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保守記事.446 中東

2015-07-07 10:45:31 | 記事保守

エジプトでISの分派がテロ激化 ピラミッド観光、スエズ運河開発に打撃

Wedge 7月6日(月)12時20分配信

 アラブの盟主エジプトのシナイ半島で、過激派組織イスラム国(IS)の分派が警察署を襲撃するなど活動を激化させ、ピラミッド観光など同国の観光産業に 大きな打撃を与えている。エジプトの政情不安は、ISの「ラマダン・テロ」指令が信奉組織へ深く浸透していることを浮き彫りにしている。

旧約聖書の地にテロの嵐

 エジプトのシナイ半島は旧約聖書の舞台だ。預言者モーゼがユダヤ人の奴隷を率いてエジプトを脱出し、神から約束された「乳と密の流れる地」カナン(イス ラエル)にたどりつくまでさまよった場所である。モーゼはその途中、シナイ山で神から「十戒」を授かる。最近の映画、「エクソダス」でご覧になった方も多 いと思う。

 このシナイ半島に最近、テロの嵐が吹き荒れているのだ。嵐を巻き起こしているのは、ISの分派組織「シナイ州」である。シナイ州は1日早朝から、首都カ イロからスエズ運河を越えて約180キロ離れた同半島北部の町、シェイク・ズエイド一帯に攻撃を仕掛けた。同町の周辺の軍検問所、警察署など約20カ所を 襲撃、兵士や警官、住民ら70人を殺害した。

 アラブ最強のエジプト政府軍が戦闘機や戦車などを出動させて反撃したが、戦闘は完全には収束していない。エジプトでは2011年の「アラブの春」で30 年という長期独裁のムバラク政権が崩壊。イスラム原理主義組織「モスレム同胞団」出身のモルシ政権が誕生した。しかし、1年後に軍がクーデターでモルシ大 統領を追放し、昨年、国防相だったシシ将軍が大統領に就任した。

 治安が比較的安定していたエジプトで、こうした過激組織が公然と大規模なテロ攻撃を仕掛けるのはここ数十年で初めてだ。軍スポークスマンは「エジプトは (ISに侵略されている)イラクではない」としているが、看板の「治安の安定」に真正面から挑戦を受けたシシ政権の衝撃は限りなく大きい。

 エジプトの政情は事実上の軍事政権であるシシ政権になっても改善されたとは言えない。6月の29日には、カイロで出勤途中のバラカト検事総長の車列が道 路脇に仕掛けられた爆弾の攻撃を受け、同検事総長が死亡した。また同じ6月、エジプト観光の名所であるギザのピラミッドのほんの近くで警官が襲撃され2人 が死亡、さらには南部のルクソールのカルナック神殿近くで銃撃戦があり、イスラム過激派数人が射殺されるなどテロ事件が相次いでいる。

 シナイ州は元々、アルカイダ系の「アンサル・ベイト・マクディス」(エルサレムの支援者)という組織。それが昨年11月、イスラム国への帰順を表明し、 正式な分派となった。エジプトの過激派は、アラブの春の政治・軍事的な混乱に乗じてシナイ半島を中心に勢力を伸ばした。武器は西方の隣国、内戦中のリビア から流れているという。

 エジプトの治安当局が懸念しているのは、弾圧されて壊滅状態のモスレム同胞団の一部が過激化して地下に潜り、シナイ州と手を結ぶことだ。そうなれば、政 情不安はさらに強まり、エジプトが大きく依存している観光収入の激変を招く。観光収入は59億ドル(2013年)だったが、今や半分程度にまで減少してい ると見られている。

スエズ開発にも影響

 シシ政権は不安定な観光収入に代わる収入源の確保に向けて、スエズ運河の開発を進めている。スエズ運河の収入は53億ドル(同)だが、運河に両側通行を 可能にする水路を新たに建設し、収入を2.5倍にする計画だ。しかしスエズに近接するシナイ半島でテロが激化し、シナイ州が勢力を拡大すれば、この開発に も影響が及ぶのは必至だろう。

 もう1つ、シナイ州の伸張と切り離せない問題がある。それはシナイ半島のエジプト領と接するパレスチナ自治区ガザのIS支持者らが活動を激化させつつあ ることだ。このグループは最近、ガザの支配者であるイスラム原理主義組織「ハマス」に爆弾攻撃を仕掛けるなど活動を活発化させている「イスラム国の支持者 たち」。軍事部門も創設され、組織の規模は2000人~3000人といわれる。

 シナイ州もハマスを敵視していることから、シナイ州と「イスラム国の支持者たち」が連携すれば、その影響はガザにとどまらず、イスラエルにも波及して、中東和平の行方にもかかわってくる。イスラム国への信奉と共鳴は国際社会の想像をはるかに超える速さで増殖している。

佐々木伸 (星槎大学客員教授)

 

「独自硬貨」の鋳造まで始めた「イスラム国」〈週刊新潮〉

BOOKS&NEWS 矢来町ぐるり 7月6日(月)8時0分配信

 ジンバブエは自国通貨発行をギブアップしたというのに、過激派組織「イスラム国」は、独自通貨発行のため硬貨鋳造を始めていることが6月23日、判明した。

「金貨2種類、銀貨3種類、銅貨2種類、計7種類の『イスラム・ディナール」硬貨が、ラマダン明けにも流通し始めるかもしれません。1ディナール金貨は 139ドル(約1万7000円)、5ディナール金貨は694ドル(約8万5000円)相当だそうで、『アラーの思し召し通りにお金を遣うことに祝福あれ』 などと刻印されています。『悪魔のグローバル経済システムからの解放』を謳っていますよ」(国際部記者)

 世界経済から遠ざかるなら寿(ことほ)ぐべきだが、

「支配地域で実際に流通しているのはユーロ、ドル、イラク・ディナールなどです。国家として承認されていない『イスラム国』の通貨が取引に使われることは考えにくい」(同)

 現代イスラム研究センターの宮田律氏は独自通貨発行の理由をこう推察する。

「貨幣は国の象徴です。そのシンボリックな意味が大きいのでしょう。『イスラム国』にはフセイン政権時代のイラクの元財務官僚も参加しています。彼らが提案した可能性がある」

 鋳造のための地金はどうしたのか。

「昨年、『イスラム国』がイラク北部の街モスルを襲撃した際、市内の銀行から現金と地金、合計300億円相当以上を奪っています。同様の行為を各地で行っていますから、充分な量があるのでしょう」(同)

 今回発行されるのは金貨や銀貨で、紙幣はない。

「中東やインドでは、元々金が取引上、重要視されてきました。経済制裁下で現金取引ができないイランはインドと金の現物で取引したと噂されましたし、イスラム・ディナール金貨の価格も現在の金相場を反映しているようです」(同)

 6月30日現在、日本でカナダのメイプルリーフ金貨やオーストリアのウィーン金貨など純度99・99%以上の金貨を購入するとなると、1/10オンス (2・83グラム)貨で税込1万8384円、1/2オンス(14・17グラム)貨で同8万6782円。奇妙に価格が近似するのである。

「古くから金属加工技術の高い地域。純度の高い、質のよい硬貨なら意外に人気が出るかもしれない」(同)

 金投資に「イスラム国」など考えたくもない。

※「週刊新潮」2015年7月9日号

 


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