日曜洋画劇場特別企画
歴史ミステリー信長の棺
楽しめど ★★★★☆
満足度 ★★★☆☆
話の展開 ★★★★☆
影像美 ★★★☆☆
舞台的な構図の取り方の面白さ ★★★★★
コウシロウさんが出演したよ~ ★★★★★
原作者 加藤 広
キャスト マツモトコウシロウ 大田牛一
松岡昌宏 織田信長
ナカムラバイジャク 豊臣秀吉
片瀬那奈 楓
蟹江敬三 大村由己
浅野ゆう子 お鍋の方
内藤剛志 清如
夏八木勲 惣兵衛
五月以来ドラマとしては二本目。
なんとドラマの見る機会の少ないこと・・・と、自分の事ながら驚いてしまった。
テレビには張り付いて映画や芝居など 日に二,三本はみてるんですけれど・・・
今回はコウシロウさんが主演とあって、楽しく拝見致しました。
歴史ミステリードラマ形式でコウシロウさんの淡々としたナレーションや語り口調が心に響く・・・
少し体重も落とされて、昔のカッコイイコウシロウさんのに少しだけ近い。
この方上品で理知的で化粧が映える。
やっぱり好きだナァ~と感じたドラマでした。
ドラマなのに人物をクローズアップした時に、背景はあまりぼかされてないところが現在のカメラアングルから考えると斬新。
そういうと先日借りてきた『蝉しぐれ』はこのドラマとは反対にバックがことごとくぼかしており、人物をはっきりさせていた。
色々な技術や方法があるんだなぁ・・・
子どもが、始まるなりすぐに
「何故遠近感が感じられないの?」
とたわいない質問。
「それはねぇ、コウシロウさんを引き立てるためにカブキの舞台のように空間を作り上げてるんだよぉ~~。」
と赤ずきんの狼のように答える私。
「それである意味平面的に感じるのか・・・」
と妙に納得する子ども・・・
CMが入り、折りたたんで
「本当だね!おかあさん・・・」
『講釈はいいから、静かに見てなさい。』
と内心こどもをしかる。
驚いたのは松岡昌宏さんの織田信長。
松岡昌宏さんってバラエティくらいしか知らなかったのですが、この人の表情は結構面白い。何しろ迫力は充分。
細かく迫力をつけて演じる彼の顔は二十年前の緒方拳に似ていないでもない。
彼の今回の演技も結構好きで今までのイメージをくつがえしてしまいました。
後はいい演出家に今後もであって、顔から下の固さが少し和らぎでいくと、結構好きかも・・・…と、ひとりほくそ笑んでおりました。
ちなみに以前ショウチク座で観た『信長』役のエビゾウさんと比較しながら見るのも楽しいものでした。
役者や脚本が変わるとイメージが全く違った信長になるのが素晴らしいですね・・・
目を惹いたのはラストシーン。
いわゆる信長の棺。
暗闇から昔の丸い信長の棺が現れる。
ライトがあっという間に
ぱっ!
とあてられ、まぶしい。
一瞬にして
ぱらん!
と棺おけが四方八方に飛び散る。
中には大田牛一が信長の一生を綴った信長の書物。
この積み上げられた書物がハイライトで照らされ、まるでみえを切っているように感じる。
この手法はカブキの『カミユイシンザ』や『ナツマツリナニワカガミ』のラストに取り入れられている手法。
上に作品は棺おけこそ飛び散りはしませんが、役者さんたちがそれぞて決めの形でぱっとライトがつく時のタイミングが類似していた。
題の付け方も結末も上手い!
さすがにコウシロウさん主演ドラマだけはあるナァって言うのが私の素直な感想でした・・・