「日本近代文学館:夏の文学教室」2018年 於)読売ホール
7月30日から8月4日。
この講座の受講は二年ぶり。今年はかなり充実したないようだった。
講師と講演のタイトル。
荒川洋治;黒島伝治の文学世界。中島京子:#METOOと「女性に関する12章」。
佐伯一麦:川端康成の世界。島田雅彦:日本というフィクション三島について。
浅田次郎:文学と兵隊。伊藤比呂美;名誉詩人としての太宰治。中上紀;中上健次について
木内昇:司馬遼太郎が描いた近代。川本三郎:台湾を描いた日本の小説。
宮沢章夫:小説を読む時間ー横光利一。堀江敏幸:井伏鱒二の胆力について。
高橋源一郎:ヒロヒトと文学。林望:中島敦ーその文章と味わい。
他に、青来有一、安藤礼二、池澤夏樹の講演があった。
今年の主題は「近代と現代の間ー昭和の文学から」だった。近代(明治から終戦まで)。現代(戦後)。その間は十五年戦争。現代の政治情勢を踏まえて、戦争と文学、戦争と人間、文学者の戦争責任、現代社会への批判的論評、未来への思考の話が多かった。
二度と戦争させない、文学は二度と戦争協力しない。こういう決意がにじみ出ていた。プロレタリア文学の紹介、戦争体験の語り継ぎ、文学者の戦争責任。
こういうことを論評する、講師が多かった。文学には現代的視点が必要、人間や社会に異議申し立てをする側面があるということを実感する講座だった。
