乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

椿山課長の7日間

2006年11月23日 | 映画

 

       椿山課長の7日間

 

 満足度  ★★☆☆☆

 感動度 ★★★☆☆

 話の展開 ★★★☆☆

 

 2006年  日本

 

 原作 浅田次郎「椿山課長の7日間」


 監督 河野圭太


 キャスト 

 西田敏行

 

 伊東美咲

  西田敏行さんの仕草を真似られていたので、いつもの美しさが少しマイナス

  西田敏行さんの口調を女の姿を借りてといった設定であったため、いつものよさが出ていなかった。

   服と髪型と彼女の顔立ちは好きだな!

 

 成宮寛貴 

  結構演技的にもよく、彼の存在はぴりりと光輝いていた。

 

 余 

  ゆとりのある品のある演技に満足。彼女無しではこの映画はありえない。

 

 藤村俊二

  喫茶店のマスター役で出番は少ない。しかし伊藤美咲が「ウインナーコーヒー」といった時点で椿山課長の存在に少し気づいたその余韻のもっていき方が上手かった。

 

 小金字

   淡々とした心優しい役柄が今回彼の演じ方にぴったりしていた。

 

 志田未来(子役)

  かわいくて上手い子だな。

 

 和久井映見

                               他

 

 

 招待券を二枚頂いていたので一枚追加して家族三人で『椿山課長の7日間』をみた。

 梅田ピカデリーにて五時五十分、予定通りに予告。

 予告終了予定は6時分である。

 ところが…

 予告の途中から音声が出ない。

 たまたま『武士の一分』の予告からの為、劇場内のみんなは、主人公が目が不自由なことを強調の為の演出だとばかり思っていた。

 予告を追えいざ本編に入っても音声はない。

 会場はあちらこちらからざわめき、ついには席の通路側の親切な方が係員に知らせに行ってくださった。

 

 

「皆様には大変ご迷惑を…」とどこかで聞きなれたような乾いた説明。

 数分ほどで映像は再開。

 ところが…

 またもや音声が出ないで映像だけが駆け足で場面を追い払う。

 

 怒り出す人、あきれ返る人、笑い転げる人。

 起こって振り返る人、文句を言う人、トイレに行く人…

 反応はさまざまではあったが、結構始まる前からしらけてしまったのは確かだ。

 人々の反応は時間がたちにつれ、怒りをあらわにする人と笑い転げる人に二分化しつつあった。

 

 四度目の正直で音声は正常にスピーカーを通ってくれた。

 気を取り直すために映像が始まるや否や、拍手が巻き起こる。

 拍手は会場に連鎖した。

 

 映画そのものは予想通りにまるで『釣り場か日誌』のようなのりで楽しく笑いを加えながら進む。

 ただ脚本に少し無理があったせいか、伊藤美咲の美しさはかき消されていた。

 また説明部分がくどく感じるのは監督或いは演出家のせいなのだろうか。

 原作は浅田次郎。

 私はこの大衆小説家の作品を読んだことがない。正確に言うと読みかけたり手にしたことは何度かある。しかし実際には読むことができないといった分類に属する作家の一人だと気づくまでに時間はかからなかった。

 ただこの『椿山課長の7日間』においては映画化するよりも原作の方が一般的には楽しめるのではないだろうかと思う箇所が何度も出てくる。

 先ほども書きかけたが、胃が突起を荒立てるくらいにくどい箇所が多い。

 その際たるものがラストのこれからあの世に戻ろうとするシーン。

 現世を去ろうとする女の形を借りた椿山課長。心でつながっていたデパート野婦人服売り場の椿山を思い慕う女との別れの場面では、二人の合言葉の愛してるといった言葉を置き換えたゼスチャーだけでよかったのだが、伊藤美咲の顔を西田敏行に置き換えることによって、会場全体に笑いが巻き起こる。

 まるでカブキのしっとりとした山場の広がりのある場面で、突然カブキ役者が下駄を踏み外して蹴散らかし、花道付近の客の頭にこつんをあたり、大爆笑が起こったぐらいにバツが悪い。

 芝居や映画が台無しである。

 あそこまで説明しなくても、『鼻の仕草』だけで充分であった。

 ラストだけではなく一事が万事 くどい説明の連続で、どこまで観客を小ばかにするのかなと興味を持ってみていた。

 

 ハンカチを取り出して周りに聞こえるほどにおいおいと大無きして涙を拭う方たちもいらっしゃれば、同じラストの場面で声をたてて大笑いする方もいらっしゃる。これぞこの作品の真の狙いだと痛感する。多様性のとんだ万人に楽しめる作品作りに終始一貫されている監督或いは作品にたずさわる人々に拍手を送りたいと思います。

 


                  独断と偏見による私的感想をお許しください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

露天神社 (お初天神)

2006年11月23日 | 舞台・音楽 雑感メモ

 

 ヨシダタマオさんとヨシダミノスケさんの記帳の近くには各界の有名人や俳優さんたちの名前が並んでおりましたが、中でも目を引いたのがサカタトウジュウロウさん(当初ナカムラガンジロウさん)の記帳。平成六年の節分祭にみえたようです。

 最近よくトクベイ役をトウジュウロウさんとともになさってるご子息のカンジャクさん(当時ナカムラトモタロウ)の名前も横にありました。ちなみに現在のセンジャクさんの名前もありました。また先代の故ガンジロウさんの名前も張り出しの中にはにはありませんでした。

『ソネザキシンジュウ』はカブキでも演じられていますが小芝居でもよく演じられる演目の一つです。題名は『ソネザキシンジュウ』であったり独自の題名をつけてオリジナル作品として演じているゲキダンさえあります。

『ソネザキシンジュウ』に限らずシンジュウ物はいつの時代も人気が高く、『フウインキリ』なども独自の題(例えば 『ソレハコイ』 等)と勝手につけ変えて劇団のオリジナル作品として演じている小芝居劇団もあります。しかし内容は『フウインキリ』に他ならず、面白ければいいか…と少々苦笑いするといった具合です。

 『ソネザキシンジュウ』や心中物の人気を考えると、お初天神は芝居にたずさわる方たちは一度は参拝に見てる方々も多いのかもしれませんね。

               

                          2006’11’22

 

  お初天神の記録です ↓ http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/8233036f61e0f7e0dfc557bba4871358

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

露天神社 (お初天神)

2006年11月23日 | 舞台・音楽 雑感メモ

 

 近松門左衛門が人形浄瑠璃のために書いた心中ものの『ソネザキシンジュウ』というだけあって、ブンラク関係者のご参拝も多いのでしょう。先日お亡くなりになったヨシダタマオさんの直筆記帳も張り出してありました。

 ヨシダタマオさんの横にはブンラクで有名なヨシダミノスケさんの記帳もあり、さすがにお初天神だなぁと実感いたしました。

 

                      2006’11’22

 

  お初天神の記録です  ↓

http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/8233036f61e0f7e0dfc557bba4871358

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

露天神社(お初天神)

2006年11月23日 | 舞台・音楽 雑感メモ

 

        露天神社 つゆてんじんじゃ (お初天神)

 

 曽根崎心中でおなじみの『お初天神』に行ってきました。

 ここは梅田から徒歩十分。

 神社のすぐ横にはビルがそびえ建ち、近くにはゲームセンターや飲食店などの活気のある商店街。

 このお初天神だけが静かに奥ゆかしくひっそりと息を潜めた感があり、ちょうど昼頃という事もあって、近くの人々や会社員がベンチでくつろいでおられます。

 ビルと商店街を結ぶこのお初天神は通り抜け可能のため、会社員の方たちが昼を急ぐ姿も多く見かけました。

 

 

 それほど大きくはないこの神社は昔は森の中にあったらしい、と家族が教えてくれました。

 お初が勤めていた新町?はここからそれほど遠く無く、1キロ以内のところで心中すた二人の思いはまた『ウメガワチュウベイ』の二人とは違ったものだと察します……

 とはいえ『ソネザキシンジュウ』の場合はチカマツモンザエモンの創作ですね……

 ブンラクに限らずカブキでも度々演じられるこの『ソネザキシンジュウ』も演じられた当初、爆発的な人気の演目となったそうです。

 ヨーロッパでは考えられないようなこの演目の筋書は当時は最たる悲劇のメロドラマとして、人々の心をとらえたのでしょう……

 

 

 チカマツモンザエモンの作品は芝居或いは原作で読んでもワクワクし、今でも通用する奇抜な展開性が高く、とても楽しめます。 

 昨今のドラマを見ていてもチカマツを参考にしているものも多く、なんだかこそばがゆくなってしまうことも度々です。

 

 

 『ソネザキシンジュウ』の好きな場面はわたしの場合はお初のつとめる遊郭でのこと。お初がキセルで

 

       コンッ!

 

 とたたく瞬間。縁側の下にはトクベイ。

 

 思わずお初を演じている役者さんの屋号を心の中でかけてしまいます。いわゆる大向こうというものです。

 ここをみたいがためにこの芝居も回を重ねてみてしまうってふしがあります。

 

 

 このお初も現在ではサカタトウジュウロウさんもなんども演じられています。

 この神社の中で私はサカタトウジュウロウさんの名前を二つ見つけました。一つはお初とトクベイの姿を刻まれた写真の石の近くの水しゃく道具一式の寄贈者としての名前。また後一つは平成六年の参拝者として直筆で署名されていたものが境内にはってありました。いずれも名前は『ナカムラガンジロウ』時代のものです。

 

 私たちにとってはなんだか想像の域が広く、楽しめる空間でした。

 

                          2006’11’22

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする