日常

2016年 謹賀新年

2016-01-03 02:25:55 | 時事
明けましておめでとうございます。

お正月の元旦から働く人々に、思わず深く頭を下げて感謝しました。ありがとうございます。
自分は2日から仕事初めです。


熊本から東京行きの飛行機で、美しい富士山を見ました。
天と地をしっかりとつなぐように。
天から水滴が落ちているように。
自然の造形は、常に美しいものです。


熊本の水前寺公園、出水神社に初もうでしました。
若く美しい二人の女性が幽玄の舞いを舞っていました。
そこに人間や自然の序列や区別はなく、美がその美しい風景へと溶け込んでいました。












舞いの舞台の横には、細川幽斎公が古今伝授を受けた空間があり、そこでお茶を頂きました。
肥後の細川公は文武両道でした。
高い美意識のおかげで、熊本は芸術を愛する風流な土地でもあります。










古今伝授とは、古今和歌集の神髄を伝える秘儀のことです。

秘儀は、頭を介した情報としてではなく、体や空間を伴う体験として行われるのです。
そうした秘儀により、色々なものは伝えられています。

渡す人、受け取る人、場。
そのトライアッド(triad)がありさえすれば、伝わります。
いのち自体が続いているのも、宇宙の秘儀です。



細川幽斎公が命をかけて古今伝授のつなぎ手となったおかげで、今でも天皇家の中で古今の神髄は受け継がれていると書かれていました。
残っている全てのものは、過去が未来へと受け渡し続けた結果です。心して受け取ります。

そうした和歌の流れは、新年の初めの歌会始としても現象化しています。
日本は和歌の国。言霊により新しい年が開ける国なのです。
言葉は魂を持ち、生きている。



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古へも 今もかはらぬ 世の中に
 心のたねを のこす言の葉
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人類が秘儀としての言葉を生みだした意味。
その意味を思い出すために色々な場があるのに気付きます。古今伝授の間として、歌会始として。様々な現象がメタファーとして。
人間にいのちがあるのと同様、言葉にもいのちがある。
そう思うだけで、物事への接し方はまるで変わります。
いのちがあると思えるかどうかは、自分次第です。


自分のおみくじにも、そういうことが示唆されていて、今年を予感させるのに十分でした。
発する言葉に注意して。挑発に乗って余計な言葉は発さないように。自分が発する言葉には責任を持ちながら。
おみくじの言葉は、神社境内で思わずメモしました。

今年もよろしくお願いします。


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<おみくじの言葉>
なさけこもった其(その)一言に死んだ心も生き返る
優しい一言がどれ程先方の胸に暖かい光を与え、力を添えるか。
言葉には魂があり、力がある。

常に神様と御一体になって、暖かい心を養い、よい言葉、優しい言葉で人を慰め、人をいたわり、明るい世の中を作りましょう。
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