夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

おでかけ試聴2011

2011-12-14 21:27:56 | オーディオ
年ぶりに東京へ行ってまいりました。
今回はコンサートを見るのが主な目的でしたが、
HD595に続くヘッドフォンの試聴も目的の1つでした。
候補となるヘッドフォンは目星をつけてあります。
HD595とは方向性の違うモニター系のヘッドフォンということで、
目にとまったのがAKGのK702です。


フラットな傾向の音でくせがないという評判。
某アニメの影響で有名になったK701の方はすでに生産終了。
クインシー・ジョーンズモデルは、さすがに高すぎるということで、
リケーブルの楽しみもあり、価格もぐっとこなれているK702の平行輸入品に狙いをつけました。
試聴してみて装着感がよかったらほぼ決まりかなと思っていましたが、
もう一つ気になるモデルが出てきました。
SHUREのSRH940です。


オープン型しか眼中になかったのですが、密閉型ではあるものの
本格的なモニター系の音らしいということで、こちらも候補に挙げることにしました。
価格は、正規品でも並行輸入品のK702と同程度。K702と同様にリケーブルが可能です。

さて、試聴はというと昨年訪れて気兼ねなく試聴できることが分かったヨドバシAkiba。
1年ぶりぐらいに行ってみると、ヘッドフォン売り場がかなり広がっているような気がします。
昨年試聴をした椅子に座って聴ける試聴ブースのほかに、
立って試聴するコーナーも出来ておりました。
そんな中にSHUREのSRH940を発見。
オーディオテクニカのヘッドフォンアップにつながれているようでしたが、
カバーに隠れていて詳細は分からず。音源も不明でした。
噂通り外観はプラスティッキーで安っぽいです。頭の大きさに合わせて調整をし、
音を出してみるとこれがびっくり。
解像度命!みたいな音が出てきました。情報量も多く、「鮮烈」という言葉がぴったりきます。
SRH940の音を聴いていたら、なんだかベルビア50で撮った写真が思い浮かんできました。
ベルビア50ってリバーサルフィルムです。
改めて富士フィルムのサイトでベルビア50のスペックを見てみましたが、
再現:イメージカラー
彩度:超高彩度
階調:硬調
シャープネス:極めて高い
RMS粒状度(数字が小さいほど高画質):9
とあり、ほんとSRH940の音のイメージとピッタリでした。
この傾向の音が好きな方にはたまらないと思います。
この実売価格でこの音が手に入るのですから、かなりリーズナブルかと思います。
しかし、手持ちのBabyfaceもどちらかというとストレート鮮烈系なので、
SRH940との組み合わせだと、とても仕事から帰ってきてまったり音楽を聴くというリスニング用途にはちょっと不向きなのかなと思います。

それから座って聴けるヘッドフォン試聴ブースに行くと、お目当てのAKGは先客がいたので、
そこが空くまで隣のゼンハイザーHD650を聴くことにしました。
この試聴ブースは、マランツのCDプレーヤーが音源で、試聴用のCDがジャンルごとにおいてあります。
たまたまSA-15S2に入っていたのが、藤田恵美のカモミールシリーズでした。
聴いてみると、やはりゼンハイザーの音です。
普段HD595を使っているせいか、安心できる音です。
ただそれほど音場が広い感じはしませんでしたが、十分気持のよい音です。

そうしているうちにAKGのブースが空いたので隣に移動して、お目当てのK702はないので
クインシ-・ジョーンズのシグネチャーモデルQ701を聴いてみました。


しかしヘッドフォンがつながれていたヘッドフォンセレクター(?)のボリュームがガリガリのひどい状態で、
とてもまともに試聴できる状態ではなかったのですが、我慢して試聴。
CDプレーヤーは同じマランツです。
先ほどのSRH940の印象が強烈過ぎて、地味な感じを受けますが、
端正ですっきりとした音です。評判通り低音は少なめ。
試聴用のCDの中にカーペンターズのベストを発見したので、CDをそれに入れ替えて試聴をしました。
聴きなれている曲で比べるとHD595との差がよくわかります。
聴きなれているはずの楽器の音がかなり違って聞こえます。
どちらが本物に近いのかという問いは、あまり意味を持たないと思いますが、
聴きやすいのはHD595のほう、細かいところまで聞こえるのはQ701のほうです。
リバーサルフィルムに例えると、プロビア100ってところでしょうか。
アスティアほどは軟調ではないと思います。ニュートラルな感じ。

試聴したのはQ701ですが、K702もほぼ同傾向という前提で考えると、
SRH940とK702の二択でBabyfaceと組み合わせるなら、やはりK702のほうでしょうか。
SRH940では確実に聴き疲れをしそうです。
ヘッドフォンの装着感もかなり良好。側圧はむしろHD595の方があるくらいです。
ヘッドバンドは頭に載せる位置を工夫すればほとんど気にならないでしょう。
ただ93dbというヘッドフォンとしては超低能率であるため、
ヘッドフォンアンプを使わずに音量がとれるかちょっと心配ではあります。
ちなみにHD595は112db、300ΩというハイインピーダンスのHD650でさえ103db。
インピーダンスは62Ωなのに、なんでK702はこんなに能率が低いのでしょう。
試聴のときもかなりボリュームを右に回さないと音量がとれませんでした。

AKGでもう一つ気になっているのは、K550なのですが、
こちらは試聴ブースにはありませんでした。


密閉式でハウジングが回転したりするところはSRH940を意識したようなつくりで、
価格もほとんど同じです。
写真で見る限りは、仕上げは圧倒的にK550のほうがよさげです。
これも実物が確認できる良かったのですが残念です。

この日のヘッドフォン試聴はこれにて終了。
本当の狙いは、HD650よりももう少し現代的な音になったHD650の後継機なのですが、
HD800が出てしまったので、なかなか出ないようですね。
とかいってHD598のときのように、買ったとたんに後継機が出たらショックです。
まあ、メーカーが違うので持っていて損はないでしょうが、
ヘッドフォンを複数所有するとしても、ゆったりリスニング用とがっちりモニター用の2台あれば個人的には十分です。

さて、K702をどこで買いましょうか?