私は、この美術館に初めて訪問したのだが、ご存じない方も多いと思われる
ので、若干説明したい。
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<所在地>
礫川(こいしかわ)浮世絵美術館は、文京区小石川(こいしかわ)1-2-3と
いう分かり易く、絵に描いたような番地にある。
場所は、地下鉄丸の内線後楽園駅4B出口の前が礫川(こいしかわ)公園で、
その近くに富坂下交差点があるが、ビルはその交差点角の隣にある。すぐ近
くには「東京シビックセンター・シビックホール」という大きなビルがあり、南側
の方角には東京ドームが見える。地下鉄も丸の内線の他に、この交差点の
下に南北線と大江戸線の春日駅があり、三田線の春日駅もすぐ近くにあると
いう至極便利なところである。この美術館は、交差点角の一軒隣にある8階建
ての細長い、こじんまりとしたビルの5階にある。
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<礫川浮世絵美術館>
1998年11月付けの設立趣意書を読むと「当面プライベートで小規模のものと
して発足いたしますが・・・」と書いてあるので個人の美術館であろうと思われる。
館長松井英男氏は、元杏林大学医学部教授で本業はバイオテクノロジーの研
究家だが、大学の定年を機に歯科医の奥様とこの美術館を開館したのだという。
美術館が入っているこのビルには歯科医院もあるので、多分ご自分の所有ビル
の一角(5階)にスペースを確保したものであろうか。スペースという言葉がピッタ
リのこじんまりとした美術館で、小さなエレベーターを降りたらすぐそこが受付と
いうか、入り口という具合で、しかもそこでスリッパに履き替えて入るのである。
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<所蔵浮世絵>
説明によれば、松井元教授がアメリカに留学中から蒐集・研究が始まり、所蔵
点数は2000点というから大変なものである。浮世絵版画に使用されている植
物性絵の具は退色しやすいという理由から、毎月40点ほどずつ掛け替えて展
示しているという。私が今回鑑賞させていただいた浮世絵はみんなすばらしい
もので、見慣れた作品も数多くあった。その中で最も有名なものは「葛飾北斎」
の「富嶽三十六景 凱風快晴」であろうか。
個人で貴重な作品を2000点も所蔵していれば、その保存・保管には相当のご
苦労があると思われる。
その所蔵作品の中から、今日は富士山二景を、解説なしでじっくり鑑賞するこ
ととしたい。
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<先生の研究>
私が勝手に調べたのだが、先生の「浮世絵」に関する科学的な、次のような
研究が見つかった。さすが、バイオテクノロジーの研究家である。
奈良大学文化財学科/学内学会・シンポジューム
2003年6月12日(土)
セッション2「材質(顔料)」
「可視ー近赤外分光反射スペクトルによる浮世絵版画「富嶽三十六景
シリーズ」に使用された青色着色料の非破壊同定」
下山 進(吉備国際大学)
松井英男(礫川浮世絵美術館)
下山裕子(デンマテリアル(株))
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富士山二景
<葛飾北斎「富嶽三十六景 凱風快晴(がいふうかいせい)」>
<歌川広重「東都名所 日本橋之白雨(はくう)」>
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<礫川浮世絵美術館のホームページ>
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