犬版オスカーは「アギー」 授賞式で「死んだふり」
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米国で今年創設された犬版オスカー「金の首輪賞」授賞式が13日、ロサンゼルスであった。映画部門では、米アカデミー作品賞の候補にも挙がっている白黒の無声映画「アーティスト」で熱演したテリアのアギーが初の栄冠に輝いた。
犬が活躍する映画が増えていることから、犬の情報サイトが創設。アギーは劇中で演じた「死んだふり」や二本足でのステップを授賞式で披露、観客をわかせ た。映画「ヒューゴの不思議な発明」のドーベルマンを候補にねじ込んだマーティン・スコセッシ監督はビデオメッセージを寄せたが、結局敗れた。
外国語映画部門では、昨年8月放送の日本テレビのドラマ「犬の消えた日」に出た2匹も候補に挙がったが、受賞は逃した。(ロサンゼルス=藤えりか)
「ワン」ダフルな演技にアカデミー賞を ネット支持拡大
2012年1月20日1時6分
米ゴールデングローブ賞で3冠に輝いた白黒の無声映画「アーティスト」で、主人公の愛犬を熱演した犬を24日発表の米アカデミー賞候補に加えて――そん なキャンペーンがネット上で盛り上がっている。欧米メディアは迫真の演技を称賛し、映画を見たスティーブン・スピルバーグ監督も支持していると報じてい る。
犬はアギーという名の9歳。作品中では、前脚で頭を隠したり後ろ脚で立ったり、死んだふりをしたりの「演技」を披露している。主人公を火災から救う場面 もある。カンヌ国際映画祭では最高賞パルムドールをもじった「パルムドッグ賞」を受賞。15日のゴールデングローブ賞授賞式ではちょうネクタイ姿でレッド カーペットを歩き、会場の人気をさらった。「アーティスト」は、日本では4月に公開予定だ。
カリフォルニア生まれのアギーは、元は捨て犬。動物施設で安楽死寸前のところを犬の訓練士がもらい受けて育て、米映画に出演させてきた。「アギーを(ア カデミー賞の)考慮に入れて」と題したフェイスブック上のページでは、スケートボードを乗りこなす動画も見られる。(ロサンゼルス=藤えりか)
犬の「アカデミー賞」創設 候補選出めぐり運動過熱
映画で熱演する犬が目立つ今年、「犬のアカデミー賞」が米ロサンゼルスで創設された。最優秀演技犬の候補に当初、映画「アーティスト」で有名になったテ リアの「アギー」が2作品で挙がった一方、マーティン・スコセッシ監督作「ヒューゴの不思議な発明」に出演したドーベルマンは入らず。監督がファンに呼び かけて、ついに候補に入れさせるなど、犬より人間が過熱気味だ。
「金の首輪賞」と題して犬の情報サイト「ドッグ・ニュース・デーリー(DND)」が創設。1月の発表ではアギーのほか、「人生はビギナーズ」の主演ユアン・マクレガー氏が父役から継いだ愛犬テリアなど4匹が候補に入った。
スコセッシ監督は米紙ロサンゼルス・タイムズに抗議文を寄稿。「小さくてかわいく、主人を助けた」アギーに対し、ドーベルマンのブラッキーは「子供をお びえさせる番犬を演じた」ため排除されたとして、「人間のアンチヒーローは受け入れるようになったが犬はまだまだだ」と、読者に記名投票を呼びかけた。