自分の死に方
死ぬ場所
選ぶことはできないけど
できることなら
病院の方がいい
心肺停止状態で病院に搬送された
救命措置は2時間まで
これは仕方がない
医師は死亡宣告をしたが、「死亡証明書」を書くことができない
と言い
警察に回された
証明書に変わるもの
警察は、監察医の「検案書」
これがないと、「死亡届」が出せない
火葬許可証がでない
と、言った
検死案件が多く
戻ってきたのは、翌日の2時ころ
弟と葬儀屋さんが、連れ帰ってきた
父の顔は前日とまったく違う、見知らぬ顔になってしまっていた
葬儀屋さんが
「お風呂とか・・・検死があると・・・・」
「警察の霊安室は常温なんです」
知らなかった
「現状(げんじょう)維持が基本なんです」
すぐに、納棺して 葬儀屋さんに連れて行けば良かった
そうした方がいいと、だれも教えてくれなかった
何度も葬儀屋さんに処置してもらったが
元に戻すことはできず、維持することもできなかった
この変化は、徹底的に
家族を諦めさせてくれた
「眠っているような」「すぐ、目を覚ましそう」
息を吹き返すかもしれない
そのような希望など 微塵も与えてくれなかった
父は
末期がんだったが
ピンピン コロリ だった
でも、このご時世
ピンピン コロリ
警察は、許してくれない
よくわかった
医者がそばにいないと
全部、不審死なのか
自分の家に戻って
まだ 匂う
喪服が匂う