乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

わが家の犬は世界一/ワン・チョンチュン 監督

2006年11月01日 | 映画

【①写真はとてもおいしい緑豆饅頭ですが 写真の倍の量(12個入り)で120円くらいです。

 ②飼い主の責任問題とはいえ、犬の登録料(7万円)が一般労働者にとって如何に高いかが伺えます。

 ③登録料の高さや毛沢東の広場、またベランダに飾られた毛沢東の像からも、日本では計り知れない主義や理想が今も根強く残っていることを感じます。】

 

 

 

    わが家の犬は世界一

   満足度   ★★★☆☆

   感動度   ★★★☆☆

   光の使い方★★★★★

   多くのイラン映画との類似点 ★★★★★

 

   2002年  中国  100分

 

   ワン・チョンチュン 監督 

 

 キャスト  グォ・ヨウ

        ディン・ジャーリー

        リー・ビン

        リー・チンチン

        シア・ユイ

        リー・ミン

        犬のカーラー

 

 昨今の北京でのペットブームのさなか、犬にかまれるという事件が発生。

 公演には犬のウンチがありこちに残されたまま・・・だが日本人からすれば考えにくいことではあるが、中国は富裕層と貧困な弱者との差が大きく二分される。

 日本人の中流感覚で、モラルとばかりも言ってはおられない。

 狂犬病も心配されるが、中国の現状として日本円で7万円(5000元)もの登録料を支払える人間ばかりではないだろう。

 

 犬はかわいい、物理的なる金はなし。

「カーラーだけは俺を人扱いしてくれる・・・」

という台詞は重く心にのしかかる。

 ここのところを中年男のラオ(グォ・ヨウ)は 背中を丸め方を落とし、髪の毛は無造作で絶えず口を半開きにして うつろいだ眼差しで見事に演じきる。

 うまい!

 

 

 愛犬を通しての心の格闘や巻き起こるドラマや事件を18時間の時の流れの中で記録映画のように描き進めている。

 窓から随時差し込んでくる光の量は、時間の流れとともに変化させる心憎さ。

 

 18時間後、そして霊の四時を5分過ぎたとき、買い物中の妻はカーラーの乗ったトラックを真のあたりにして、口を開けて呆然と立ち尽くす。

 

 そしてすぐにナレーション!!

 

 その晩犬のカーラーは無事に我が家に戻り、息子も次の日に保釈された。

 

 

 

 こんな簡単な結末でいいのか???

 ナレーションとその晩犬のカーラーは無事の間に接続詞や言葉がないのだ。

 あっけなく結末。

 童話や昔話だって『そして・・・・・だとさ。どんとはらい』

とか何とかあるじゃないといいながらも、このあっけらかんとした一部のイラン映画のような潔さに 結構はまりそうな私でした。

 

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至福のとき/チャン・イーモウ監督

2006年11月01日 | 映画

 

  至福のとき

  満足度 ★★★★☆

  感動度 ★★★★★

  前半   ★★★☆☆

  後半   ★★★★★

  

  2002年  中国  97分

 

  監督  チャン・イーモウ

   キャスト  チャオ・ベンジャン

         ドン・ジエ

 

 前半と後半で話の内容やキャストの表情がころりと変わり、面白い

 

 

 前半は人間の本質や強欲、中国の実態をコミカルに描く。

 

 

 そして半ばからは中年労働者チャオや仲間の労働者の懇親的なまでの盲目の少女ウー・インに対する思いやりにじわりじわりと涙。

 結末で涙は大筋となって流れ出す。

 

 終始一貫して盲目の少女ウー・インはみんなの愛情を心から喜び、しばらくの間は甘んじるが、真実を知っていつことはお首にも表さない。

 

 彼女のまわりの空気だけは現実を受け止めた冷ややかさで、刻一刻と追われるように時を刻む。

 

 

 

 中年労働者チャオがトラックにひかれ危篤状態。

 しかし泥酔しながらも彼は彼女のために彼女の父に成り代わって心の温まる手紙をしたためていた。

 

 

 一方彼女はこれ以上チャオや周りのみんなに迷惑はかけられないと思い、自立の決心。

 大切なテープレコーダーに自分の思いを吹き込んで、泣き泣くチャオのアパートを出る。

 

 

 チャオが危篤状態の中、仲間はテープに吹き込まれた彼女のメッセージに向かって、チャオの変わりにチャオの制作した手紙を読み上げる。

 このテープの声と仲間の声がカブキの掛け合いのようでタイミングが良いのですが、それだけではなくなんともいえないくらいに心が揺れ動かされる。

 私はこのシーンが好きでやはりチャン・イーモウ監督の作品なのだと痛感させられる。

 

 

 ただ驚いたのはチャン・イーモウ監督にしては他の女優群に比べ、 女優のドン・ジエにあまり愛情を感じていなかったように感じるのは私だけでしょうか・・・。

 

 しかし役柄云々から考えると、女としては描いてはこの作品の後に続くべき出来事とつじつまが合わなくなってしまう。

 彼女を下着姿にして二度ばかり描き出したが、まだ青い硬い果実といった被写体を客観的に冷静に描くい外になかったのでしょう。

 

 家族や親族から冷たく扱われ、皆に捨てられた盲目の少女がきっかけはともあれ途中からは労働者みんなでシアワセに騙されていた・・・まさしく『至福のとき』だったのである。

 

 少女期から大人の女性に成長する転換期を考えると、盲目の少女が今後待ち受ける過酷な運命は想像を絶するくらいにつらいものでしょう・・・

 

 チャン・イーモウ監督は彼女を大人になる前の子どもとして扱うことにろり、この作品は出来上がったように思われます。

 

 

 

 最後になりましたが、 チャオ・ベンジャンという役者さんの優しく深みのある演じ方は気持ちの良いものでした。

 

  『最後の恋、初めての恋』(中国・日本)ドンジェ出演の感想です  ↓

http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/2a257ecab99c9a189f9a9da0a767ac39

      至福の時 ↓

http://www.foxjapan.com/movies/happytimes/story/index.html 

 

 

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