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ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

小峰元『アルキメデスは手を汚さない』講談社文庫

2006年10月28日 | reading
ネタバレ注意。

70sの乱歩賞で、青春ミステリの嚆矢がなんだかオサレな表紙で復刊。まったく意味不明なタイミングだけど、ブクオフで昔の白背の講談社文庫買おうかずっと迷ってたので、嬉しい復刊ではありました。でも和田誠のイラストのイメージ強かったから、違和感はバリバリですな。
で、作品じたいは、うーん、古いなあ、という感じ。視点人物のおっさんっぷりが青春ミステリとしての風合いを殺しているし、そもそも登場人物のトガった造型が感情移入を著しく拒む。それはピカレスクを志向しているためでもあろうが、そのように読もうとするにはあまりにも稚い。密室、時刻表と盛りだくさんだがそれぞれ緻密さには欠け、解決も行き当たりばったり。要するに中途半端なのよね。ラストも綺麗にまとめすぎだわ。
しかし『密閉教室』あたりへの影響は感じられ、青春ミステリの嚆矢としての存在感はある程度認められるかな、とは思います。

作品の評価はC。

アルキメデスは手を汚さないアルキメデスは手を汚さない
小峰 元

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2 コメント

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古きよき時代 (まみ)
2008-05-20 00:00:40
アルキメデスに関して、なかなか辛いコメントも読みましたが、約35年前に始めてこの本を読んだときは、表現方法も人物描写もとっても新しかったのですよ。当時、作者が大正生まれと知り、逆にやるなぁーと感じたくらいです。ちなみに『密閉教室』の作者は小学校から高校までおんなじ学校でした。最近の新しい作風も、いつか古きよき時代と呼ばれる日が来るのでしょうね。

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コメントありがとうございます。 (urt)
2008-06-19 07:43:09
放置中の旧ブログのため、返信が遅れました。ごめんなさい。
大正生まれか…自分の祖父(故人)が大正末でした。そう考えると確かに「やるなあ」という評価はアリですね。最近橋本治の旧作を読んだりもしたのですが、時代にインパクトのある作風ほど古びるのも早いとはいえ、そうしたものがこういう復刊で残っていくというのは意義深いことだと思います。
…ってまあこんなコメントも、『密閉教室』をはじめとする同級生の方の作品に人格形成された若僧(…って年でもないことを自覚しなければなりませんが)の戯言ですがw
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