日常

アトランティス大陸

2013-05-07 18:38:31 | 時事
学校の歴史で習う古代文明のはるか昔に超古代文明が存在していて、今よりずっと科学やテクノロジーが発達していた時代があった、と考えるのには夢がある。



手塚治虫の漫画「海のトリトン」にもアトランティス大陸は出てくる。

アトランティス大陸は、哲学者プラトンが著書『ティマイオス』、『クリティアス』で記述した伝説上の大陸と王国のこと。強大な軍事力で世界の覇権を握ろうとしたが、ゼウスの怒りに触れて海中に沈められたとされている。
1882年、アメリカの政治家イグネイシャス・ロヨーラ・ドネリーが『アトランティス―大洪水前の世界』(Atlantis, the Antediluvian World)を発表したことで、謎の大陸伝説として一大ブームとなった。オカルトとも結びついて多くの派生研究を生んだ。

プラトンの『ティマイオス』と『クリティアス』では、4人の対談形式:「哲学者ソクラテス」「ロクリスの政治家・哲学者ティマイオス」「プラトンの曾祖父であるクリティアス 」「シュラクサイの政治家・軍人ヘルモクラテス」になっている。

『ティマイオス』では、冒頭でソクラテスが語った理想国家論が要約される。それはプラトンの『国家』と対応している。その理想国家はかつてアテナイに存在し、その敵対国家としてアトランティスの伝説が語られる。
『クリティアス』では、『ティマイオス』の対談の続編。ティマイオスにおける宇宙論に引き続き、今度はクリティアスがアテナイとアトランティスの物語を披露することになる。





ちなみに、アトランティス大陸も出てくる手塚治虫「海のトリトン」は単純な勧善懲悪のストーリーではない。当時はそこに驚いた。


トリトンは善で正義。ポセイドンは悪。
という単純な善悪二元論でアニメを見ていたけれど、最終的な結末は子供心に衝撃的だった。

「善」と「正義」を信じて行動してきた主人公のトリトンは、ポセイドンの人々からすれば「悪」にすぎないという終わりだった。視点が反転して、放り出されて終わる。
ある種の衝撃を受けながら余韻を感じ、善悪とは何なのかを、子供心に考えた。
善と悪という夢に巻き込まれ時点ですでに、善は悪で、悪は善に過ぎないのだろう。

手塚治虫は本当に偉大な漫画家だ。自分がもっとも尊敬している人だ。
単純な答えは絶対に用意しない。常に「問い」を子供に叩き付けて、考え続けることを促す。大人だろうと子供だろうと手加減しない。そういうところが大好きだった。

神秘思想家であるグルジェフ(1877~1949)(Gurdjieff Georgei Ivanovitch)は、非常に示唆的なことを言っている。


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グルジェフ
「いかなる意味でも、黒魔術は悪の魔術ではない。
 これまで、誰一人として、悪に用いた者はいない。
 誰もが、自分なりに理解している、善に用いている。

黒魔術が利己であると、断じるのは正しくない。
完全に利他的であることも有り得るのである。
人間の善の追求、悪からの救済を願うことさえある。」
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漫画でもSFでもイマジネーションの世界でも、物語の中で最終的に古代文明が滅亡する理由は戦争だ。
洪水や火事のような自然現象の方が、むしろ受け入れられるけれど、実際には人類同士の戦争が自滅させるのだろう。
それは現代の世界情勢を見ていてもなんとなくわかる気もする。

現代でも、核戦争が起きてしまい陸上の生物がすべて死滅したら、現代文明の跡地は「よくわからん文明の痕跡」があったと数万年後に言われるのだろう。数万年後には、その数万年前を信じる人もいれば信じない人もいると思う。
そういうインスピレーションから、映画「猿の惑星」はできているし、手塚治虫の「火の鳥 未来編」も構想されている。
そのことは現代人への警告でもある。単なるSFや漫画と軽視してはいけない。強い警告や人類愛のようなものさえ感じる。



あれとこれは「違う」と、「違う」ところを探して戦争になる。
あれもこれも「同じ」と、「同じ」共通点を探し続ければ平和に向かう。その道こそが、人類が歩むべき方向だろう。
分離ではなく統合へ。
このことは、ありとあらゆるジャンルで言える。各々が、各々の問題として捉えないといけない。自分にとっても重要な事だ。



過去にアトランティスがあったのではないか?という話は、単なるSF、オカルト、漫画、古代文明・・・が好きな人の話と聞き流すのではなく、現代人が世界の現状を反省する材料として考察すべき対象だ。本質はそこにある。

ちなみに、ここ数年の自分の神社でのお祈り内容は「世界が平和でありますように。」「生かしていただきありがとうございます。」の二つにしている。個人的なことをお祈りすることは、エゴを肥大化させることにつながるような気がしている。個人的なことではなくて、非個人的なことを。 神聖な場所ではエゴを超えた祈りを、シンプルに単純に素直にしている。
宗教的な場所くらい、そういう宗教的な祈りをしていいんじゃないかと、思う。それは恥ずかしいことではない。




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NHKニュース 「アトランティス」と関連は? 海底に大陸痕跡  5月7日 17時30分


ブラジルの沖合にある大西洋の海底に、かつて大陸のような大きな陸地があった痕跡が見つかったと、現地調査を行った海洋研究開発機構が発表しました。
太古の昔、海に沈んだとされる伝説の大陸「アトランティス」との関連が注目されています。


海洋研究開発機構は先月、ブラジルの研究機関などと共同で、潜水調査船「しんかい6500」を使い、リオデジャネイロから南東におよそ1500キロ沖合の海底にある台地を調べました。
その結果、深さ900メートル余りの海底で岩の崖を発見し、映像を分析したところ、岩は、陸上でしかできない花こう岩だったことが分かったということです。

また、この崖の周辺からは、海の中ではできない石英と呼ばれる鉱物で出来た砂も大量に見つかったということです。
海底の台地の幅は、広いところではおよそ1000キロあるため、海洋研究開発機構は、「大陸のような大きな陸地があった痕跡とみられる」としています。
調査が行われた大西洋には、古代ギリシャの哲学者プラトンが、およそ1万2000年前に海に沈んだと著書に記した伝説の大陸「アトランティス」があったという説があります。
今回見つかった花こう岩は5000万年ほど前に海に沈んだとみられ、年代的に、ずれはありますが、何らかの関連があるのではないかと注目されています。

現地調査のリーダーで、海洋研究開発機構の北里洋さんは
「実際に潜水調査船に乗って、海底で花こう岩を確認できたときはとても驚き、感激した。伝説のアトランティスとは出来た年代が異なるようだが、大西洋に『大陸のかけら』を見つけた、意義のある発見だと思う」
と話しています。
現場の海底では今後、ブラジルの研究機関が、実際に花こう岩を採取して、詳細な分析を行うことを検討しているということです。



「アトランティス」とは

アトランティスは、古代ギリシャの哲学者、プラトンの著書にも登場する伝説の大陸で、高度な技術と文明を持った人たちが住んでいたとされています。
そうしたアトランティス大陸を巡る伝説は、古くから多くの作家の創作意欲を刺激し、19世紀から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの小説家、ジュール・ヴェルヌのSF小説「海底二万里」をはじめ、SFや冒険小説などでたびたび登場するほか、日本でも小説や漫画、アニメ、テレビゲームなどに影響を与えています。
昭和47年にテレビで放送された手塚治虫さん原作のアニメ「海のトリトン」では、アトランティス大陸が物語の重要な舞台になっているほか、人気アニメシリーズ「ドラえもん」の映画にも、幻の大陸として語られる「ムー大陸」と一緒に登場します。
アトランティスに存在したとされた超古代文明は、しばしば物語の設定に使われ、平成2年から3年にかけてNHKで放送されたヴェルヌの「海底二万里」を基にしたアニメ「ふしぎの海のナディア」でも、アトランティスに伝わるテクノロジーを使って世界を支配しようとする組織が描かれました。