猫柳。

寒い寒い冬にも子猫が生まれます。
寒い寒い雪国にも子猫が生まれます。


炬燵で丸くなる幸せを噛みしめることのできる子。
冷たい風に鳴き声すらちぎられる子。
懸命にお母さんのぬくもりにすりよろうとして。
きょうだいたちに押しのけられてしまう子もいるのでしょう。
ミルク争奪戦に負けてしまい、お腹の空いたままの子もいるのでしょう。


梅の花が咲く時期が近づいてまいります。
それに先駆けるように、梅花模様を土の上に初めて肉球プリントする子猫たち。
……それすらかなわなかった子たちも、実はこっそりと春を待って隠れんぼしているのです。


まだまだ遊び足りない子猫たちには、虹の橋も空飛ぶ船もお呼びじゃないのかもしれません。
風に揺れる木の枝にじゃれついているうちに、どうやら眠ってしまった様子。


春が来るまでおやすみなさい。
猫柳の花が開くまで……。






……なんて妄言を。ふとつぶやいてみたくなった初猫柳。