うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

猛禽

2006年11月04日 | ことばを巡る色色
車を駆って街を抜ける。家が疎らになり、田畑が続く。信号で止められることもなくなり、人の跡から離れていく。見えるのは鎮守の森か。もっともっと遠くへ奥へ走る。道はどこかの街に繋がっているのだから、何が奥であるのかわからないのだけれど、私は、離れて走る走る。
もうここまでは人の匂いは追いかけてこない。そんなことが解るのは、高く低く猛禽の飛ぶ姿を見るときだ。
猛禽の姿は、遠くとも一目でわかる。一人で飛んでいる。あるときは鋭いまなざしで獲物を探す。だのに、腹がくちているときの猛禽はどこか所在無く頼りなげだ。
ああ、また会えたね。私はきっと君に会いに街を離れたのだよ。君に会えるところまで、街から逃げてきたのだよ。君の住むここは、もう人の侵してはならない場所だ。君は原始の摂理の結界をなぞって巡る。
そうして、寂しい。つがいと、そうして子とで巡って守る。私は君に会うと泣いてしまうよ。
群れたくないのか、群れられぬのか。「孤高」という言葉さえ賛辞にならぬ。風を斬り抜く広き翼よ。曲がった嘴よ。群れぬ禽よ。

Special Thanks はんたろうさん

覚書
ダイトウノスリ/カンムリワシ(IA類) 
オジロワシ/オガサワラノスリ/クマタカ/イヌワシ/シマハヤブサ(IB類)
オオワシ/オオタカ/チュウヒ/リュウキュウツミ/ハヤブサ(Ⅱ類)
ミサゴ/ハチクマ/ハイタカ/ケアシノスリ/オオノスリ/ノスリ(準)
コメント (4)
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