悠々time・・・はなしの海     

大学院であまり役に立ちそうもない勉強をしたり、陶芸、歌舞伎・能、カメラ、ときどき八ヶ岳で畑仕事、60代最後半です。

正岡子規と子規庵を尋ねて

2005-12-19 20:15:40 | 文学・文芸・芸術

12月18日(日)に、根岸の「子規庵」に行ってきた。
この日は1年に一度の、子規庵ファン感謝デーの「蕪村忌」なのです。

この日は、正岡子規が高く評価していた与謝蕪村のために、生前か
ら子規と弟子たちが集まって「蕪村忌」を行っていたことに因んで
毎年、「子規庵ファン感謝デー」と称して、入庵料500円を無料にする
とともに、襖に寄せ書きをしたり、俳句、短歌、絵、コメントなどを書いた
り、庭を散策するなど、自由に楽しんでもらう日になっているとのことで
す。

実は、この日の楽しみは、熱々の風呂吹き大根とココアを無料で振
舞ってくれるという楽しみがあるのです。子供さんにはお土産を用意し
てありました。

そして今回は、熱々、焼きたての、海苔で巻いたお餅も頂だきました。
丁度、入庵がお昼時でしたので、昼食代わりになってしまいました。

実を言いますと、この日が「子規庵ファン感謝デー」であることは知りま
せんでした。

       <私が描いた絵です>





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







近代俳句は正岡子規から始まったといわれています。
子規は、明治新政府がまだ定まらない慶応3年の生まれですが、
明治35年(1902年)9月に僅か35歳で亡くなっています。
彼の周りには、夏目漱石や森鴎外、中村不折、高浜虚子、河東碧梧桐、
長塚 節、伊藤左千夫、与謝野鉄幹、島崎藤村、会津八一等々が集まり、
彼の家は近代文学の原点の一つとなった。


))))))))))))))))))))))


子規は、江戸時代の俳諧師として高名な松尾芭蕉に対する批判者として
知られている。芭蕉は諧謔、憂鬱、恍惚などを誇張した作品が多く、演
劇的であり、説明的であり、散文的である。この点について子規は、詩
としての純粋性に欠けていると批判したのである。


                    )))))))))))))))))


子規は一方で、芭蕉に比べると評価の低かった与謝蕪村の俳句を高く評
価した。事物の簡潔な描写・表現が大事であり、蕪村の方が技法的に
洗練されており、鮮明な印象を効率的に表現している、という。子規は
「写生」の手法の重要性を高く評価し、視覚的で簡潔な俳句を目指した。
蕪村は俳諧中興の祖といわれるが、俳画の創始者でもあり写実的である。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


   行く春や鳥啼きうおの目は泪  (芭蕉)


   寂として客の絶間のぼたん哉  (蕪村)


   鶏頭の一四五本もありぬべし  (子規)

   

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



いずれも著名な句であるが、今日は子規庵を訪問したので、上記の
最後の子規の句について語りたいところであるが、
有名な「鶏頭の・・・」は、いろいろな意見があり面白いために
長講となる可能性があるので、一旦この辺で閉めて次回以降としたい。


*******************************************************







上の絵は、「吉田 漱」の画


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


<外観>空襲で全焼したが、戦後の昭和25年に新築、復興した
 建物が「子規庵」として残っている。。



  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


上段の左が庭から見た子規庵      右側は子規愛用の机
                       机のまん中が開くように
                       なっている(膝が入るように)  


庭と部屋の間取り。
         一番下の真ん中↑辺が玄関。
                              絶筆三句が書かれている

*****************************************

墨汁一滴

岩波書店

このアイテムの詳細を見る



*********************************************************


<子規庵のホームページ>

http://www.shikian.or.jp/



**********************************************************

最新の画像もっと見る

コメントを投稿