画太郎先生の作品を映画化しようという、あまりにも野心的な試み。
その心意気やよし。
だが胸に秘めたままにしておいた方が良い野心というものもあるのね、と思った。
根岸季衣、津田寛治、遠藤憲一といった実力派の仕事を選ばない役者魂(とは言えこの人たちはあまり仕事を選ばない傾向にあると思うが)が見所です。
『地獄甲子園』を観るべきか悩んでいます。
ババアゾーン(他)漫☆画太郎 山口雄大 根岸希衣 . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
今回は「ひとりの人間が何回も殺されていく」という奇想を中心とした作品。
ただ、「手記」なんだよなあ。それが謎からコワク的な魅力を奪っていると思う。まあテキストとしてしか成立しない奇想なんだけど。『私という名の変奏曲』は複数人が一人の被害者を「自分が殺した」と思っている、という奇想だったけど、テキストを離れて成立している分そっちのが評価できるよなあ、と。真相が明らかになっても大した . . . 本文を読む
気になっていた映画。
簡単にストーリー紹介。舞台は山裾(?)の田舎町。ここに住む少年たちは皆、同じ髪型をしている。端的に言えば坊ちゃん刈り、あるいはマッシュルームカットのような、作中の台詞によれば「子供らしい」髪型。これを一手に引き受けるのが町唯一の床屋「バーバー吉野」の「おばさん」(もたいまさこ)。ある日東京から「カッコイイ」転入生がやってくる。ゆるいパーマと茶髪。少年たちは彼に影響を受け、珍 . . . 本文を読む
今更更新。でサッカーネタ連打。
ペルー戦よりは全然良かったのでは、と。中盤ボールも回ってたし。小野がいるとやっぱ違うなあ、と。大黒も悪くなかった。
まあ後は、良かった頃の坪井がまだ戻って来ていないということなので、中澤さんなんとか間に合わせてください。お願いします。
ついでに。ワールドユースが実に楽しみです。前線タレントの豊富さでは史上屈指ではないか。中盤の構成がまだ定まらないようですが…どう . . . 本文を読む
今更ですが…。
初見です。
「セカイ系」てなやつですかね。まあロマンティックなラブストーリー。それ以上のものではないとも思ったが。
やわらかな色彩と自然の描写は美しく、引き込まれるものがある。ただ人物描写はあまり好きになれんかったな。パッケージ化に際してどれだけ加工されてるのか知りませんが、このレベルのものを独力で作るってのがどれだけのことなのか、想像もできません。
コピーはすごく良かった。
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暇なのでDVD借りてきた。
入学当初はミス研の見つからなさのあまり映研に入ろうとしてたぐらいなので、映画はそれなりに好きだけど、素人です。なのでまったく実のある感想はかけませんが。
ということで素人ぶりを暴露する、初見の名作。ずっと観たいとは思ってたんだけど…。
序盤は予想外に軽いノリ。コルレオーネは気苦労が多そうで、『ゴッドファーザーはつらいよ』ってな別物借りてきたかと思った。でもマーロン・ブ . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
お前はまだ読んでなかったんかい!というツッコミが聞こえてきそうですが、初読です。北村薫の「私」シリーズの第一長編。北村作品初の「人が死ぬ」小説としても有名ですな。
で、「人が死ぬ」わけですが、その真相はとても残酷で胸が痛い。それが「悪意」とは無縁のものであるだけになおさら。でもこの小説は、その「残酷さ」に打ちのめされた者たち、つまり「犯人」でありあるいは「のこされた者たち」がそこ . . . 本文を読む
告白します。
ハーフタイムからうつらうつらとし始め、後半は目の焦点が合わないような状態で観ていたことを。
前半観る限りじゃもう勝負は決まったと思ってたし…リバプールは明らかにバランスが悪く、クロス上がってもバロシュはガッツリ挟まれてて…みたいなパターンが多く、得点の匂いはまったくしなかった。ミランはツートップが実に効果的にウラをとってて、中盤スペース開いたらすかさずカカが突っ込んできて(クレスポの . . . 本文を読む
まあガッチガチの試合になるであろうことは目に見えているわけですが。
地上波しか映らない我が家、サッカーの放送は貴重なのでね…。ましてCL決勝ともなれば。しかし最近じゃもっぱらJ2が興味の中心で代表すらなかばどうでもいい。ましてヨーロッパサッカーともなれば。
というわけでミランは別に好きじゃないけど、トマソンには活躍して欲しいです。出番あるのか?リバプールはサカつくでなかなか留学先に追加できないので . . . 本文を読む
前作『K. AND HIS BIKE』を人に勧める時に、貧しいことを自覚しながらも、分かりやすい言葉として僕は「オシャレ」という単語を使っていた。ジャジーだったりボッサぽかったりする独特のサウンドは結構な衝撃だったし、まあどう表現していいか分からなかったというのもあるんだろう。
で、結構待望していたニューアルバムには、前作ほど「オシャレ」な印象は受けなかった。民族音楽的なフレーズだったりファンク . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
森作品は本当にコミカライズに恵まれるなあ…。
少なくともスズキユカ、皇なつきに関しては僕の周りでは絶賛の声しか聞いたことがない(肝心のS&Mについては賛否両論あるわけですが)。
漫画家の力量なのか、作家の(漫画家的な)資質なのか。
で、今作も素晴らしいです。あるいは原典を凌駕するまでに…。
内容をすっかり忘れていたのだが、いささか冗長の感のある原典をシンプル、スピーディーにまと . . . 本文を読む
意外と早かったなあ、という印象がある。
「サングローズ」は最高のアルバムだったし、彼女の表現に対する欲求は、音楽を離れた活動からもずっと伝わってきていたので。「待っている」という感覚は意外と薄かったのかもしれない。
でもやはり、嬉しくて少し涙ぐんだ。
なによりこの曲で彼女が帰ってきてくれたことが嬉しい。珠玉のポップ・ソング。
「ハロー、ハロー」というサビのメロディはどこまでも伸びやかで、だが一抹 . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
「青銅色の鐘楼を屋根にいただく精神病院に続発する奇怪な毒殺事件」…。
梗概はずばりとストライクゾーンだったが。まあ別に『ドグラ・マグラ』を期待していたわけでもなかったが、狂気というよりはスラップスティック。ユーモアセンスはある作家なので楽しくは読めました。
トリックは小粒だけど小粋。特にピタゴラスイッチみたいな投毒のトリック。馬鹿馬鹿しい。バカミスですねえ。「味盲」というファクタ . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
ミステリ読みのブログなのにしょっぱなが江國香織ってのはどうかと思う。
まあそれは置いておいて。
以前短編集を読んだことがあった(『あたたかなお皿』だったかな)。それはすごくいい印象だったので、代表作、期待して読んだ。
笑子というキャラクタが非常に面白い。エキセントリックなパーソナリティで、ついていけない部分も大きいのだが、なぜか感情にシンクロしてしまう。情緒不安定でよく泣くんだけ . . . 本文を読む