渋谷で観てきました。
「カート・コバーンの最後の数日間に着想を得たフィクションである」ということでした。ドキュメンタリィ的なものを期待していた僕は、その情報に気を取り直して楽しもうとしたのですが…。
眠かった。
ストーリーの所在、キャラクタの位置付けが判然とせず。時系列もいじってあって、抽象的かつ断片的。マイケル・ピット(『ヘドウィグ』が最高だったので期待してました)演じる「ブレイク」さんは . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
ダイイング・メッセージ、首なし死体、密室、ロジカルなフーダニットの王道四本立て。どの作品もそれなりにまとまっていて、好印象ではありました。
とは言え…「女彫刻家の首」は卑小に過ぎますし、表題作の論理遊戯とも言うべきロジックの弄び方は、中途半端にリアリスティックな作品世界とうまく馴染んでいないように思われました。あとスノッブに描いてるおっさんたちが全然スノッブじゃないのが笑える。
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ネタバレ一応注意。
新本格15周年を記念してのイベントのレポート。
メインとなる「犯人あて」に関しては…クオリティ低い。密室とか糸でやられても…まあ実地で推理するとしたら楽しいのかもしれませんが。本編より「香りのある風景」の梗概のが魅力的だった。あと「潮忍術大学」には「アレクサンダー流忍術学園」思い出して吹いた。見所はそれぐらいw。
まあ収録されたトークショーは面白いよ。竹本健治と山口雅也がタメ . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
綾辻のミステリーランドは、館シリーズの正当なるNo.8。シリーズのタイトルを順番に読み上げていってここに辿り着くと、なんとも口元が綻ぶものですが。
ミステリとしての仕掛けは割とあっさりしたもので、サイコ・ミステリとして力点が置かれているようにも思えます(その意味でも『人形館』に似た質感を感じたのですが)。鹿谷の絡ませ方も含めて、本格としての出来には不満の残る部分もあります。伏線こ . . . 本文を読む
四本借りて、年代順に見てきてラストです。1986年メキシコ大会。やっと生後の大会になったわ。
1-1でのPK戦でフランスが勝利を収めるこの試合は、満身創痍のブラジル対成熟のフランス、といった様相。前半はつつきあいの展開も、後半から真正面から打ち合うチャンスの多い好ゲームとなります。
ブラジルは前回大会の黄金の四人に怪我が相次ぎ、スタメンをはったのはソクラテスのみ。しかし精彩を欠いていましたね。代 . . . 本文を読む
当ブログをご覧の方には周知のことと思いますが、僕が最も愛するバンドであるイースタンユース、その新譜です。
吉野寿が言うには、このアルバムは一人の男の生活を切り取った、ストーリー・アルバムなのだそうです。確かにそうして聴いてみると、詞の連続性も感じられ、またそれにより、最初に通して聴いてた時の自分の感覚が、うまく説明されたのでした。
バラエティがない。
前作『DON QUIJOTE』の序盤、多種多様 . . . 本文を読む
82年スペイン大会準決勝。
この試合は途中出場ですが、「ミスターヨーロッパ」ルンメニゲや当時新進のウインガーであるリトバルスキー擁する西ドイツと、ルイス・フェルナンデスこそまだいませんが、プラティニ、ジレス、ティガナで「魔方陣」を構成するフランスの対戦。1-1での延長戦突入後、3-1とされながらも追いつき、ワールドカップ初のPK戦で結局勝利を収める西ドイツの「ゲルマン魂」が見所の試合です。
延 . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
いかにもこの作家らしい、重厚で耽美な世界観、文体で綴られるダ・ヴィンチ伝。本格の要素もうまいこと馴染んでるように思われました。これからモナ・リザを見る目も変わりそうです…。
サライの人物像はもっと深みがあってもいいのでは、と思いましたが、ダ・ヴィンチのカリスマ性はよく描けていると思います。あとフィレンツェでガイドの人が言ったラファエロの人物像がそのまんまで面白かった。
あとヴ . . . 本文を読む
この巻は面白いっすね。
鉄球の新たな能力によるスタンド戦、レースのデッド・ヒートの駆け引き、そして謎めいた「男の世界」の描写と、読みどころの多い巻だと思います。
…だがしかし、絵が汚い。#32の中盤あたりから、ギャグでやってんのかと思ってしまいました。
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1982年スペイン大会2次リーグ。
名将テレ・サンターナと、ジーコ、ソクラテス、ファルカン、ヒゲ(顔変わってないのに大爆笑)。「黄金の四人」で中盤を構成するブラジルは、サッカー史上最も美しいとして評価される向きも多い伝説のチームです。そしてこの試合は、その絶対の優勝候補が、突如覚醒した一人の傑出したストライカーによって粉砕される、これも伝説のゲーム。イタリアの⑳、「神の子」パオロ・ロッシがその人で . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
江戸川乱歩に続いては、新訳でホームズ全集を出す。光文社文庫イイヨー。そしてそれに見事にはまる俺。
で、小学生自分に子供向けのリライト版を読んだだけなので、ここで読むのもいいであろうということで、コレクトするだけでなく読了しました(乱歩全集は一冊も読んでない)。
《「哲学、天文学、政治学の知識は、確かゼロだったな。植物学の知識にはばらつきがあり、地質学に関しては、ロンドン周辺五 . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
大団円。
やっぱり遠藤だったね…予測の範囲内ではありましたが、その動機に関してはなかなか面白い。最終巻にして冒険小説的な面白みも出て来たように思います。
まあしかし…やや期待が大き過ぎたようにも。麻耶が解説で述べてるような伏線が回収されなかったのは、連作としての完成度を考えた場合やはり残念でしたね(各巻の謎めいた雰囲気作りにはうまく貢献していただけに)。呈示される状況もケレンたっ . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
②③としっちゃかめっちゃかに混迷した状況が提示されましたが、今回は割とオーソドックスで(とは言え、死体の傍に人形が置かれる連続殺人と連続放火事件の絡みなど、凝ってはいるのですが)、警察小説としての面白みに回帰した感じ。ミステリとしては、死体の装飾と麻薬を絡めたアイデア、被害者のやたらとバラエティに富んだ体内残留物の正体を見抜くくだりが評価の対象でしょうか。謎解きの手つきがややぶっ . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
文庫本全五巻、『人狼城』とどっちが長いですかね…。
しかしことこの作品に関しては、この「長さ」に必然性が感じられます。閉鎖的で保守的、物見高い典型的なムラ社会としての外場、そこに暮らす「個」としての人々の姿、また闖入する「屍鬼」たちの存在が非常に丹念かつ端整に描かれ、作家の筆力が質量伴った重厚さとして、この大作の「長さ」を支えているからです。
五巻目など圧倒的なスピード感で、徹夜 . . . 本文を読む
大塚作品連発。
デッドマンズ・ギャラクシー・デイズときたか…。前も「ミッシェル!!ガン!!エレファント!!」とかあったよな…。
この巻は時系列が遡って、謎解きにかかってる感があります。ここ最近の物語の軸さえ判然としないようなワケの分からない不快感こそありませんが、その分話はだいぶ卑小になってしまっているような…(理不尽かしら)。灰人のエピソードなんて縮小再生産もいいところで、正直どうでもいいぞ。 . . . 本文を読む