ネタバレ特になし。
外出中どうにも手持ち無沙汰になったので、予定を外して購読してしまいましたとさ。
「新耳袋」のシリーズは初めて読みました。全部聞き取りからってことで、変に「作った感」がなく、完成度の低さが妙に怖かったり、オチがつかないままで放り出されるのが「奇妙な味」になっていたりと、独特の雰囲気があるシリーズですね。結構好きです、こういうの。
そういう意味で良かったのは「エレベーター」「泳ぐ . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
《そして僕はその昔、セックスが山火事みたいに無料だったころのことを思い出した。本当にそれは、山火事みたいに無料だったのだ。》(「雨やどり」、142p)
短編集。一応、連作なのかも。
村上春樹を読んでの感想は、大体いつも同じこと。イメージが豊かで清冽。文章は心地よさの極み。いつもwell-madeです。彼の小説は。
今作は春樹本人の対象者からの聞き取りという体裁を取っており、 . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
という訳で読みました。
仙台の街で起こるグラフィティアートと放火事件の奇妙な符合を追いながら、本質的には主人公と弟、春を中心に「家族」を描く小説。なかなか感動的ではあります。
リズムのある文章、オフビートな展開、春に象徴されるところのクールでユニークなキャラクタ、会話のユーモア…伊坂小説に期待されるところのほぼすべてが、ややこなれていない印象を伴いながらも楽しむことができます . . . 本文を読む
完結巻。
まあこの結末はこれ以外にあり得なかっただろうな、とは思う。やや予定調和的ではありますが。
相変わらず細かい部分(…ってか、字)はナナメ読みにしてしまいましたが、最後の対決は迫力がありました…メロの使い方も良かったし、魅上も本人はグダグダになりましたがやっとファクタとして活きました。松田の役割はいかにもって感じでしたが。
月の発狂後の作画も冴えに冴えていましたし、ラストシーンもなかなかの良 . . . 本文を読む
いつ出た音源だって話ですが。
前作からそうだったけど、やはりこれだけ小林武史のサウンドと相性良かったかっつーのは驚くべき。ELLでライヴ観てた頃からは想像もできませんな。①の果てしない高揚感とか、小林の本領たるストリングスアレンジにより得られた表現であることは疑えないでしょう。
あとやはり、「粉雪」は至高ですね。まったく無駄のないほぼ完璧なバラードですが、「ララライ」にこれだけのカタルシスが乗る . . . 本文を読む
チャットモンチーの1stフル。
いやこれね、傑作ですよ。ここまで恋愛を前面に押し出した詞はあまり好みじゃないハズなんだけど、メロディセンスとシンプル&タイトな演奏・アレンジ、少女性を残しながらも表情豊かなヴォーカル(⑫での歌唱が特に素晴らしい)と、そのロックとしてのクオリティの高さにやられてしまいます。ex.SUPERCARのいしわたり淳治プロデュースってことで、もっとキラキラしてライトなものを . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
ラストの余韻は圧倒的である。あまりにも苦く、哀切なこの物語の終焉をどういう言葉で評価すべきか、とても難しい。単にキャラクタへの愛着だけがもたらすものではない感情への侵食作用は、この小説の「小説」としての高い達成を示すものであると思う。…そんな風にしか評価できない。俺は。
ストーリーとしては、主人公とその友人たちが、ユーゴスラヴィア人の少女マーヤとの出会いと交流を通して、日本文化に . . . 本文を読む
いやしかし、すべらんなー。
メンツそれぞれ、ネタもそのもっていきかたもさすが。バッドボーイズ佐田あたりもこなせてる(出番が少ないのはそれなりにカットされてるからだろうけど)。
顔芸から動き、キャラ作成(ジュリーとか)まで幅広い宮川大輔の活躍が印象的。初めてこの元天然素材を面白いと思った。特に自分自身矯正治療をしていたこともあって、姉のアゴ矯正の話に腹よじれるほど笑った(帽子かぶってたよ帽子!)。あ . . . 本文を読む
『ザンサイアン』が出てからさえ時間が経ってしまいましたが、レヴューは順番に参りましょう。
復活以降二枚目のシングル。非常に壮大で、感動的なスローナンバーです。サビ前の高揚感が個人的にはとてもツボです。コーラスも良いよね。
しかし前作の「流星群」もそうだったけど、アルバムに入らないカップリングが名曲過ぎ。今回の「手の鳴る方へ」も、勇壮なギターのフレーズと、サビの優しい美メロが溶け合った名曲です。根岸 . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
んー。前作に対する不満がそのまま当てはまってしまうような。無味乾燥な文章(硬質、というのとは違う)、平板であざといキャラクタ造型(アキ、柿沢、あるいは久間は「ホラホラ、かっこいいだろ?」つって差し出されてる感じがして嫌悪感すら感じた。カオルとの関係はベッタリ書きすぎで、そっち方面の需要を狙ってるようにしか思えなかった)、ストリートギャングって題材も、IWGPのが遥かに活写でき . . . 本文を読む
2006.7.1@名古屋クラブダイアモンドホール
半年振り、ダイアモンドホールでフジファブリック。
レコ発でもなんでもないタイミングでのツアーはkeyの金澤氏が入院するからその前にって話だそうな。顎関節症の手術は輪郭がやや変わるそうで、そうなると彼に激似の旧友の面影を見ることができなくなるのではないかとやや残念。まあ、お大事に。
で、ライヴなんですが。フジファブのライヴバンドとしての能力は既知の . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
まずはデビュー作から読みました。
マーケティングはしっかりした小説だと思います。さすがはリクルート出身者、といったところでしょうか。親子関係の描き方、「男のロマン」を体現するプロット、クルマ・バイクのディテール描写、ベトナムの観光案内要素、クールな主人公とそのロマンス…と、計算された、「売れたい」という欲望を感じさせる小説。
…俺は正直あざといと思いました。事件が結局イモヅル . . . 本文を読む