもだった。或いは、僧が犬(明らかに、本物ではない)を食う非道徳場面や中国の食文化にも触れられ、結構小粋な笑いも交えた秀作といえよう。